長さよりも

 今よりディストピアな雰囲気のある近未来。

 主人公の優華は妖精の卵を購入する。
 ほんの気分転換、インテリア感覚で。
 
 それは観賞用に作られた、たった三日の命。
 鳴き声に耳を傾けるうち、優華は自身の生活や行動に目を向ける。
 
 そして運命の日。
 突きつけられた残酷な現実と、今からでもできること。

 この三日で、彼女は変わった。
 長さじゃない。

 肝心なのは密度。
 その証拠に、本作だって長くはない。

 たった六千字に込められた濃密な空気、ぜひ味わってみてほしい。

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