私も常々思ってたことだ! 是非一度は読んでほしい! 

是非!! 読んでいただきたい!!


いやあ、疑問に思い悩んでいた時に、こういう作品に出会うのだから、人生は面白いのである。
というのも、私は演劇という世界で育ってきたために、
界隈の作品によく出てくる「あれ」についてどうしたものか疑問に思っていたのだ。

それというのは、「説明台詞」である。
小説とは、文字だけで読み手に情景を浮かばせねばならない白紙の芸術である。
だが、私は思うのだ。


「少女とすれ違った」

という文章がある。

これを界隈では、

「肩の長さまである緑色の髪を二つに結いた、僕より頭一つ背の低い小さな少女とすれ違った」

となんて書いたりする。

これは……好みもあるだろうし、正解はないのかもしれないが、私が好きなのは圧倒的に前者だったりする。

少女とすれ違う。それはどんな少女!? と聞くのを、是とするのか野暮とするのかの差なのだと思う。

つまりは、そこは想像させてくれよ……という潮流と、
そこまでバックボーンを作ってないのかこの作者は! と言われる潮流である。


どちらが正しいのかと言えば後者なのかもしれないが、
文脈を読ませて読者の想像力を働かせる。そのために一才の無駄を省いた志賀先生の潔さ。私は支持したい。

……つい熱くなってしまった。

ご一読を!!