第6話 固い肉はミンチにすればよし!
神様達
「ふーん...なんか始まりそうかも。」
「へぇー。彼戦えるのかしら?」
「さぁ?」
本文
「いっちょあがりよ!」
ウルフの腹が地面から飛び出た石の杭に貫かれていた。
「………終わり」
「こんなものね」
眼球が弓で貫かれたもの、脈を切られ出血により死亡したもの
「ほっほっほ」
丸焼きになったもの
「あっけねぇなぁ」
串刺しになったもの
死屍累々とはまさにこの事。あまりにも一方的過ぎて樹生は一歩も動くことなく戦闘は終わってしまった。
「うわぁ………」
あまりの光景に俺は怯んでしまった。仕方ないだろう日本では決して見ることのない光景なのだから。
「…………慣れてないの?」
サラさんに声をかけられた。
「………顔、真っ青……大丈夫?」
「……あはは……お見苦しいところを見せてしまいましたね」
正直吐きそうだった。ギリギリで耐えている状況だ。
「しょうがないことじゃよ。儂とて最初の方はいささか抵抗があったからのう」
トーナンさんはそういうが日本人にとってはやはり辛い所がある
「がはは!情けなのう。ほれ」
「………うん」
ドルドンさんがサラさんに声をかけるとウルフを捌き出した。
「······」
「どうした?タツキ。……解体が珍しいか?」
「いえ………皮や牙はわかるんですけど肉はどうするんですか?」
見たところ肉を棄ててるようだが……‥
「ああ……肉か?……ウルフの肉は固いし臭くてな。うまくねぇんだよな」
グランさんはそれにと言い
「肉は痛みやすいからな、よっぽどのことがない限りは捨てるもんだぜ」
「·······なるほど」
俺はある意味で最高のスキルを得られたかもしれない。
「皆さん、今日の晩御飯楽しみにしていてくださいね」
その日の少し進んだところで夜営をすることになった。
「ふん、ふん、ふ~ん♪」
俺は捨てられていた、ウルフの肉を風魔法でミンチにしていた。
「何をしとるんじゃ?」
珍妙な光景にトーナンさんが声をかけてきた。
「硬い肉を食べられるようにしてるんです」
俺はそう言うと、ミンチ肉に卵、ミックススパイス(独自調合)、塩、市販の炒め玉ねぎを入れた。
(この炒め玉ねぎ便利なんだよなぁ。普通にやるとめんどくさいんだよなあれ)
もちろんスキルを使っている所は見られないようにしたし、ビニール袋なんかも保管庫に放り込んだ。
「ウルフの肉ねぇ……あれが美味しくなるなんて想像もつかないけど……」
「酒のつまみくらいにはなるかねぇ?」
「まぁ楽しみにしていてください」
フライパンに油をひきタネを………落とす
ジュー……
「おお!」
「……!」
(うーん、いい匂い。血抜きもしっかりしてあるから臭もないし)
両面をしっかり焼いたあと最後にデミグラスソースと水をフライパンに入れ、玉ねぎとキノコを投入し蓋をして……
「完成!ウルフの煮込みハンバーグです。」
お皿にお姉さんから貰ったパンもつけて配る
「どうぞ召し上がってください!」
「「「「「·······」」」」」
全員が沈黙していたが……
「…………パクっ」
「!!美味しい!!」
最初に食べたのはサラさんだった。バクバクと凄い勢いで食べていた。
「うめぇ!」
「美味しいわ!」
「なんと柔らかい……年寄りに優しい料理じゃのぅ」
「酒!絶対に酒に合うぜこりゃ!」
(う~ん、美味しい。狼の肉なんて初めて食べたけどあっさりしつつ赤身の旨味が強くて………)
俺がウルフハンバーグを堪能しているとグランさんが声をかけてきた
「ただの商人かと思ってたが、まさかこんなことが出来るとはな!」
「本当よ。どうせ硬いパンと塩辛い干し肉かと思ってたけど……う~んパンもふわふわ」
カシュはパンを方張りながら幸せそうにそう言った。
「そう言っていただけて嬉しいです。あっおかわりもありますけど………食べるんですね」
全員が皿を出していた。
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