第8話

「明日から転校生が来るらしいね」


「この時期にか、珍しいな。」


「へぇー?男か?」


「いや、女の子みたいだよ」


「えー女の子!?こんな不良校に!?襲われない!?」


「お、女!? それは…荒れそうだな。」


「いやー、可愛い子ちゃんが増えるのか。そりゃ嬉しいねぇ?」


「げ、女!? 面倒だわ…。お前、最初から手を出すなよ。」


「そんなこと言って、ナオは女の子に興味ありありなくせにー。よっ、ムッツリナオちゃん?」


「ムッツリじゃねぇし、興味ねーよ、勝手にしろ!」


「そうするつもり。顔、真っ赤。」


「りゅーちんやめなって!不良校だよ?余計、怖がられるから!」


「大丈夫だって。俺に口説かれて嫌な子なんかいねぇよ、ミオ?」


「……女か。」


「いや、ハルヒサ。今頃そこ反応するか?」


「ほんとウチのボスはマイペースだよね、アラタ」


「ああ、そうだな」


「で、調べた方がいい?」


「調べろ、リク」


「了解、ハルヒサ」




騒ぎたてる三人と、それを静かに眺める三人。

その輪の中には、どこか危うい空気が漂っていた。



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