リンドネルと魔法の薬。

猫の尻尾

第1話:コスプレイベントに迷い込んだエルフちゃん。

さて、この物語の主人公のは「明日野 天気あすの てんき君 」現在20歳の大学生。


都内のアパートに独り住い。

いや訂正・・・少し前までは独りだったけどに今はふたり住まい。


なぜ天気君が、ふたり住まいかって言うと今、彼の部屋にエルフちゃんの

女の子が同居してるからだ。


エルフってすんなり言ったけど・・・何を言ってる?、エルフが人間の世界に

しかもこの現代にいるわけない・・・おかしいだろ?って思うでしょ。

分かる・・・その気持ちはよく分かります。

でも真実は小説より奇なりって言うでしょ。


天気君と同居してるエルフちゃんの名前は「リンドネル・ローダンセマム」


天気君が街でナンパした普通の人間の女の子が同居してるって話でもよかった

んだけど、それじゃ普通にある話で終わってしまうから面白くない。

現代ファンタジーをジャンルに選んだ以上、ファンタジーでなくては・・・。


リンドネルは魔法の薬を使うって言う光のエルフって呼ばれる精霊の一種。


ってことでリンドネルが天気君のところに来てまだ一週間ほどしか経ってない。

なんで北欧神話の民間伝承に登場する種族のエルフちゃんが天気君のアパートに

いるのか?・・・大いに興味のある話だと思いませんか?


そもそもここは日本。

なんで西洋のキャラが日本にいるんだって話。

漫画、アニメ、ゲームの中では、日本にエルフがいるってのは普通にある話。

この話も、ご多分に漏れずそのパターン。


じゃ〜リンドネルがなんでそんなことになってるのかについてだけど・・・、

それを知るには一週間ほど前にさかのぼらないといけない。


リンドネルの出身はアルフヘルムって国のアルモース地方ってところ。

彼女はその片田舎の伝統あるアトモスフェリク魔法学校に通っている学生。

歳は天気君より5歳年下の15才。


立派な魔法使いになるため、ただいま勉強中。

魔法の薬の調合を間違えたりする、ちょっとお間抜けなところもある。


だが一般的に女の子は優等生すぎると可愛げがないと思われている。

女の子は基本可愛くなくちゃいけないって言うことを前提に考えると

少しくらいドジなほうがいいのかもしれない。


で、ある日リンドネルは学校で魔法の薬の調合に失敗して「チュドーン」って

爆発させたあげく校舎をバラバラして自分はどこか知らない場所に吹っ飛ばされた

んだな・・・やっぱりドジなんだ。

その爆発の勢いで空間に歪みが出てその歪みに飛ばされてしまったリンドネルは

次元を超えたらしい。


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折しも同時刻の日本。

幕張で大規模なコスプレイベントが開催されていた。


オタクでコスプレ好きな天気君がデジカメ持参でそのイベント会場に来ていた

時のこと。

お気に入りのコスプレーヤーを探してウロウロしてたら天気君のほうに背中を

向けて腰のあたりに手を当てて「いたたたぁ〜」って唸ってるコスプレーヤー

さんを発見した。


せっかくだから「写真を撮らせて」ってお願いしようと彼女の前に回りこん

だら、顔も衣装もずず汚れてて衣装はあちこち破れてて、しょぼ〜いエルフコス

の女の子がそこにヘタレ込んでたっつうわけ。


たしかに顔もずず汚れたんだけど、それでもその子、おしっこチビリそうになる

くらい、めちゃ可愛いかったんだ。

超絶、悶絶、史上最高最強に可愛かったんだ・・・少なくとも天気君の美的センス

は正しいと言えた。


もし、そのエルフコスの子が超ブスだったとしたら、天気くんは彼女を無視して

どこか他のコスプレーヤーを求めて移動しただろうから、まじそうなってたら

この話は一話完結で終わってたと思う。


つづくね。

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