君へ…「きみは幸せでしたか？」

向日葵

遠くに見える向日葵

いつだったか一緒に見に行ったね

あの日僕はきみに気持ちを伝えるつもりだった

なのにきみが先に伝えてきた　命の期限

こんなに元気なのに　いや元気に見せていただけなのか

理解が追い付かない顔の僕に　きみは優しく微笑んだ

まるで向日葵のように

あの日を境にきみに逢えなくなった

それはきみの世界が小さな枠で囲われたから

そこから見える景色が　きみの世界のすべてになったから

僕はその枠を外から見上げる

君がそこから顔を出さないかなと　見上げた　きみがいる世界

僕は行くことすら出来ない

きみをその世界から連れ去ることが出来たらどんなに幸せだろう

またあの日のようにそばにいられたらどんなに幸せだろう

遠くに見える向日葵

ひとりでは見に行けないよ

＊

遠くに見える向日葵

いつだったか一緒に見に行ったね

あの日きみは私に何か伝えようとしていたね

私はそれを遮りきみに伝えた　命の期限

あの時出来る満面の笑みで　全身全霊で元気を演じて

理解が追い付かない顔をしたきみに　精一杯微笑んでみたよ

そう向日葵のように

あの日を最後にきみに逢えなくなった

私から見えるのは銀色の枠から見える世界だけ

そこから見える景色が　私の世界のすべてになったから

きみは今どこにいるの？

きみに羽があったらいいのにと

私はベッドに横たわりながら　見つめる　きみがいる世界

私はここから出ることは出来ない

この枠の外にきみが連れ去ってくれたらどんなに幸せだろう

またあの日のようにそばにいられたらどんなに幸せだろう

遠くに見える向日葵

きみは来年も見に行くのかな？

＊

今年も咲いた向日葵

きみは見ているかな

ぼくはきみが眠る場所で見ているよ

きみが望んだ向日葵が見える場所

永遠の眠りについたきみが望んでいた場所だよ

ねえ…

きみは幸せでしたか？

僕はきみに出逢えたこと　幸せでした

＊

今年も咲いた向日葵

きみも見ているね

私を感じて私のそばで

私が望んだ向日葵が見える場所

最後にパパとママにお願いした場所なの

ねえ…

きみは幸せでしたか？

私はきみと出逢えたこと　幸せでした