第3話 幸運の塔

目を覚ました瞬間、全てが違っていた。自分がいた場所は、まるで異次元のような空間で、周囲には巨大な円柱が無数に立ち並んでいる。空気は重く、圧倒的な異質感に包まれていた。冷たい感覚が全身を駆け巡り、直感的に何かが始まったことを感じ取った。


「ここは……どこだ?」


そのとき、ふと気づくと自分が空中に浮いていることに気づく。下に見える地面はかなり遠く、しかもその下には何もない。高さにして、少なくとも数十メートルはある。視線を下げた瞬間、突然足元が崩れたように思え、思わず手を伸ばすも、もう遅かった。


「うわっ!」


地面に向かって落下する感覚。だが、焦りながらも瞬時に体を反応させて、できるだけ受け身を取ることに集中する。落ちる速度が速いが、頭を冷静に保ちながら、できる限り体勢を整える。全身の筋肉が強く緊張し、ついに地面に触れる瞬間が訪れた。


「ドスン!」


無事にマットの上に着地できたことに安堵の息が漏れる。かなり高いところから落ちたとは思えないほど、マットの感触が優しくて柔らかかった。しかし、その瞬間、周囲から不気味な音が響き渡る。


「ボキッ……」


その音の方向を見て、思わず背筋が凍るような感覚を覚えた。目の前で、人の首が不自然に折れる瞬間を見てしまったのだ。しかも、その周りでは他の人たちも次々と落ちていき、マットにうまく着地できずにそのまま激しく地面に叩きつけられている。


「こんな……」


言葉が出ない。どうして? と思ったが、答えはすぐにはわからない。だが、はっきりとわかることがあった。この試練、そしてこの空間で生き残るためには、運が必要だということ。


「これが試練なのか?」


思わず自問する。運よく着地できた俺も、すでにこの「試練」が始まったことを強く感じていた。次に何が起こるのか分からないが、この空間に移動した瞬間から、明らかに何か異常が起きている。


突然、視界が切り替わると、目の前に大きな機械が現れる。それはまるで昔の遊園地にあった「もぐらたたき」のような装置だったが、その規模は想像を超えて巨大だった。


「第一の試練、もぐらたたき」というアナウンスが、空間に響き渡る。音声がどこからともなく聞こえてきて、さらに周囲の雰囲気がピリリと引き締まった。


「え……?」


目の前には、巨大な鉄製のハンマーがひとつ、無造作に置かれている。それはただのハンマーではなかった。鉄で作られた、異常に重そうで、先端には鋭い棘がついていた。これで何を叩くのか。心臓がドキドキと激しく鳴る。


「ルールを説明するね!」


突然、空間の中心にモニターが現れ、そこに映し出されたのは、何とも不気味なモグラのマスコットキャラクターだった。思わず背筋が寒くなるようなそのキャラクターが、冷徹にルールを説明し始める。


「ようこそ! 君たちに課された第一の試練、もぐらたたきだよ! 君たちはこのハンマーで出現するモグラを叩かなければならない。叩く相手は決して人ではなく、試練を受けることを選ばなかったモグラたちだから安心してね!」


その説明に、少しだけ安堵の気持ちが生まれるが、すぐに不安が襲ってくる。なぜなら、もしも叩かなかったら、何が起きるのか分からないからだ。


「モグラはただのモグラではないよ。試練に参加した者が選ばれる、特別なモグラたちだから、君たちが叩くべき対象だよ!さあ、試練スタート!」


その言葉と共に、周囲の地下から「ポン!」とさっき、塔に入らなかった人が一斉に顔を出し始める。速度は予想以上に速く、目にも留まらぬスピードで次々と跳ね回る。


「くっ……!」


俺は思わずハンマーを握りしめる。冷たい鉄の感触が手に伝わり、その重さに少し圧倒されながらも、心を決めて人の頭に向かってハンマーを振り下ろした。


「グシャッ」


「罪の気持ちが芽生えた。また、ルールにこんなことは説明されていない。」


だが、その瞬間に感じたのは、ただの遊びとは違う、命を懸けた試練であるということだった。


モグラが口を開く「は?お前が連れてこなかったから、楽しくなさそうだからお前の試練に使ったの!お前が連れてきていたらモグラを叩くだけで良かったのにね!」

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終焉の塔〜生死をかけた試練 ポルノハブ @takenokogohann

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