第10話

「僕の6人の恋人」10


カーリー(違うんだよ…ゆい…)


カーリー(私はただ…)


ゆい(言い訳はあとで聞く…)


ゆい(カーリー…今すぐ私と交代して)


カーリー(わかった…)


カーリー(それと…すまなかった…)


ゆい(・・・)


〜交代〜


ゆい「とにかく早く秋斗くんに会いに行かなきゃ…」


きっと…秋斗くんがいま一番辛くて悲しい気持ちだと思うから…


〜秋斗宅〜


ゆい「秋斗くん…」


インターホンを鳴らしても出てこない…


どうしよう…


私がそう思っていると玄関の扉が開いて…出てきたのは…


???「あら?ゆいちゃんじゃない」


出てきたのは秋斗くんのお母さんだった。


母「家に何か用?」


私が口を開こうとした瞬間…


母「あ、もしかしてうちの秋斗に用があるのね?」


先にお母さんに言い当てられてしまった。


母「あの子今日部屋から一歩も出てこないのよ…」


それを聞いて私は胸が苦しくなった…


母「きっとすごく凹んでると思うからゆいちゃんから声をかけてあげてくれないかしら?」


母「あの子を少しでも元気にさせてあげてちょうだい?」


ごめんなさい…お母さん…


秋斗くんをそうさせてしまったのは私のせいなんです…


秋斗くんは私にもう会いたくないかもしれないけど…


それでも秋斗くんを助けてあげたいんです…


だから私はそのお願いを…


ゆい「わかりました。私から声をかけてみます」


母「うん。頼りにしてるわ」


〜秋斗部屋前〜


ゆい「秋斗くん…様子を見に来たけど…大丈夫…?」


秋斗「へ…?ゆい…!?」


秋斗「なんで…ここに…」


ゆい「秋斗くんが時間になっても来ないから心配になっちゃって…」


秋斗「そう…だったんだ…僕は大丈夫だよ…」


ゆい「ほんとに…?」


秋斗「うん…しばらくしたらまた復活するから…心配しないで…」


ゆい「うん…わかった…」


秋斗くん…やっぱりすごく落ち込んでる…


私にはもう会いたくなくなっちゃったかな…


そう考えると…涙が溢れる…


ごめんね…秋斗くん…


ゆい「それじゃあ…私帰るね…」


秋斗「うん…ありがとね…」


終わっちゃった…もう後には戻れない…


これで終わりなんだ…本当に…


ゆい「・・・」


アキラ(それでいいのか?)


ゆい(!)


ゆい(アキラ…急に内線をかけてこないでよ…)


アキラ(そんなことはどうでもいい)


アキラ(それよりもお前はそれでいいのか?)


ゆい(なにが…?)


アキラ(このまま別れちまってもいいのか?って聞いてんだよ)


ゆい(・・・)


ゆい(だって…もうどうしようもないじゃない…)


ゆい(秋斗くんに過酷なことやらせて…辛い思いをさせて…悲しませて…)


ゆい(もうどうしようも…)


アキラ(やり直せるか、やり直せないかじゃない)


アキラ(ゆい、お前がどうしたいかだ)


アキラ(お前が秋斗の野郎に何をしたいと思っているかでこの先が決まる)


アキラ(まだ…諦めるには早いんじゃないか…?)


ゆい(・・・)


たしかに…アキラの言う通りだ…


私がどうしたいか…


ゆい「・・・」


ゆい(諦めたくない…!秋斗くんとまだ一緒にいたい…!!)


アキラ(じゃ、あとはもうお前に任せるぞ)


ゆい(うん…!ありがとうアキラ…!)


アキラ(じゃあな)


私はまだ諦めない…!


秋斗くんに思いを伝えたい…!!


つづく…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る