第23話

 奈祇紗と教室へと向かう途中、俺はある事を思った。それは最近推し活をできていない事である。

 なんか学校生活が忙しいっていうか、俺としては両立したいのだがここ最近は何も出来ていない。

 

 流石にそれはまずいんじゃなかろうか。俺のアイドル推し活は人生をかけてやっていくと決めたもの。疎かにするのは許されないし、推しているアイドルの方にも失礼に当たるってもんだ。


 俺はアイドル推し活のためのメモ帳を常備している。中にはライブや握手会の日程、チケットの販売日や配信日、その他今までの思い出などをたくさん書き込んでいる。


 そろそろ推し活にも戻らないとな。確か今週末に麗奈ちゃんのライブがあるはずだ。もちろん、その日は予定も空けてあるし楽しみにしておこうと思う。

 

 …それで推し活については置いておいて、とりあえず今はこの状況をなんとかしなくてはならない。 

 車の中で無視してしまった理由は説明したら分かってもらえた。


「おはよう、明翔くん。…とついでに奈祇紗も」


「おはよう、清水さん」


「ついでって何よ」


「冗談だって…それよりも奈祇紗の顔からして昨日のことは聞けたんだね」


「ええ、ばっちりね。やっぱりあの女が余計なことを明翔に吹き込んでいたわ」


 それから奈祇紗は昨日のことに関する全てを清水さんに話した。清水さんも話を聞いていると、今朝の奈祇紗と同じような表情をしていた。

 二人にとってこの真白の行動はよくないことだということが分かった。


 女子についてはまだまだわからないことが多いが、今回のことでなんとなく学べたこともある。経験を活かしていこう。








 今週が終わった。無視の件があってから今週はすごく大変だった。毎日放課後に奈祇紗と清水さんにショッピングに連れ回された。入ったお店の中には下着ショップや水着店もあった。

 

 あの時は周りの女性から向けられる視線が痛すぎて耐えられなかった事を覚えている。俺の好みの下着を選べだの、水着を選べだの…本当に恥ずか死するかと思ったなあの時は。


 俺の好みなんて聞いて何をしたいのだか。個人的に推測しているのは、俺が男だから男うけのいいものを選ばせたかったからだと思っている。うん、それ以外はありえない。間違いなくこの推測はあっているに違いない。


「やっと休みだな、疲れた…」


 今日は麗奈ちゃんのライブがある。いつも通りの会場で開催されるらしく、今回は握手会はないという内容。

 握手はたまに出来るからこそ価値があると思うし、今日は普通に楽曲を楽しむつもりだ。


「行くかー」


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アイドル人気ランキング最下位厨、黙って応援し続けていたらいつの間にか修羅場になっていた件 ミナトノソラ @kaerubo3452

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