おへそであそぼう
くすぐり小説 / くすくすくらぶ
おへそであそぼう
夏休みも中盤に差し掛かったある暑い午後、サキはエアコンの効いたリビングで、冷たいアイスティーを飲みながらお気に入りのマンガに没頭していました。
彼女は普段は真面目でしっかり者。でも、家では少しだらけた一面を見せるのが常でした。
ソファに寝転がり、Tシャツが少しめくれておへそがチラリと見えているのも気にせず、物語の世界に浸っていました。
そこへ、弟のタクミが現れました。タクミはサキとは正反対のやんちゃな性格で、
夏休みは毎日何かしらのいたずらを企てて過ごしていました。
この日、彼が手に持っていたのは、猫が遊ぶ羽根付きのおもちゃ。ネズミの小さな人形にカラフルな羽根が数枚ついていて、風を起こすとふわふわ揺れる、飼っている猫のミャーコが大好きな遊び道具です。
タクミはサキの無防備な姿を見て、目を輝かせました。「これはチャンスだ」と。
「ねえ、サキ姉」とタクミがニヤニヤしながら近づいてきました。
「おへそってさあ、くすぐったいよね?」
「はぁ?何?」
サキはマンガから目を離さず、適当に返事をしました。
「タクミ、今本読んでるから静かにしててよ」
サキのそっけない返事に、タクミはにやりと笑います。
それはかまってほしいタクミにとっては「やってOK」のサイン。
小さな悪魔の悪戯が始まりました。
そばへ素早く近寄ると、タクミはサキのおへそに羽根をそっと当てました。
「ひゃっ!」
サキは反射的に体をくねらせ、マンガを下に落としてしまいました。
「何!?タクミ、邪魔しないでって言ったじゃん!」と叫びましたが、
タクミはすでにスイッチが入っていました。
サキの太ももの上に座り込んで、
「ほらー、やっぱりくすぐったいんだ!サキ姉、弱いじゃん!」と笑いながら、
羽根をくるくるとおへその周りで動かし始めました。
「あははは!や、やめてってば!あはは!」
サキは笑い声が止まらず、ソファの上でじたばたしました。おへそは彼女の弱点の一つで、触られると我慢できないほどくすぐったさが襲ってくるのです。タクミはそれを知っていて、執拗におへそだけを狙いました。
羽根が軽く皮膚をなでるたび、サキは「ひゃはは!もう無理!やめてー!」と叫びながら笑い転げました。涙まで出てきて、息をするのも大変なほど。
「サキ姉、こんなに笑うなんて珍しいよ!いつも真面目ぶってるくせにー」
タクミは楽しそうにからかいながら、さらに攻撃を続けました。サキはなんとか反撃しようと手を伸ばしましたが、笑いすぎて力が入らず、タクミを捕まえるどころかソファから転げ落ちそうになりました。
「ちょっと、覚えてなさいよ…!あははは!」と、笑いながらも必死に抵抗するサキ。でも、タクミの小さな手は素早く逃げて、すぐにサキのおへそに戻ってきます。
「あはっ!いやあっははは!」
柔らかい羽でこしょこしょとおへその周りをくすぐると、サキの腹筋がぴくぴく動くのが面白くてたまりません。
「あっ、サキ姉、おへそ汚れてるー」
タクミはサキのおへその奥に小さな黒いゴマみたいな汚れを目ざとく見つけました。
「とってあげるね」
ほじほじ、と小さな指がサキのおへそをくすぐります。
「ひゃああ!タクミ、やめなさいってぇ、いひひ、言ってるでしょっ!」
「うーん、なかなか取れないなあ」
くりくり、ほじほじとおへその中で宝探し。
夢中でおへそを広げてまさぐったり、爪でカリカリと優しく引っ掻いてみたり、
その度にサキはひゃあ!とか、にゃあ!とか、猫のような声で叫ぶので楽しくってたまりませんでした。
10分ほど続いたこのくすぐり地獄。
ようやくタクミが「お腹すいたからおやつ食べるー」と言い出して手を止め、サキは解放されました。
彼女は一人、ソファにぐったりと横になり、
「はぁ…はぁ…もう、絶対許さないんだから」と息を整えながら呟きました。
顔は真っ赤で、髪はボサボサ。でも、なぜか心の中では少しスッキリしたような、不思議な気持ちになったのでした。
おしまい
おへそであそぼう くすぐり小説 / くすくすくらぶ @guriko_99
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