第7話 保憲編 昴
昴「
お前に殺しを教えたのは俺だ
お前の戦い方は知りつくしてる」
昴は力で保憲をねじ
保憲(この
保憲の方が一瞬はやく左後方に下がった
ほぼ
昴は保憲を
保憲「昴先生 これは試合じゃない殺し合いなんですよ
僕は先生のタイミングに合わせる必要は無い」
昴はすぐさま体勢を立て直すと 保憲を上から何度も切りつけた
昴の
それに 子供の保憲と大人の昴では
だが、保憲はその全てを
昴「何が殺し合いだ
速さがあっても
保憲「先生こそ
保憲は 昴の刀の一点をめがけ
昴の刀が折れ、切先が床に落ちる
保憲「そんな雑に切りつけたら刃こぼれから折れますよ」
父の
こんな事も思い付かないくらい
腕も落ちるし」
昴は保憲の方に何か投げつけた
保憲「(しまった)うぎゃぁあ」
保憲は左肩を
昴はなおもナイフに力を込め、保憲に
昴「父親を殺すだ? だからボンボンは嫌いなんだよ
こんな良い暮らをしながら
何が
君の
保憲「昴先生みたいな
自分さえ良ければ周りも幸せだと思える
人間なら良いでしょう!
貴方のようなクズがこの家に生まれたら
何の不満も無いでしょうね
ですが 父上は貴方たちを養って
自分に
女の子の生き血が欲しいだのいって
自分以外の人間を虫ケラと思ってる」
昴「お前が好かれる努力をしないからだ!」
保憲「
まっぴらごめんだ
ろくな事にならなくなる
努力を重ねた結果 貴方の弟の
精神を病んでしまった
貴方が代わりにやっても良いのに
昴先生が早くこんな邸から出ていけば
病まずに済んだはずだ
弟思いの兄貴ずらなんかやめなよ
どうせあなたも
保憲はニヤリと笑うと
包に目をやる 白い包みはもうおおかた赤黒く染まっていた。
保憲「そういえば北斗さんも
僕を殺すように言われてたんですね?
あんなに弱いのに 可愛がられた結果がこれですか
笑えますよ」
保憲は しけた と言う表情で昴の方を向き直る
昴の顔から血の気が引いていく
明るくも無い部屋で虹彩が絞られ
瞳が小さくなるのを見た 動揺している
保憲の血が祭壇から床へ落ちる
肩に刺さったナイフの
保憲「うっ」
保憲は
昴「保憲 キサマ! 殺してやる
その時
?「保憲 大丈夫か?」
全く聞き覚えの無い男性の声に驚き
昴が振り向くと声に見合う男の姿などなかった
床の近い位置に一匹 山羊がいるだけだ
昴(ヤマジロ?)
保憲「山城 そこの生首を燃やしてしまえ 消し炭にしろ」
昴が保憲の目を見る
昴の瞳が小刻みに揺れている
死んだ人間は戻らない 分かっている
保憲を殺してる間にこの世に残った
ない北斗の一部が目の前で燃えて無くなる
保憲を抑える力が弱まった一瞬を見逃さなかった。
昴の手を跳ね除けると左肩に刺さっているナイフに手をかけ引き抜いた
そのまま昴の首を切ろうとしたが
昴はすでに赤黒い包の方へ走って行った
保憲はナイフを投げ捨て 刀に持ち替え 昴の後を追う
次の瞬間
保憲はそれを見ると何も言わず昴の首を切り落とした。
保憲「昴先生 北斗さんはお昼にこの邸を出ていきましたよ」
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