救いはない、しかしそこには愛があった

※読み合い企画からのレビューです

余命宣告を受けた主人公は、恋人の蓮にそれを隠し、残りの時間を彼とごく普通に過ごすと決めていた
そして、ついに別れの刻が訪れるのだが──というあらすじの本作品だが、物語は意外な展開を迎える

唐突で、そして愛に満ちた別れ
本作品は、読者である我々の心に引っ掻き傷を残していくだろう

この物語に救いはない
誰も救われない
だが、"報われた"のだと思いたい

本作品は、そんな、心に残る短編だ