二人を映す、無限のミラーボール。

切なくて、痛く苦しい。

二人だけで温めていた世界も、乱反射するミラーボールのような“声”の嵐に、
あっという間に砕かれてしまう。

私も、表面上だけでも、レイくんに近い境遇だったことがあるからでしょうか。
私は幸い、「グロテスクなミラーボール」に晒されることはありませんでしたが、
本当に不可抗力としか呼びようのない事柄で、人一人の社会的信頼や、ひいては価値づけが転落してしまうことの恐ろしさに慄然とせざるを得ません。

作者様の表現力の真骨頂は、そうした現実を「ミラーボール」に例え、物語の骨子にしたところではないでしょうか。

刺すような輝きを放つ、現代のミラーボール。
あなたには、どんな光が届いていますか?