第4話

「賀川先生とは、学年部も一緒だし、分掌も特活(特別活動)で一緒だよね?」



気を遣っているのか、古庄から気さくな感じで話しかけてくる。



「俺は地理で賀川先生は世界史だから、教科も地歴科で同じだし。お互い協力し合って、頑張ろうね。」



と、夏の青空のように爽やかすぎる笑顔を、真琴へと向けてくれる。


心なしか、その白い歯がキラッと光ったように感じられた。


真琴も釣られて、少しひきつった作り笑いをした。



まだ着任して間もなく、気心が知れていない状態では、どんな話をしていいかも分からず、かなり気を遣う。



それに、古庄のこの爽やかさと全身から醸し出されるエネルギーのようなものは、真琴には強烈過ぎた。



毎日、この人と関わらなければならないとは……、


考えただけでも真琴は疲れてしまいそうだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る