第42話

「多分友達も傘持ってると思うんで、二人で入って帰ります」

「いや、でも、、」



雪先輩が遠慮がちにそう言った時、私のポケットの携帯が鳴った。マナーモードがいつの間にか解除されていたらしく、明るい音楽が響く。



「あ、すみません」



慌てて携帯を取り出すと、着信相手は友梨だった。

HR終わったとかかな?と、電話に出る。



「もしもし」

『もしもし愛那?ごめーん!今日委員会だったの忘れてた!一緒に帰れないや』

「委員会?あ、そうなんだ。待ってようか?」



友梨はたしか風紀委員会に入ってた。

クラス会でどうしても決まらなくて担任に頼まれたらしい。頼まれると断れない責任感の強いところが、友梨の長所だ。



『雨強くなるみたいだし、委員会長引きそうだから先帰ってて!ごめんー!』

「わかった。じゃあ先帰ってるね」

『うん、ごめんね』

「ううん、委員会頑張ってね」



ゆっくりと電話を切る。

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