令和の仮面舞踏会

鏡越しに覗く、加工された笑顔、


滑らかな肌、輝く瞳、


指先で作る「私」は、


本当の私を隠すベール。



「いいね」の数が語る価値、


スクリーン越しの拍手喝采。


けれど、夜が深まるほどに、


その静けさが胸を叩く。



完璧な画像が集う世界、


そこには誰もが主役の舞台。


でも本当に見てほしいのは、


演じる役ではない私の声。




フィルター一枚ごとに重ねる仮面、


「美しさ」と呼ぶ偽りの微笑み。


真実を見せる怖さに怯え、


私たちは踊り続ける。



でも、ある日気づく瞬間が来る、


その仮面の裏に、誰かがいると。


加工を解けば現れる素顔、


不完全だけど、確かな命。



令和の仮面舞踏会、


もう誰のためでもない踊りをしよう。


鏡の向こうの「私」に手を伸ばし、


本物の光で照らすステージへ。

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