第4話 恋するバニーガール

 恋は盲目と言うが私は千堂君に恋をしていた。そこで、試したいのがセクシーランジェリーである。大手の通販サイトをスマホで調べて、あーだ、こーだ、と長考する。


 やはり、ランジェリーは恥ずかしいな。ここはバニーガールにするか。


 バニーガールセットをポチリと……。


 そして、数日後。


「宅配便です」


 おー届いたか。念願のバニーガールセットを手に入れたぞ。早速、試着と……これ裸になるのか、カツー恥ずかしいな。するするとバニーガール衣装を着ると。


 以前、姫様ユーチューバーとして使った撮影セットを用意する。姫様ユーチューバーは壮大にコケて黒歴史となったモノだ。


 えーと、撮影機材も揃った、よし、撮影会の始まりだ。


……。


 ダメだ、動画は何をしていいか分からない。なるほど、姫様ユーチューバーが失敗した理由がわかる。


 仕方がない、動画は諦めて写真撮影に切り替えよう。撮れた写真は確かにセクシーな姿だ。


 で……、これ、どうしよう?


 コンビニのプリンターでフォト印刷してみるか……。


 さて、死のう……と、思える写真が出来上がった。こんなコスプレカフェのおみやげの様なモノで千堂君は喜ぶのか?


 試しに千堂君にプレゼントしてみるか。


 何時ものように千堂君の昼休みのフリーキックの練習を見ている。昨日のバニーガール姿のフォト写真を取り出す。うーん、よく撮れているが千堂君は喜ぶのであろうか?


 私は千堂君がドリンクを飲むタイミングで近づく。


「千堂君、プレゼントがあるの……」


 取り出したのは顔の部分が写っていないバニーガール写真である。


「突然、何故?」


 私は千堂君の問いに言葉が詰まる。


「姫様のナマ写真?」

「いや、その、えー、こないだコスプレカフェで貰ったの」


 私のバカ、何でそんな嘘を言うの!!!


「そんな、写真は要らない。だって俺、姫様にしか興味が無いから」

「そ、そう?なら、止めとくね」


 そうか……千堂君は私にしか興味が無いのか……。


 さらり、と、恥ずかしい事を言われたな。私は顔が赤らみ照れていると、千堂君はグランドに戻ろうとする。


「俺、練習に戻るよ」

「はい、頑張ってね」


 私はもう少し素直に成れたらな……。


 顔の部分が写ったバニーガール写真をプレゼントする勇気が欲しいなと思う恋心であった。

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