中国軍、台湾侵攻

ベアキャット

2025

 米大統領は、ウクライナへの支援を停止。

 ウクライナは苦渋の決断で、アメリカ仲介による、ロシアとの停戦に応じた。

 ウクライナへ定められた、停戦条件は、


①ウクライナ東部および、クリミア半島を、ロシアへ割譲すること。

②大統領の退任。

③中立化。

④他国の軍隊を駐屯させないこと。

⑤軍の縮小。

⑥戦犯の引き渡し。

⑦ロシア語の公用語化。

⑧反ロシア的思想を取り締まること。


 などであった。

 ひるがえって、ロシアには何の条件もつかず、ただ一方的にウクライナだけが譲歩させられた。まるでウクライナが降伏したような条件である。

 米大統領は調印式で、『よいディール取り引きができた』とご満悦まんえつであった。侵略被害国へ一方的にその損害を押しつけることが、よい取引なのかは、はなはだ疑問ではあるが。

 満額回答の笑みをした、ロシア大統領と、渋面じゅうめんのままの、ウクライナ大統領。その表情は、まさしく対照的であった。

 米大統領は、を、交渉の最後まで理解できなかった。

 米大統領は、ウクライナから、支援した金額の五倍もするレアアースをまきあげたことで、頭が一杯であった。

 なぜなら彼の人生で、最大金額のディールだったからだ。しかも前政権のマヌケどもの損害を、逆転して儲けにしたことは自らのあらゆる宣伝に使える。彼にとっては、言うことなしのディールであった。


 その年のノーベル平和賞は、米大統領には与えられなかった。

 代わりにノーベル平和賞を受賞したのは、ウクライナの難民を支援している団体だった。

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