タイトルの通り、短い「思いつき」と「ノンフィクション」。笑えるものもあれば、妙に心に残るもの、何だろうこれ、と思わせるものなどさまざま。なんとなく読んでみたら、ちょっと不思議な世界に迷い込んでしまいます。気になった方、ぜひご一読を。
この作者さんの長編でこの方の思考の複雑さについて行けずに、挫折した人でも(私のことです。)この短編集はすごく楽しめます。この方独自の面白い視点で世の中のこと目の前の小さなことをとても面白い形に切り取ってくれている面白い短編集です。世の中には、いろんな人がいるんだなぁと改めて思わされます。自分の視野がちょっと広がるような気持ちになれることを請け合います。ご一読いただくと良いと思います。
読んでいて不思議な読後感なんですよね。身近なことを書いているようなのに、どうにも同じ現実を生きているとも思えないし、そもそもが現実感とはなんだ?という話ではあるのですが、私が見ている「赤」とあなたが見ている「赤」は違う色である。そう、『脳の悪魔』という書籍に書いてありました。この短編から拾い集めた情報は、そんな、同じ赤を見ているはずなのにすれ違う「テツカズ」さんという不思議な方の、不思議な、目の端に映る飛蚊症みたいな……そんな作品でございます。ご一読を。