光宗薫(3)「ハート型ウイルス」の衝撃


2011年12月20日「AKB48紅白対抗歌合戦」に登場した光宗薫。

自己紹介を兼ねたやりとりの他、島崎遥香や山内鈴蘭とともに「ハート型ウイルス」を披露した。


その動画を貼ってみたところ、感想がいろいろ寄せられ、そのなかにはこういうものが。

「痩せ願望の強い私にとっては魅力的な体型ですね!! でも一般的にみたら拒食や病的な印象だと思います。AKBは一般人と等身大に近くかつ健康的で可愛らしい感じだからこそ売れていると思います。私の周りでも拒食疑惑や細すぎと言う声が多いですね~ でも周りの子はコートを着て厚着なのに対して光宗さんはノースリーブという衣装なのは彼女の細さを全面的に出したいのかなと感じました」

たしかに、身長168センチで体重30キロ台という体型は、そういう声が出ても不思議ではない。

にもかかわらず、ノースリーブに膝上20センチ以上のショーパン(?)という衣裳だったので、その姿はインパクトがあった。


もちろん、大半は絶賛の声。

「手で掴めそうなしなやかな腕に魅力を感じました。自己紹介の時全身アップになっている脚にも魅力されました。アイドル痩せ姫という印象を受けました」

「ネットで病的病的って言われていますよね。そこまで思わないけどなぁ。可愛いけどなぁ。って私は思います。うちの旦那さんも病的とまでは思わないみたいでした。細い子好きなのであんま参考にならないかもですが」

「好きな体型です。全然病的じゃないと思うしAKBのなかにいるから病的に見えちゃうのかも…なんて 華奢な体でダンスしてるのもきれいだと思いました」

「理想の体型です。二の腕?肩?の筋肉が美しいっ」

「肩から肘にかけての直線美に、見とれます。肘を曲げても、太さが変わらないというか。少年のようで、とても好きなタイプです。きっと女性からの支持を狙っているのでしょうからこれからすごく人気が出てきそうです」

「ちょっとボーイッシュで細身で長身ショートカットで目が大きいってまさに私の理想なんです」

筆者の読者には、痩せ姫の魅力を好む人が多いとはいえ、彼女に魅了された人が一定数いたことは間違いない。


そんな人は、AKBのなかにもいた。

まゆゆこと、渡辺麻友だ。

「光宗カヲルくんが最強だよね。噂の13期生! かっこいいよねー」

と、まだ研究生でしかない後輩を自分のブログで大絶賛。

ちなみに、光宗は上京する前、地元大阪メイドカフェでバイトをしていて、そこでの名義が「カヲル」だった。

モデル出身&モデル体型でありながら、可愛いメイドコスプレも似合うところが、二次元好きで知られたまゆゆの萌えを刺激したわけだ。

アイドルもまた、一種のコスプレといえなくもない。

AKBの雰囲気に染まれるのかどうか、という心配もあったが「ハート型ウイルス」でのパフォーマンスは意外とアイドルっぽい可愛さで、これならやっていけるのではと感じたものだ。

なにせ、秋元康をして「天性のアイドルです。アイドルになるために生まれてきたような子です」と言わしめたまゆゆに大絶賛されたほどなのだから。


それゆえ、こんな感想をくれた人もいる。

「秋元さんの女の子を見る目は信頼しているので(笑)話題になったこの子にも期待しています。体型では、鎖骨の感じや腕の筋っぽさが好きですね。」

ただ、この人はこんなことも言っていた。

「たしかにちょっと病的ではあるかな、という印象です。病気としか思えないくらい細いという意味ではなく、あの細さで真剣にダイエットをしているところですね。正直言って、AKBにいる以上そんなに痩せる必要はないんですけど、ボーイッシュな外見に反したそんな女の子らしさがいいななんて感じました」

また「毎日『ハート型ウイルス』の動画見てモチベーションあげてます 光宗さん好きすぎます笑」というほど「光宗型ウイルス」に感染した人も、

「でも光宗さんはなんとなく危うい感じっていうのすごくわかります 麻里子さまはメンタル強そうだし安定感ありますよね」

と、分析していた。


ではなぜ、彼女をAKBに加入させたのかといえば、やはり、マンネリ化対策というか、新陳代謝という狙いだったのでないか。

「ハート型ウイルス」の衝撃から11日後の大晦日「NHK紅白歌合戦」に、AKB48は4回目の出場を果たし、その前日には日本レコード大賞も初受賞していたものの、そういうときにこそ、次の手を打っておく必要がある。

実際、その年の「紅白」には、海外から少女時代やKARAが初出場を果たしていた。

時代の大きなうねりのなか、光宗が秘密兵器的な役割を期待され、世に出た感もある。

翌2012年、彼女はそのうねりのなかで翻弄されていくわけだ。

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