第1話

私が惚れた男は、素っ気ないし時々しか返事しなくてムカつくし冷たいし人間なのかと疑うぐらい感情が欠けている。




「ねえ」


「…」


「煙草やめてって言ってるじゃん!」


「…」


「ねえ!聞いてる!?」


「うるせえよ」




あったまにキタ。本当に何なのコイツ。


毎週末私の部屋に押しかけてきて、何も言わずに煙草を吸い出したりして腹立つ!賃貸マンションなんだから煙草吸うとクロスが黒くなってここ出る時にお金かかるんだつーの!代わりに払ってくれるのかって!



何度も、ここにコイツが来る度に言ってるのに聞く耳すら持たない。



なんで私、こんな奴を好きなんだか。




「水野」


「…なによ」


「早く灰皿用意しろ」


「〜〜〜!」




怒りがマックスだ。私がどれだけ怒鳴っても冷たくしてもコイツは痛くも痒くもないらしい。



いつもいつも自分の意思だけを押し付けてきて、私のことなんてまるで奴隷とでも思っているんだろうか。

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