困難
社会人一年目。にも関わらず僕は今何をしているのだろうか。
新卒採用。4月に入社し、4ヶ月で職を失いました。
仕事が続かなかった理由は対人関係。
そこにいる人が悪かったんだと思い、退職した。
そして今バイトをふたつかけ持ちしている。
ひとつはコンビニ、もうひとつは飲食店
そんな僕が話したいのは、コンビニでの出会いです。
アルバイト先のコンビニは実に人手不足を極めていた。自分を採用してくれたのもそれが理由だと思っている。初めの頃は店長も優しかったし、接しやすかった。でもはじめて1ヶ月経った頃からお叱りを受ける事が増え、、、、落ち込むことが多くなった。
そんな時心の支えとなってたのがそこで働いているバイトの女の子だった。
いつも笑顔で笑ってて、みんなに話しかけて、大学一年目、何もかもが輝いて見える女の子。
「夢はありますか!?」
その子に突然そんな事を聞かれた。驚いた僕は蛇口から出るみかんジュースが飲みたい。と言ってしまった。
その子は驚いた顔をしていた。あーやっちゃったかな。そう思った次の瞬間
「おもろすぎますわ笑笑」
え、笑ってるの??めっちゃ爆笑してるけど。
そんなに面白かったかこれ。と思い少し嬉しくなった。それからというもの、バイト先で会う度に変な質問が飛び交うようになった。
「私何歳か知ってましたっけ?」
「何か言っておきたいことありますか!」
元気やなぁって思ってたよ。いつ行ってもキラキラしてる。そんな彼女を見る度に元気をもらってました。
そして1月1日。彼女をナンパしてみました。
もっと話したいと思ってて、何か繋がん?
「え、今ですか?今は無理ですけど、何かID書いてくれればいけます」
え?意外とすんなり提案を飲み込んでくれた。
てっきり断られると思ってた。そして調子に乗ってつい、言ってしまった。
どこかで会って珈琲でも飲も?
やってしまったと思った。けど
「ゑ?うーんまぁ無くはないですかねそれも」
若干の驚きは読み取れたが、それもすんなり承諾してくれた。優しい子だな。
まずはインスタを、交換した。
彼女から色んな質問が来た日もあった。とても嬉しかった。
でもバイト先の他の人が僕のことを嫌いらしく、酷い扱いを受けることも多くなってきた頃。僕はこのバイト先を辞めることにした。
辞めることを店長に告げても、心残りのない返事が返ってくる。それを聞いた僕はものすごい悔しさに打ちひしがれた。
これを聞いたら彼女はどう思うのだろうか。そう思いつつ、僕は静かに、誰にも言わずにバイトを去ろうとしていた。
最後のバイトの日、僕はいつも通りバイトに行った。彼女とのシフトは被っていないため、いないと思っていた。が、入口から入ったすぐのところでレジをしている彼女がいた。え、、なんでいるんだろう。
「あ、おはようございます☀️.°」
いつも通りの挨拶だった。オーナーから何か聞いてるのかな????気にはなったが、何も言わずに出て行くと決めた僕の決意は揺らななかった。
そして彼女は退勤前僕に言った
「何か言うことないですか?」
いつもの様に言った。僕は言おうとした。今日が最後だからもう会えないかもって。でもその言葉は喉から出て来ることは無かった。
あぁ帰ってしまうのかな。このまま何も言えずに。
と思っていたのだが、話しかけられた
「今日で最後なんですか!!!!!」
元気やなぁ。本当に最初から最後まで。
そうだよ。金輪際会わないかもね
言ってしまった。本心でもないことを。
「まぁ、ですよね!!まだ言いたいこと沢山あるから電話で話すことは出来ないですか?」
何事。今ここで言えば良くない?って思った。けどそれもそれでダメなんやろと思って承認した。
電話する日、掛け持ちの方のバイトから疲れて帰って、酒を飲んでいた。我ながらに最低だと思っている。そしてかかってきた。結局電話の中で言われ事は《本当に辞めた理由》《好きでした》だった。
驚いた。ナンパしたのもダメ元だったから。
そして僕は今度会おう?って誘ってしまった。だけど内心覚えてはいない。朝起きたら手帳に予定が組み込まれていた。
そして当日、自分はいつもメガネをしているのだがコンタクトにし、気合を入れて待ち合わせ場所へと向かった。
彼女はいつも通りだった。いい意味で。
そして次会う予定も組んできた。
が、予定が入ってしまったため断ることになった
ごめん行けなくなった。
「全然大丈夫ですよ!!!他に空いてる日ないんですか!あればその日で!」
いい子やなぁ。けど空いてる日もないんです。
普通に忙しくて。ごめん。って返信しようとしてたけど未読スルーにしてある。空いてる日見つけたらすぐ連絡しようと思ったからだ。
そして僕は彼女のインスタを見た。
え?男といる????あ、前言ってた友達かな?
そして何故か僕はLINEをブロックしていた。
無理無理、男友達でもなんで会うの?
付き合ってもないのにそんな感情が芽生えてしまった。でも現実問題。この子と遊んでいるほど暇では無い。就活だってあるし、職のない状態で何ヶ月も生きてはいられない。
だから僕はLINEをブロックした。でもいつか絶対迎えに行くからね。待ってて。何もかも終わったらまた迎えに行くから。インスタだって僕のストーリーは見れないようにしてあるし。だったらインスタだって切れよって思われてるかもしれないけど、だけど消せない。完全に切ることは無理。ごめんね。
どう思われてもいいけど絶対また会う。今よりもっと輝いた姿で会いに行くから。
同じ一年目なのにこんなに違いがあるなんて、思ってもなかった。
君はきっと優しすぎて
僕はきっとそれを望みすぎて
もう顔も見たくないと思うから
形も残らぬように
君の前から姿を消すって言ったのに
君の番号消せない僕はきっと半透明
他の誰かのとなりに居場所を見つければ
ちゃんと消えられるはずなんだよ
backnumber/「半透明人間」
一時の感情 透明人間 @toumei_05
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます