4話読了時までのレビューになります

水原という女はめっちゃ面倒な女です。善意を投げかければ必死こいて拒絶し、自分の殻に閉じこもり、価値観と違う発言をされれば過剰なまでに攻撃的になります。
が、これはツンデレで言うところツンであり、若松はそんな水原と……まあ、仲良くなるんでしょう、仲良く(意味深)なところもありますがそれはともかく。

序盤は頑ななまでに相手を遠ざけているようにも見えますが、距離感バグった対応(百合小説にありがち)もしたりと、本質的には心優しいヒロインであります、優しくないと傷つかないしね。

とはいえ若松というのもまた、水原の指摘通りにエゴを抱えた主人公でもあります。普通の世界に生きていて、普通の正しさを抱えている女の子なので、水原に対してノンデリなことも言ってのける。例えば、水のない地域で喉渇いたら蛇口を捻れば良いじゃないというふうな、恵まれていることを自覚していない手前、恵まれてないと思っている水原に変なこと言って拒絶されてしまったり(変と言っても一般的な正しさを持つ意見)

自分がどんな環境にいるか分からない人間は他人を思いやれないのではなく、そもそもそういう観点がなかった、となるので、本質には優しい(若松は基本的に善意の塊みたいな人間である)二人の、若松は自身の感情が相手を傷つけることもあると認識するまでの、水原は他者の善意を受け止められるようになるまでの、そんな物語になるのかと存じます。