第15話

だけど当の本人はまったく気にしていなくて、さらりと彼女の髪を撫で下ろしたあとに手を離す。


やばい、その仕草キュンとした。




「こんにちは。一年生?」


「あ、はいっ」




そんな彼女もまったく気にしていない様子で、ふんわりと私に笑いかけてくれた。


女神が降臨したのかと思うほどの美女。




「あ、愛那です」


「愛那ちゃん。私は雪、よろしくね」




私は、蓮先輩に聞き直されてから名前はしっかり言うようにしていた。


雪先輩はふんわりとした笑顔を崩すことなく、自己紹介してくれたのでホッとする。




「わかってるとは思うけど、俺の彼女」


「あ、はい、わかってます」




わかっていると言うのもどうなんだろうと思った頃にはもうサツキ先輩はケラケラ笑っていた。


やっぱりよく笑う人だ。

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