物語と時間

猫と歩道

コーヒーと紅茶



「喉、乾いてない?」


庭で本を読んでいた私に声をかける


「そうですね、少し乾いたかも。」


私は読んでいた本を机に置いて、彼のいる方へ向かう


「じゃあ、いつもの入れようか」


彼は歩く私を見ながら聞いてくれた


「うん、いつもので。」


彼の顔を見ながら微笑む


「飽きないものだね」


つられて彼も微笑んだ


「だって、怜さんがいれてくださるもの。飽きる理由が見つからないの。でも、怜さんもいつもコーヒーでしょ??」


それを聞いた彼は軽いため息をつく


「そうだね。カップはこれでいいかい?」


棚から紅い花柄のティーカップを取って私にみせた


「今の君の洋服にピッタリだ」


彼は、紅いお花の刺繍が入ったワンピースを指を差しながら言った


「ふふ、そうですね。その方がもっと美味しくなりそう」


ティーカップに揃えるようにソーサーを彼に渡す


「じゃあ、いれるから待っていて」


背を向けてお湯を沸かしながら言った


「じゃあ、あっちの方で待ってます」


彼のじゃあ、を真似する























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