第2話 マッサージの誘惑♡

(第1話の続き)


「そうだ!実は私、最近マッサージにはまっていて、マッサージ機器も買ったんです。」


「そうなんですね。」


「今から見せますね。」


「いえ。見せなくていいですよ。僕、マッサージとかよく知らないんで。」


「絶対知ってますよ。これです。」


「へー。初めて見ました。」


「えっ?初めて見たんですか?」


「はい。だってマッサージしたことないので。」


「えっ?マッサージしたことないんですか?」


「そんなに驚くことですか?」


「だって、男性はよく自分でマッサージしてるって思ってたから。」


「そうなんですか?僕は女性のイメージの方が強いですね。」


「あっ!確かにこれは女性用です。」


「女性用とかあるんですか。こんなに小さくて効果があるんですね。」


「小さくても効果があるんです。」


「あと、こういうのもありますよ。」


「へー。全く別のタイプも持ってるんですね。」


「これは見たことありますか?」


「見たことないです。」


「本当に見たことないんですか?」


「そんなに驚かなくても。」


「これを私に使ってくれませんか?」


「それは後で一人でやってください。」


「一人はちょっと。」


「もしかして手が届かない場所とかですか?」


「手は届くんですけど、一人より誰かにしてもらった方が、効果があるんです。」


「そんなことあるんですね。でも僕じゃ、どこがいいかわからないじゃないですか。」


「ちゃんと場所を教えますんで。」


「僕は肩も凝ったことがないから、マッサージのことが全然わからないんですよ。」


「えっ?肩のマッサージだと思ってたんですか?」


「マッサージといえば、肩たたきとかじゃないんですか?」


「肩たたき(笑)。これで叩くと思ってたんですか?」


「本当に詳しくないからわからないんですよ。おばあちゃんに肩たたきしたときも、そこじゃないってずっと怒られていました。」


「おばあちゃんに肩たたき(笑)。私をおばあちゃんだと思ってたんですか?ひどい。」


「いえ、違います。マッサージって聞くと、おばあちゃんのイメージしか出てこなくて。」


「何もフォローになってないですよ。」


「すみません。」


「じゃあこっちの小さいのは、何だと思ったんですか?」


「お腹用とかなのかなと。」


「小さすぎじゃないですか?」


「じゃあどこ用なんですか?」


「それは言えないです。」


「言えないとかあるんですか?」


「あー、恥ずかしい!私がマッサージ機器を持っていることは、絶対に他の人に話さないでくださいね。」


「今更何を。自分から見せてきたんじゃないですか。」


(第3話に続く)

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