第2話 ルナヴェスの転生~遺跡まで
【黄昏と祝祭の世界――ルナヴェス】
【祝星歴709年・七ノ月夕黎月(ゆうれいげつ)――オーランド領グノーラント近郊森林部】
【森閑とした夜が取り巻いていた。頭上の星々は際限なく巡り、ぽつぽつと湧き出る自意識に比例して、小石程の心臓が早鐘を打つように彼らを世界に縫い止め始めた。瑞々しい五感が鬱蒼とざわめく木々と風を捉え、苔生した野草の青臭い薫りが鼻孔を突く――たまらなく飛び出そうとしても四肢は身じろぎ一つすらままならない。】
【否応無しに肺腑に取り込まれる酸素が現実感を強め、追い立てられるような情動がせり上がってくる。冥府の世界にきて、なにかの責め苦を受けているのではなかろうか――?そういった錯覚すら脳裏を過ぎるだろう。ただ、眼前に飛び込んでくるパノラマの星空と、全身を包み込む布地の
【がらんどうの記憶の中に、がらんどうの肉体。そうして、この世の事とも思われぬほど鮮明な意識の後を追って、急速に過去の……それがまるで、遠い昔のことであったみたいに想起した。】
【――提示された条件と転生の約束――淡く光る上位存在――……深淵を揺蕩うなんとも言えぬ小気味良さ、……絶体絶命の機内、笑う同級生――担任の顔――……そうして、4人は唯一つの星空のもと集った。】
【ロールスタート】
タニヤマン「(うおっまぶしっ。…なんだ…?え…?アイムベイビー…?ふざけるなよあのポンコツテロリスト…ちゃんとイケメンにキャラクリしたんだろうな…クソ…顔を見せろ!玉のような子宝のはずだ!!)」
倉谷秋葉「(意識が覚醒すると、眼前に広がるのは真っ青な夜空だった。地球上では見ることが叶わないだろう幻想的な光景に思わず目を見開いて手を伸ば……手をのば……)あー、あうー?(恐らく自分の手であろう手は小さく、声もまともに漏らすことが出来ない)」
ダリル「(まさかの幼児の身体からの意識が覚醒すれば)あ……うぇ………?(っと言葉がうまく発せられない身体が動かせない状況に思考と行動の祖語に混乱すれば)アアウ………フゥ…。(一時試行錯誤したがあきらめたように目を瞑れば、横目でみた元居た世界では絶対に拝めなさそうな優雅な星空と景色に感銘を覚えれば)ウン………。」
クロ「(友人三人と、上位存在がいた空間から、意識が混濁していき、しばらく、何も知覚しない、無の意識が続いた後、次に眼を開いた時は星空一杯の景色が広がっており)プ・・・プゥ――・・・(言葉を喋ろうと、息を吐くように吐息を発したら、人間の赤子の様な声ではない声が出て)プゥ・・・?(なんだと、赤子ながら、身体に違和感を感じ、自分の姿を見ようと、手の平を掲げれば、羽毛の様な毛深い手の平が見えて)プゥ!?(なっ、なんだよこれ!人間じゃないんじゃないか!?嘘だろ!??くっだらねぇ馬鹿馬鹿しい!!、っと、赤子ながら意識は青年であり、ありえない事態に混乱し)」
タニヤマン「(星が綺麗だなァ…もう何もしたくない…あるいはこのままでいいのかもしれん…しかし母はどこだ?さぞ美しい女なのだろうな。何せ俺を産み落としたのだからな。この俺を)」
ダリル「アン……ア’’!?(隣にいた女児に横目を向けて続いて奥の男児を確認して全員いるか存在を確かめている後黒い毛玉に驚く様にして声を上げれば)」
倉谷秋葉「(横をみると、四人の赤子の姿。いや、正確には3人と1匹なのだが……1匹?なにか黒いのいるんだけど)だーあうー?(みんな高校の仲間たちなのだろうか。それとも違うのだろうか……。答え合わせをしたいが上手く言葉が喋れない)あー、うー、あうー、ばーーーー!!!!(しかし、周りには誰も居ないのだろうか。必死に声をあげて周囲にアピールしてみる)」
タニヤマン「(喧しいぞクソガキ。何を喚いている。)ふぁ…っく(おい誰かおらんのか。俺はガキが嫌いなんだ)」
トトポヤ「っ――――……ぁ!(耳朶に届く大きな鳴き声を聞き入れて、魔法の練習を中断して声のもとへと向かったが――……どさりと草叢の上へと魔導書が落ちる。丈の短い葉の波に揺られる4つの赤児の影――思わず現実を疑う光景に、女は驚嘆し絶句した。心拍数が加速度的に上がる)」
ダリル「アー………。(黒い毛玉をよく見ればそれは人の形をした者だと分かり、嫌な予感がしながらもその獣の眼を見れば彼だということがよくわかり)ア”~………。(っと頭を悩ませるように声を上げればそこで入ってきた女性に目配せする様にすれば)ア”?(っと目付きの悪い目で睨みつけるつもりはないのだが眼光を光らせれば)」
トトポヤ「ひっ……(4人を見下しながらも、ばくばくと張り裂けんばかりの動悸が身体を底から叩き、耐えきれずに腰を抜かすと。)」
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タニヤマン「(お?誰だ?…まさか貴様が俺を生んだのか?………………………………まぁまぁだな…)」
倉谷秋葉「だーあうー……(全員目が覚めたのか、自分たちの周りが一気に騒々しくなった。と、物音を感じて視線を下に向けると紫色の女性がこちらをみており)だうー、ばー(両手を精いっぱいのばして声をかける。というか現状、自分で動くことすら叶わないのだ。助けてを求めていると言ったほうが正しいだろう)」
トトポヤ「……誰が……こんなことを…(緩々と驚嘆に腰を抜かした身体を持ち上げる。身体についたくさ葉を払いながらも、全員の顔を見渡して嘆息。じっとりと濡れた額を袖で拭えば、薄紫の糸髪が風で棚引く。じぃっと、思い詰めた表情で無垢な面顔らを前に鎮座して――幾ばくかの時を遊ばせた。手を伸ばす女の子の指先に自身の指を絡めながらも)」
タニヤマン「せれ…ぶー(言葉は発せられんか…さすがにこいつが俺たちを生んだとは思えんし…せめて助けてもらわねば…愛嬌を振りまけ貴様ら…!)」
倉谷秋葉「だうーあー……めにゃあ……(眼前の女性が腰を抜かして怯える様子に、思わず赤子ながら汗をにじませる『ふむこれはまずいぞ』と直感的に思った。もしかしたら、このままこの女性が立ち去ってしまうかもしれないという危機感。しかし、それは杞憂だった。そっと近寄り手を差し出してきたのだ)……あうー(任せたまえ、こういう時は超甘ったるい媚びた声を上げてキュっと指を握れば一発ではないのかね。他の子には悪いがボクはこの子に拾われて幸せになるとするよ)あーだうー♪」
タニヤマン「(いいぞ秋葉!俺の次にかわいいぞ!がんばれ!!俺も精いっぱい愛嬌振りまくぞ!!)おぎゃー…えー…ばぶー…(二度とやらん)」
トトポヤ「――……(4人の顔を至近で覗き込む。月明かりを頼りに外傷がないことを確認すれば全員の頬を撫ぜて)どこから来たんだ、お前たちは……。(ぴくりと眦を決すれば獣頭の赤子に対して夜露のように小さく呟き)獣頭種か……」
クロ「(自分の見える範囲の毛玉の様な姿に混乱しながら、まだ座ってない首で、懸命に辺りを見渡せば、自分以外の赤子の三人の姿があり)プゥ!プゥ――っ!!(っと、同じ境遇の赤子が、もしかしたら先ほどいた三人の友人ではないかと思い、必死に言葉をかけるが、人間の赤子とは思わない泣き声を紡ぐだけであり。すると目の前に少女が現れ、自分達を発見すれば)プゥ・・・ぷぅー!!(っと、藁にもすがる思いで、とりあえず助けてと、鳴き声を発し、すると長い耳がピコピコと動き、俺!?いったいなんなんだよ!!、っと、垂れ下がってきた人間ではない長い耳に、目を丸くして)」
トトポヤ「みんなここらじゃ珍しい種族に毛並みだな……私はお前の母親じゃないぞ(指を強く握る子供の額を指の腹で撫ぜ、胎児の割には目つきの悪い子の顎をくすぐりつつ)赤子ならもう少し愛想を振り撒け、誰も拾ってくれないぞ…………そうか、お前たち本当に捨てられたのか……(さめざめと深く呼気を吐き出し、中天に昇る煌めきを仰ぎ、恭しく祈る所作を取って見せる。数拍して視軸を戻し彼らを俯瞰した――憐れだ……野に投棄てられ――渇きか、飢えか……それよりも早く鴉や野犬、魔物に食われるのが関の山だろう。)」
トトポヤ「(じぃっと4人の瞳を交互に覗き込む、腹の底まで見透かされていそうな無垢な瞳――)その眼も鴉に啄まれる…この柔肌も頬肉なんて特に美味そうだからな――……私じゃお前たちを養えないし、領主の元で一生農奴として生きるのも苦痛を引き伸ばすだけだぞ。(皮肉を極めた冷笑が浅く口許に滲む、指先が4人の糸髪をくすぐっては)」
トトポヤ「(冷や汗が額を伝う、過去の凄惨な情景が脳裏を乱雑に巡っては、痛々しいほどに悲痛な眼差しを向け)…………多くの苦痛を増やすだけなら、いっそのこと……」
タニヤマン「ぶーぶー!(なんだとこの人で無し!鬼畜!変態!この俺が媚を売っているのに…!養え!俺だけでも養え!!あっくすぐったい…)」
倉谷秋葉「だうー……(女性の言葉はどう考えても日本語ではなかった。しかし自分の耳には酷く聞き慣れた言葉として自然と入ってくる。女性はボクらの境遇について葛藤しているらしい。自分で養えないと)うぅ、あううう……(泣きそうな声色を出しながらも考える。しかし、このまま拾われても農奴になる可能性が大らしい)あう(ふむ、あの上位存在、大層な大役を仰せつかったわりには、この状況もう少しなんとかならなかったのかね……)」
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ダリル「アウ……ングググ…。(そう呟かれる現地人と思われる女性に反応するようにその瞳をはっきりを覗き込めば、立ち上がる様にして手足に力を入れる、前の世界からの身体能力の高さからできる芸当か、なんと胎児であるのにも関わらず絶妙なバランスで立ち上がろうとすれば)アウ!!!!ガガウ!!!!(っと役に立ってみせると言わんばかりに声を荒げれば)」
クロ「(少女が哀れそうな瞳を向けながら、申し訳ないが、私じゃ拾ってやれない、養えないと言われれば、感情と連動する様に、落ち込んで長耳が垂れ下がり)ぷぅ――・・・プゥ!ププゥ――ッ!!(っと、ならば、俺は恐らく人間ではない、動物だろう、生態系でいえば、自分の側にいる三人の人間の赤子とは違い、ハズレクジに近い、せめて俺はいいから、友人であろう三人の赤子を救ってくれと必死に獣の鳴き声を上げ)」
トトポヤ「……ほら、静かにしろ(吠えるような鳴き声をあげ、立ち上がろうとするダリルへと、指先を首筋へとあてがい、軽く膂力を込める――風が凪ぎ赤児の匂いが鼻孔をくすぐる。自重なんて目一杯にかけなくても容易く手折れてしまいそうな感触――眦を決して、息を継ぐ――これで楽にしてあげられる。)」
タニヤマン「ほぎゃぁぁぁぁぁ!!(助けてぇぇぇぇぇ!!!殺るならせめて俺からやれ!!楽になりたい!!)」
トトポヤ「黙れっ……!お前から先に締めてやってもいいんだぞっ……!すぐにっ……お前たちもっ…楽にしてやる…っ(傍らで大声をあげる男児へと上擦った声音で紡ぎ)」
タニヤマン「(あっすいません)」
クロ「(目の前の少女が、赤子の一人に、短慮な行動に走ろうとすれば)ぷぅー!ププゥプゥ――――っっっ!!!!(やめろ!!っと、耳をピコピコ逆立てながら、鳴き声を上げ)」
ダリル「ン’’!?ガアアアア!!!!(突如現地人の暴挙に抵抗する様に大声を上げて泣き喚く、この身体では抵抗すらままならずせめて睨みつけるように相手の瞳をはっきり覗き込めば)………ッッッ。」
倉谷秋葉「だうあー(色々考えていたが、とりあえずどうしようもない。言葉も通じないのだ。ボクもこのままポキリと第二の人生を終えるのだろう。もし次に上位存在に会えるならビンタの一発でもしてやりたい気分だ。結局、学友に自分の裸を見られて挙句に次の人生も苦痛を伴っただけじゃないか、と)」
トトポヤ「――っ……(そうして身を乗り出そうとした寸前、弾けるように指先を放していた、どっと額から脂汗が滲むのがわかる。自身でも余りにも常軌を逸した行動――弁解の余地もない鬼畜の所業に森のさざめきと共に喘鳴と嗚咽が綯い交ぜになっていた)……わ、わた……、なんてこと……」
タニヤマン「(どうやら俺渾身の命乞いが効いたようだな。わかったら助けろ。全員養っていいぞ。最悪俺だけでもいい)かむかむ…」
クロ「(少女が我に返った様に、赤子の首から手を離せば、胸を撫で下ろした様に息を吐き)ぷぅ――……(っと、安心した様に、長耳は垂れ下がり)」
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ダリル「ングッッゥ!!!(突如突き飛ばされるようにして解放されれば、生を実感する様に息を吸い込む)アアゥ~………。」
トトポヤ「(鼻をすすり、乱れた呼吸を整える――わなわなと未だ震える指先を抑え込み、覆いかぶさるようにして4人を抱え込む。罪悪感でどうにかなってしまいそうな精神を落ち着けるよう、深く、深く息を吐いては吸い込んでは。)……どうして産まれてきたんだ、お前たち。……なんの為に、誰の為に産まれてきたんだ……」
倉谷秋葉「あうー、あーっ!(ボクはボクの為に産まれてきたのさ。それ以上でもそれ以外でもないよ、と、女性の問いかけにどことなくドヤ顔で答えたつもりになる赤子)」
タニヤマン「ぱんま(そんな幼児向けアニメのOPみたいなことを新生児に言われても困る。むしろこっちが知りたい。あのポンコツのせいだ…いつか泣かす)」
クロ「(先ほどの行動を反省する様に、自分を含めた四人を抱きかかえ、疑問を投げかける)ぷぅ・・・(その返答に、そんなの分からないと言う様に、獣の尖った鼻をピスピスさせながら、つーか人間でもない俺はこれからどうなるんだ?ペット?鍋の具材?っと、両長耳を落ち込んだ様に、垂れ下げ)」
ダリル「ア~………。(疲労感でいっぱいと言わんばかりに視線を上に向ければ)ア”?(そう女性の問いかけにそれはこれから見つけるんだと言わんばかりに怒るような瞳で答える)」
トトポヤ「……わかった……私が、なんとかしてやる。ほら……お前が獣頭種でも誰にもいじめさせないからな(獣頭の長耳を撫ぜては、4人へと弁解するようにワントーン明るい声音で紡ぎ遂せる。それは――自身を奮い立たせるものであったが)」
倉谷秋葉「だうあー(女性から自分達を助けてくれるという言葉に小さなため息が漏れた。どうにかこうにかスタートラインに立てたらしい)」
トトポヤ「ごめんごめん……さっきのは謝るから、ほら怒らない。(赤子ながらに目に見えて怒りを露わにするダリルの背中を軽く叩きながら宥め)」
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【祝星歴709年――オーランド領グノーラントオーランド邸】
【トトポヤが夜明けを待たずに領主宅へと火急の用として押し掛けたのは夜遅く――3月に一度の小祝祭日であるが為、縁故と親しい間柄の領主や商家、騎士身分の連中を招いた宴会直後であった。来客は帰路につき、身内のみの席で突如として4人の赤子が列席すれば、流石に領主オーランド家の面々とあっても揃って面食らったという状況である。】
【木造りの格子付きのケージに入れられた4人を傍らに、トトポヤの経緯の説明が終わると、皆一種一様にしばらくの間、言葉を失っていた。無理もない出自不明、合一種族でもない子が一度に4人も見つかったというのは前代未聞の事態であり、誰もが目を疑っていた】
【ロールスタート】
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「それで――……考えもなしにわざわざこんな夜半に押し掛けてきたのか、貴様は。今宵が小祝祭日でなければ、俺の領地から追い出す口実が出来たというのに……」
トトポヤ「申し訳ございません、領主様……(小柄な体躯がもっと縮こまったようにしょげたように返答しては、オーランド家が介する場で萎縮しきってしまい)」
カタネイ=ヌラ=オーランド「ヒューリン、ネヴァーフに……エルダナーン、ヴァーナか、それも獣頭種(リカント)とはね。見た限り生後1ヶ月は経過しているが、外傷や衰弱の様子はない――障害の類もな。……間引かれる理由がないよ、貧窮者であればもっと栄養状態が悪い筈だろう。」
ノワキ「あー、可愛いわねぇ。イスルギが赤ちゃんだった頃もこんな感じだったわよ。(ケージ内の4人を俯瞰しながらも、緊迫さとは無縁の様子で)赤ちゃんの時代はどの種族も天使だわぁ」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「獣頭種、ね。こいつらは人族よりも獣に近い連中なんだろ?ハハハッ――富商の妾どもか、それとも娼館の女連中か、何れにせよ望まれた子ではないってことだ。ええ?どこの腹から生まれたんだ(くつくつと愉快げに口許を歪めては、上等な煙草を燻らせながら親指の腹でぐりぐりとクロの額を撫ぜ)」
タニヤマン「ぶいー(なんだ貴様。偉そうに。もっと謙虚さを持て。俺のように)」
タニヤマン「(しかし見れば見るほど本当に異世界なんだな…まぁガキになった時点で是非もないが…)はっきゅー(しかし気に食わんやつだ…いくら黒斗がバケモンになったとは言え…)」
倉谷秋葉「(草原から屋敷へと連れていかれる途中、周囲の景色を眺めていた。どこまでも続く農作、稲作の穂が小麦色の海原のようになびいていた。どうみても自分たちのしる日本とは違う。かといって北欧とはまた違った雰囲気。これはそう、チープな表現になるだろうが、やはり文明的には日本ほど発展していないらしいのは見てとれた)」
倉谷秋葉「(上位存在が言うからには別世界に生まれ変わったと認識してはいたが、この様子だと間違いなさそうだ。ここは現代ではない。)だうー、あーっ!(正直に言えばちょっとワクワクしてきた自分がいる)」
倉谷秋葉「(ただ、懸念点はある。それはやはり親代わりになるだろう人間の存在だ。この世界は何といえばいいだろうか、正直に言えば権力的なものが強い印象がある。特にこの領主と呼ばれる人の存在だ。完全に封建制度のそれじゃないか。時代錯誤も程がある。そんな中でボクの立場は完全に下の下だろう。まともな教育さえ施されずに洗脳紛いの生活を強いられる可能性もある。そういう意味では、最低限の学力を保持し、ある程度の知性と理性をもって第二の生をうけたことは本当に九死に一生を得たかもしれない)」
ダリル「―――………。(目を瞑ったまま状況を把握する様に耳を傾けるようにして会話を聞けば)」
カタネイ=ヌラ=オーランド「兄上、獣頭は祝福の証、ドラシール教では吉兆の星とも謳われております。邸宅外の者が居る場で低俗な物言いは控えて頂きたい。(度の過ぎた物言いの長男へと譴責すれば、改めてどうしたものかと)」
タニヤマン「(こっちのおっさんはまだ話が分かりそうだ…。いかにも兄の威光に逆らえなさそうな顔をしているが…)」
クロ「(少女に抱きかかえられながら、しばらく移動し、明らかに一般の家庭ではないであろう、金がかかっている豪邸らしき屋敷へと連れられれば、明らかに金持ちの貴族らしき男性と少女が会話し、これからの行く末を話していれば、貴族の男が自分を馬鹿にするような態度で接し、グリグリと痛いくらい撫でられれば)プゥ・・・プゥ――ッッッ!!!!(っと、ブチ殺すぞッ!!!っと、キッと獣ならではの殺気が篭った瞳で、赤子の獣ながらも、成長が早い獣族ならではの少し生えた前歯で噛み付き)」
ダリル「オオゥ!!!(偉そうな男の指を嚙みちぎらんと言わんばかりの兎になった男の行動にやったれと言わんばかりに声を荒げれば)」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「チッ……からかっただけだ、そう本気に取るなよ……っ!ぐっ、ぉっ、こいつ、噛みつきやがった…!この糞餓鬼ッ……!(前歯で指先を噛まれれば反射的に指を引っ込めて、大人の拳で殴りかかろうとする寸前で制止が入り)離せ!!こんな面倒を持ち込みやがって……!!それで……領民の子ではないんだろう?確かなんだろうな?」
トトポヤ「お、おやっ、おやめくださいっ…!領主様ッ……!(寸前のところで腕に飛びついて制止させながらも、振り払われた瞬間に床に突き飛ばされ)っくっ……」
グランパ=ヌラ=オーランド「ああ、ここいら一帯の子供じゃないことは確かだぜ。過去数ヶ月の摘出子はすべて把握してるからな。……街道の宿場町に逗留している冒険者連中のなかに懐胎者がいるって話も最近では聞かんな。(どっしりとソファに腰掛け、ゴブレットになみなみと注がれたエールを一息に飲み干しては問いかけに対して大仰に答え)」
ダリル「アッ!ア”-ッ!!!!(自分たちを拾ってくれた女性が突き飛ばされれば非難する様に声を上げて叫べば)」
タニヤマン「ぐげ(どいつもこいつも俺を見下ろしよって…貴様ら覚えておけよ…いつかこの家乗っ取ってやる)」
ノワキ「それに黒髪は極東で良く見受けられる髪色、グノーラントでは希少よね(タニヤマンのさらさらとした前髪を梳きつつ)ほら、泣かないの、おっぱいかなー?(大声をあげるダリルを抱えてはあやすように揺らし)」
タニヤマン「(もっと優しく撫でろ…)」
クロ「(領主を制止しようと、少女が止めに入ったが、その勢いで突き飛ばされ)ぷぅっ!?(しまった、つい馬鹿にされた勢いで噛み付いちまったと、我に返り、反省する様に長耳を垂れ下げ)プゥ―ッ……」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「はぁ~~っ……果実酒、フランベリー多めにな、早くしろ(くしゃりと糸髪を搔けば、かたわらの使用人へと顎先をかしげ酒の催促を飛ばす。忌々しげに目を細めてはケージの4人をしばらくの間、眺め)……」
トトポヤ「あの……、お許しをいただければ私が4人とも…お引き受け、致しますが…。(緩慢な所作で立ち上がり、4人の前に立つようなかたちで紡ぎ)」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「黙れ、貴様自身ではどうにもならんから我々に泣きついてきたのだろう、そもそもの話、シリウスの庇護下にあるお前のどこに4人のガキを養える資力があるというのだ。(グラスを手に取りながらも、トトポヤの言葉に対して睨みつけるようにしては)――……それにリカントだぞ……」
トトポヤ「あぃ……」
タニヤマン「(そうは言うが実際問題四人も養えるのか?このおっさんを放り出してここに住まんか母上(仮))ぬふぅ(やっぱりダメじゃないか)」
ダリル「ア!!!アウアウ!!!!(偉そうに語る領主という男性にお前よりましだと言わんばかりに声を上げれば)」
倉谷秋葉「あうあー……(どうやらボクらを拾ってくれた女性は立場的に弱い人間のようだ。酒をあおり傲慢な態度をとる領主らに軽く嫌悪感を抱く。どうしてこう、学力しかり権力しかり、現代日本も異世界も地位が高い人間はこうも傲慢になれるのだろうか)」
カタネイ=ヌラ=オーランド「……トトポヤ、兄上の語り口は褒められたものではないが、最低限の衣食住に教育の一切を施さないことを前提にしても、子供一人を成人まで育てるのに公用金貨800枚から1000枚が必要とされている。それなりの学術施設に入れようと思えば3000枚はくだらない、それで……日当公用銀貨3枚の君がはたして飢えさせずに4人を育むことは可能かね?第一、君自身がまだ一人前ではないだろう」
タニヤマン「まにー…(どこの世界でもやはり金の問題は付きまとうのだな…)」
タニヤマン「(少なくとも私が不幸になりかねない選択はすべきではないぞ母上(仮))」
トトポヤ「貯蓄は少しならあります。……技師の仕事も増やして、…農耕労働に出れば……(まごまごと言葉を吃らせながらも直面する悲壮な現実に語気は矢張り弱くなる一方であった。)」
クロ「(少女が引き取ると言ったが、先ほどを拾うときに言っていたが、彼女に養う生活力はないらしい、だから貴族に相談している現状、そしてリカント(獣頭種)、先ほどから使われているその言葉は多分自分のことだろうと、迷惑がかかっているであろう自分の存在に落ち込み)プぷぅっ――………」
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カタネイ=ヌラ=オーランド「ふむ……身分的拘束を伴わない君がそこまでこだわる理由が分からんが……。……しかし、赤子にしてはよくよく表情が豊かなものだ。(緩く立ち上がり、ケージ内の4人を見遣っては率直な感想を告げ――クラスタの双眸を覗きつつも)それでいて嫌に冷静だ――聡明な子だよ、彼らは。」
タニヤマン「(ほう目敏いな太いの。こいつの両親は博士号持ちと医者だからな。結構小賢しいぞ)」
倉谷秋葉「まかーせぅー(まあ、折角ある程度の知識をもって生れ落ちることが叶ったのだ。この世界がどの程度から食い扶持を稼げるのかは定かではないが、育てて貰えるのならある程度の年齢でさっさと自立して独り立ちするのがよさそうではありそうだ)」
トトポヤ「はい、幼い頃の自身を見ているようで……これからのこの子達の人生を憐れむと思わず絞め殺してしまいそうになりました。……ですので、憐憫ではなく罪滅ぼしとしてこの子達をせめて成人になるまでは養ってあげたいのです」
シャレゼナ=ヌラ=オーランド「貴方、彼女がここまで仰ってるのです。――なにも見返りもなく援助しろというわけではないのですから、ゆくゆくは農奴や使用人として組入れるようはからえば宜しいでは(これまで静かに座していた、第一夫人が開口しては)」
カタネイ=ヌラ=オーランド「そうだな……養子として建付け上、オーランド姓を名乗らせれば、兄上やグランパが第二子、第三子ともうけた際に軍役代納金の肩代わりをしてもらうことも可能だろう。この子達にとっては酷な話だがね、損益を符号させるならばここらが落とし所だ。……どうだい、兄上」
ダリル「ンンン………。(拾ってくれた女性は経済力が乏しいことを理解して迷惑はかけたくないという思いからか口を紡ぐが、それでも養おうとする彼女の思いに答えるように)アーア!!!(っと声を上げると)」
倉谷秋葉「……ぷい(まじまじと視線を覗かれると、首を横に向けて逸らす。しかし、女性の凛とした表情で紡がれる『成人になるまで養う』という言葉には不思議な気持ちになった。正直に言えば、親という存在に敬意や畏怖はあれど、温かいという感情を抱いたことはなかった。しかし、母親代わりになろうという彼女からは真剣で必死な感じが見てとれる)」
クロ「(少女の生活は困窮するであろう、しかし、自分達四人の赤子を育てるという覚悟に対し)ぷぅ!ぷぷうっ―!!(ありがとう、彼女!俺が大きくなったら結婚してあげるからね!っと、片目でウィンクしたが、あっ、自分人間じゃなかったわ、っと、我に返り)」
タニヤマン「(このデブ結構狡猾だな…話が合いそうだ…)」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「ふむ――……(思索を巡らせようと顎先に手をあてがって眼差しを伏せる。その場の面々へと一瞥を放りながらも、高々と紫煙を燻らせた。幾ばくかの間隙を挟めば、釈然としない表情を滲ませながらも小さく呟いて)……グランパも嫁を取って子をもうける事があるならば、都合がいいか……。よし、良いだろう――こいつらをオーランド領の領民として迎え入れる。それと……最低限の支援もしてやろう、その代わり責任をもって育てることだ。」
トトポヤ「あ、有難うございます…!このご恩は必ず、オーランド領にご奉公することでお返しします…!良かったな、お前たち(淡紫色の髪を揺らし深々と頭を下げる――結局、彼らの人生をこのオーランド家に縛ることになってしまったが……世を知らず野晒しに亡くなるよりはずっと良いはずだと、4人を覗き込んでは綻ぶように笑んで)」
ノワキ「良かったわ、イスルギやシビラちゃんに同じ年齢くらいの遊び相手ができるじゃない。」
グランパ=ヌラ=オーランド「なにはともあれ、働き手が増えるのは歓迎だ。――耕作はとにかく、伐採には男手が必要だからな。縁者がいないってことは……(ぐび、と咽音を鳴らして酒を嚥下しては、大して問題はないだろうと大らかに告げ)こちらの都合で如何ようにも出来るってことだ、気兼ねなく適所に送れる。――これは賜りものだ、なぁ?」
カタネイ=ヌラ=オーランド「私に賛同を求めるなよ。――何れにせよ誰の腹の子か分からん以上、慎重策を取らざるを得ないってだけだ。……やれやれ……、トトポヤ、君から事情を伝えるだろうが、後日私の方からもシリウスには言い伝えておこう。――……それと、暫く生活が安定するまではノワキをはじめ使用人らを送らせるから、面倒をみて貰いなさい。」
クロ「(どうやら話はついたらしい、とりあえずは自分の身が安全になった事に安堵した溜息らしき鳴き声を漏らし)プゥ~っ……」
タニヤマン「(フン…アホみたいにはしゃぎおって。ま、飛び切りスマイルでもかましといてやるか…ありがたくおもえよ)キャッキャッ」
ダリル「オオゥ!!!!(嬉しそうに語る拾ってくれた女性に答えるようにそう言葉を発すれば)」
倉谷秋葉「(正直な話、捨て子が領主の名前を貰うなど大した境遇になることはなさそうだとは思がね。しかし、一先ず生き残ったことを素直に喜ぶとしようじゃないか)だあー」
ガンディア=ヌラ=オーランド「……話はついたようじゃな。……老体に夜更かしは辛いわい、儂はそろそろ寝るとしようかの。(これまで植物のように静かに佇んでいた現領主が一応の落着を迎えたことで、ゆるりと立ち上がる。使用人を伴っては一同を振り返り)……チェルザ、弟たちの意見もよく聞いて……それと子供の前で煙草は控えることじゃな(穏やかな声音で紡ぎ遂せるとのそのそとその場を後にして)」
タニヤマン「(いたのかジジィ…)」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「解ってるよ、父上……!(指摘されて苛立ったように火を消しては、グラスに残った果実酒を煽る。実父の後ろ姿を見送り、唾棄するようにため息を零し)さあ、もう良いだろう――こいつらを連れてとっとと帰るんだ。グランパ、馬車を出して送ってやれ」
トトポヤ「(4人を交互に抱きかかえながらも緩々と頭を撫ぜて)――これから宜しくな、お前たち。私がきっと立派に育ててやる」
【こうして、オーランド領に迎え入れられた4人とトトポヤの奇妙な生活が始まった】
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【4人の赤子の名前は、いずれもオーランド家の合意のもとにトトポヤによって名付けられた。身分としては形式的にはオーランド家の養子というものであったが、オーランド姓を名乗ることまでは許されていない。加えて実態としては、農奴やそれに類する領民であり――幼少期の頃から、農産、畜産、林木の伐採等の知識と技術を習熟する必要があるため、生活水準としては転生前よりもずっと過酷であった。】
【7歳の頃には、果樹の収穫をはじめとして軽易な労働でこそあったが、朝早くから勤労に精を出さねばならなかった。仕事は夕暮れの前に終わり、それからはトトポヤの教育方針もあって語学等の勉学を教えた。4人の棄児という話題性から領民らが興味本位でなにかを施すことが多く――】
【剣の才を見出されたダリルに対しては、東方式の剣術をシリウスが、正王流の一般的な剣術をカダッツが師事した。】
【同族のヴァーナとして、クロに対しては、ノワキが狩猟技術をはじめ冒険者としての技術を教え込んだ】
【魔法言語に長けていたクラスタとタニヤマンに対しては、基礎的な骨子をトトポヤが築いたが、後に両名は異なる道を辿った】
【そうして、喧騒に満ちた月日を積み重ね――転生後の4人は10年の時が経とうとしていた。】
祝星歴719年――オーランド領グノーラント九ノ月/
【麗らかな早朝、チチチ…と鳥の囀りが彼方に聞こえ、鼻孔を微かに擽る香ばしいスープの匂い。トトポヤと共にパトロック宅に住まう4人には無論のこと贅沢に一人部屋が与えられているわけではない。物置として使われていた一室をシリウス自らが改装を加えて、子供部屋として作り変えた空間が唯一のプライベートなエリアであった。お世辞にも広々としている訳では無い二段ベッド、所狭しと家財や蔵書類がひしめき合うなか、無遠慮に扉を開け放った人物によって、金属を叩く音によって強制的に叩き起こされ】
トトポヤ「休耕日だからといっていつまで寝てるつもりだ、お前たちは。――起きろ起きろ。」
トトポヤ「(問答無用でカーテンを開け放てば、燦々とした陽の光が差し込み、4人へと容赦なく降り注ぎ)見ろ、こんなに澄み切った朝はないぞ、世界樹の塔がここからでも一望出来るなんて珍しいんだからな。」
【ロールスタート】
ダリル「―――ンッッッ。(まどろみの中聞きなれた声が耳に入れば、ゆっくりと上半身を起こすようにして体を上げると)母さん、おはよう。(そう陽気な光を感じるように目を細めれば)」
タニヤマン(幼少期)「おはようございます母上!!(朝っぱらからカンカンと喧しいぞ母上。俺は昨夜から法力の研究で5時間しか寝とらんのだ)ん~!今日も爽やかな朝ですね!!!(ま、愛嬌は振りまいておくか)」
トトポヤ「……ターニャ、あまり夜遅くまで勉強するのは程々にな。子供は寝ないと育たないぞ(タニヤマンの頭をわしゃわしゃと搔いて、微笑ましげに口許を緩めては)また買いたい本があるんじゃないか?母さん、まだ余裕があるから二人共遠慮せずに言っていいんだぞ」
クラスタ「うあー、ねむい……(ある誕生日に買ってくれた調合用の植物辞典を両手に抱えながらのそのそとクラスタは子供部屋から顔を出した。ネヴァーフの特性か、他の子よりも一回り以上小柄だ。)ママ、腹へった」
トトポヤ「ん、おはよう、今日も元気でよろしい。(2人の頭をぽんぽんと叩きながらも、もうそろそろ自身の身長を抜くだろうなと眼差しを細め)……そうだな、クラスタ、もう朝ご飯用意できてるから、一緒に食べようね。後で頭を梳いてあげよう(寝癖の付いたクラスタの糸髪を撫ぜ)」
クラスタ「やった。髪梳いてもらうの好き(トトポヤの言葉にニヘラと笑みを浮かべながら、パタパタと駆けよる)やる気が出て来たからお手伝いする。ママなにか手伝うことはあるかね。たまにはやる気を出そうではないか」
ダリル「昨日は剣の素振りしすぎて寝坊したよ………朝食の準備手伝うよ。(そう目付きが悪く不愛想に見える見た目だが気を利かすようにそう言葉を告げると)」
クロ「(トトポヤに拾われてから10年経った、最初はヴァーナ(兎族アウリラ)に転生したことで人間ではない習性に戸惑ったが、10年も経てば、慣れた物であり、長い耳を口でハミハミと毛づくろいしながら、寝ぼけ眼差しで)ぷあ~・・・、かあちゃん、オハヨ~(っと、親の存在であるトトポヤに挨拶し)」
トトポヤ「ん、おはよ~……クロは寝坊助だねぇ?ほら、起きた起きた。(未だ寝ぼけている様子のクロの顔を抱くようにして撫ぜてあげては、一同を見遣って)ほら、食卓に行くぞ、みんな」
タニヤマン(幼少期)「本当ですか母上!それならぼく経済学の本が欲しいです!(こいつは渡りに船だ。買ってやるというのだから飛び切りの愛嬌を振りまいてきゃわいくおねだりしてやろう)」
クラスタ「(この世界は本当に面白い。特に錬金術は非常に興味深いものだ。現代日本にはない特性、俗に言うとこの世界の先端技術と呼べるものなのだが、魔術による奇跡と科学の融合というものだろう。)ママ、ご飯食べたら、またれんきんじゅつやりたい」
トトポヤ「それじゃぁ、後でまたクラスタに手伝ってもらおうかな。――じゃあ、ダリルには先に配膳だけお願いしよう。…あー、本当に子供って成長が早いもんだ。(錬金術をしたいというクラスタの言葉に頭に手をやりながらも)いいよ、けどもうクラスタはママより錬金術の腕は上だからな、もう私が手ほどきされる番だ」
クロ「(トトポヤがクラスタの髪を梳いてあげるといえば)あー、ずっりーぞ、クラスタ!!かあちゃん!俺もブラッシングしてくれよー!(っと、母親的存在であるトトポヤに長耳を巻きつけながら、縋り)」
トトポヤ「……経済学かぁ、今度町に出ることがあったら一緒にみにいこっか。――あはは、解ったよ、母ちゃんがまたブラッシングしてやる。(2人の子供を抱えながらも余裕ありげに頷いてみせる、無論のことパトロック家は経済的に余裕がある方ではないが――そのような素振りは生活で出すことはなかった)」
クラスタ「むふーっ、クロはボクがブラッシングしてあげようじゃないか。ついでに今度はその耳で三つ編みが出来るか試してみたくないかね。なに、世の中すべては実験から始まる。出来ないじゃなくて出来るかどうか試すことに価値があるのさ」
クロ「(クラスタがブラッシングして、長耳を三つ編みにしてあげようと言われれば)ちょ!?やめろよ~、この前俺の長耳を蝶々結びにしようとして、めっちゃ痛かったんだぞ!?(っと、長耳を抱える様に、丸くなり)」
ダリル「母さんも甘やかすようなことはダメですよ。お前らも朝から母さんを困らせるようなこと言うな。(そう節約を促すような口調で釘を差せば)配膳了解。(そう軽快な足取りで食卓へ向かえば)」
クラスタ「やった褒められた。むふーっ、最近は治療薬の作り方覚えたの。えとね、えとね、この葉っぱとこの葉っぱを混ぜて(目を輝かせて学術書を開き、自慢げに薬草を説明していく。しかし、途中で言葉はとまり)ねえママ、火薬を使った調合ってまだやっちゃダメ?」
【皆で食卓へと向かえば、ダリルによって並べられているのはポレンタ(トウモロコシの粥)に野菜のスープ、黒パン(雑穀多めのため凄い硬目)に山羊のミルクとむしろ平時の朝よりもそれなりに豪勢といっても過言ではない。早朝は過ぎているためシリウスの姿はなく、既に木工場へと向かっている様子であった】
トトポヤ「ダメ!クラスタになにかあったらママはすごく悲しい、だからもう少し大人になってからだな。(と、食卓に向かう過程でどんどん才能を芽吹かせつつある子どもに対して釘を差して)」
タニヤマン(幼少期)「ええ!その時は是非お手伝いしますとも!(漆黒の瞳をキラキラと輝かせれば)黙れダリル。いつも生傷を作ってくる貴様を治すのは誰だ?この僕だ。努々忘れるなよ(すぐさま義兄弟に澱んだ瞳を向け)」
クラスタ「ふむ、ママがそう言うなら致し方ない。ボクもここは素直に従うとしよう(本を閉じ、椅子の脇に置いてからスライスされた黒パンを手に取り、慣れた手つきでスープに浸していく(この世界にきて早10年。しかしされど10年だ。この世界に順応しきったこの身体は不便ながらも非常に満足していた。トトポヤには親身になって色々なことを助けて貰っている。昔は学友だったみんなも、今では心から兄妹だと思えている)」
トトポヤ「どうしてもやりたいって言うなら……安全性が担保できるくらいの知識を身に着けてから、ママが立ち会ってるときにしてもいい。危険だからと経験させないと、いつまでも0が1にならないからな。(自身の言うことに素直に従うクラスタへと一息おいて、諭すように紡ぎ)」
クロ「(皆がそれぞれの得意な分野の仕事の話をすれば)へへーん、俺はノワキさんから弓を教わって、この前小鹿をしとめたんだぜ!次は大人の鹿か、猪を仕留めてやるぜ!!(っと、自慢気に長耳ピコピコさせながら、鼻を鳴らし)」
トトポヤ「よし、皆朝ご飯にしよう。クロ――ノワキから話は聞いてるぞ、赫灼たる腕みたいじゃないか。母ちゃんも鼻が高いよ、領主様たちも認める狩猟技術っていうんだからね。」
ダリル「ほら、とっとと皆食卓に着くぞ。(そう配膳を終えて席に着いていた男が促すように言葉を述べると)タニヤはそうぶつくさいいながら最後は治してくれるから感謝してるよ。(そうひねくれた言い方は【昔】から慣れていると言わんばかりにそう答えれば)」
タニヤマン「フン・・・わかればいんだ(そうつぶやくと自らも食卓に着き)」
トトポヤ「(食卓の上座に腰をおろしながらも配膳を手伝ってくれたダリルへと視線を向けて)ダリル、いつも率先して手伝ってくれてありがとう。目つきの悪さだけ治ったら良い子がすぐにでも寄ってきそうなんだけどねぇ(としみじみ呟きながら硬い黒パンを噛み締め)」
クロ「いただきまーす!(っと、皆が食卓につき、行儀よくするのを無視して、目の前の固い黒パンを、兎特有のおちょぼ口で、高速にカリカリと頬張っていけば)おい、ダリル、今度お前の剣と俺の弓、どっちが最強か勝負しようぜ!(っと、長耳の片方をビッと指を刺すように、ピンッと向け)」
ダリル「いただきます。(そう丁寧に手を合わせて食材に手を伸ばす、自分で作成した箸もどきを手に器用な手つきで洋食を食べる)ん、弓と剣か………楽しみだ。(そう抑えきれぬ闘争本能に眼がランランと輝けば)」
トトポヤ「……二人共、喧嘩ごっこはターニャか私が居る時にするんだ、いいね」
【不意に和やかなパトロック家の朝の一幕を突如として馬のいななきと蹄鉄の音が引き裂く。馬上の金糸髪をたなびかせる男は他でもないグノーラント領主の長男、チェルザーレ=ヌラ=オーランドである。こうした突然の来訪は珍しいものではなく、4人にとっても口煩い長男の駆る馬の歩調であることは経験則で知り得ていた。折角の休耕日が初っ端から招かねざる来客であったが、とはいえ4人の生殺を握っていり相手には違いないため無碍には出来ないだろう。】
【程なくして馬を繋ぎ止め終えただろう領主ともう1人の足音が近づいてくる。矢張り、というべきか平時通り、大仰に扉を開け放った男はどこか冷笑的な眼差しを一同に向けて】
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「お早う、諸君。例によって今日も娘と遊んでやってくれ。ほら、行ってきなさい。(娘であるシビラの背中を軽く押すようにして一歩進ませては、休耕日だから暇だろうと無論のこと此方の都合は考えてはいない。これもいつもの男の振る舞いの一つであった。そうして、視線をその場の最年長であるトトポヤへと向ければ)シリウスはもう木工場か……仕事の虫だな、アイツは。トトポヤ、くれぐれも娘のことは頼んだぞ。周辺は整備されてるとはいえ、遠出はするなよ。」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「(ふん、相変わらず薄気味の悪いガキどもだな――……と見下ろす眼差しはそういった物言いを暗に4人へと告げており)」
シビラ=ヌラ=オーランド「皆さま、おはようございます。本日は休耕日ということで私もご一緒させていただきますね。(癖っ毛気味の髪に瀟洒な衣服。振る舞いから口調と未熟でこそあったが、王国の一部を預かる領主の娘として粗相のない所作で軽く頭を垂れて見せる。とは言え、父親を除くその場の全員がその態度は見せかけの虚像であることは解っていただろう。一同の思いも露知らず自身の父へと振り返れば快活に笑んで)ありがとっ、お父様!シビラは皆と仲良くできるから大丈夫よ。」
トトポヤ「おはようございます、領主様、シビラ様。今日は魔法言語の座学と、午後からは久しぶりに自由な時間をあげたいなと……。(さすがに突然の領主の来訪には汗を滲ませては一同の代表をするように男の目の前へと立って)」
クロ「(楽しい団欒に突如来訪した嫌な奴、赤子の頃に指を噛んでやったアイツだと、長耳をピンッと警戒する様に伸ばし、一瞬嫌な表情を作ったが、相手はお偉いさんだと、お世辞の表情で笑顔を作り)おはようございまーす、領主様(っと、ペコッと、長耳を垂れ下げ)おはようございまーす、シビラ様(っと、続いて挨拶し)」
クラスタ「ふも、ほほろえた『ふむ、心得た』(危険物については作れるという事実だけで武力を製造できる存在と危険視されるのは重々承知だ。錬金術は出来過ぎてもダメなのだ。早熟することが良い訳ではない、ということだろう。)んっ、ボクの嫌いな音だ(馬の嘶きに眉をひそめ、扉を凝視する。正直なところ権力者という存在には前世のことも未だ引きずっておりいい印象を抱いていない。扉が開かれ、予想通り領主が顔をのぞかせれば)りょうしゅさま、ごきげんうるわしゅう(席を立ちトトポヤに習って頭をさげる)」
タニヤマン「とりあえず僕もいただきまーす!!(またしてもきゃわいい笑顔で両手を合わせられるが食事を口に運ぶ前に扉が開く。現れた人物に内心舌打ちをかまして席を立ち)これはこれは領主様!おはようございます!!」
ダリル「領主様おはようございます。(そういきなり現れた胎児の頃から気に食わない男性に目を瞑って冷静に挨拶をする)母さん、僕らは自由時間なくても大丈夫だよ。(そう自由時間を確保しようとする自身の母親をフォロするようにそう告げれば)」
シビラ=ヌラ=オーランド「うぇへへ!クロちゃん、今日もいっぱい遊ぼうね?(ぐしゃぐしゃとクロの長耳を枕のように抱きしめては愛玩動物にするように撫ぜ回し)」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「ほう、結構。……精々、消耗しないことだぞ。お前たちはオーランド家の労働力なんだからな。――ガキ、俺の娘を噛んだら殺すからな(顎先に指の腹をあてがい緩々と頷いてみせる。次いでクロの元へと近寄れば耳元で小さく囁き)」
タニヤマン「(おっとガキもいたか)おはようございますシビラ様。クロも寂しがってましたよ~?いっぱい遊んであげてくださいね(そう目線を合わせてほほ笑みかけ)」
トトポヤ「大丈夫だよ、ダリル。いっつもお仕事だと疲れちゃうもんな、たまには羽を伸ばさないと――……(ダリルへと一瞥を向けては、あまりにもぐいぐいっと引っ張りすぎるシビラへと))あのシビラ様、あまりクロの耳を引っ張りすぎないようにお願いしますね…。」
クロ「(自分は子供ではあるが、心は前世で青年、幼女に抱きしめられれば、高校生の余裕を見せなければと思うが、そういえば女子耐性が人生の中で、倉谷とクラスタしかまともになかったわ、っと、幼女でも嬉しい!俺はロリコンじゃない!!っと、心で叫びながら)うんうん!シビラちゃーん、今日も一杯モフモフしようね~♪(っと、デレデレの表情で答え、両長耳で抱きしめ)」
クラスタ「おはようございます、シビラお嬢さま。本日はよろしくお願いします(しかし、領主様は何だかんだいってお嬢様を預ける所を見るに、ボク等に対して信頼しているという事だろう。正直なところ、シビラお嬢様はボクが苦手とする陽キャだ)それじゃクロ。ボクは研究が忙しいから後は頼んだよ。んっ!(シビラお嬢様に絡まれているクロに親指を立てていそいそとその場を離れようとする)」
シビラ=ヌラ=オーランド「やだやだ!クラスタちゃんもいないとシビラ寂しいから一緒にいよ!ねぇ、お父様、私4人と一緒に遊びたいの!(その場から目ざとく立ち去ろうとする少女を引き止めては、タニヤマンへと視線を向けて)ターニャもそう思うよねぇ?」
ダリル「―――よろしくお願いします、お嬢様。(そう圧を掛けるような目で兎の男性の隣に騎士の佇まいの様に立つように目付きの悪い眼光を光らせれば)」
クロ「(幼女の我儘に乗っかる様に)そうだー!クラスタも遊ぶぞー!おーっ!(っと、長耳を拳を掲げる様に講義し)」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「クラスタ、聞こえたな、そういうことだ。――おい、トトポヤ、子女の教育くらいまともにしておけ(ネヴァーフ程度の身長しかないトトポヤに対してからかうように頭部をぐりぐりと拳で押し付けて)」
タニヤマン「諦めろクラスタ。あれが来たら研究なんぞ出来んぞ。俺も何度もつかまっている(そうクラスタに耳打ちする。彼女との親交は深めておいて損は無いのだ)」
クラスタ「ふむ、残念だがシビラお嬢様。ぼかぁこれから深淵を覗く危険な研究をしなければならない。これはオーランド領の発展のためにどうしても避けられない壁でね。端的に言えば……(流石に領主様の前でシビラお嬢様に対して『面倒くさい』)とは口がさけても言えず)……領主様……わかりました(チェルザーレの言葉にしぶしぶ頷く)」
トトポヤ「く、クラスタは良い子ですよ、素直で……きょ、今日は領主様を前にして緊張しちゃったみたいですね……っ、あは、はっ(大人しくぐわんぐわんと頭を揺さぶられながらも弁解を紡ぎ)」
シビラ=ヌラ=オーランド「ダリルちゃんやターニャもお目々はきっついけど、すごく良い子なの解ってるからね?一緒にいっぱい遊ぼう?やったー!お父様大好き!」
クラスタ「タニヤマン、そうだね。今日は素直に遊ぶことにしよう。そうしないとママにも被害が出そうだ。それはボクも不本意だからね(チェルザーレに弄られるトトポヤを見ながらため息を吐きクロとシビラへ歩み寄り)しかたない、今日は一日お遊戯会としゃれこもうじゃないか。たまには前世の2chでスレ民からお前の幼児退行キモスギンゴと言われたボクの実力を見せてやろう」
ダリル「―――………。(自身の母親にされる態度に目を細めながら静かな殺気が漏れるが、耐える様に奥歯を噛みしめれば)領主様もご息女を預けるということは今日もご多忙なのでしょう?ご息女は私達が丁重にもてなしますのでどうぞいってらっしゃいませ。(そう静かに退出を促せば)」
クロ「(シビラの、ダリルやタニヤマンの擁護に対し)シビラちゃん分かってるな~、うんうん、ダリルは人を二・三人殺してそうな目をしてるけど良い奴なんっスよ~。タニヤマンは良い子じゃない!以上!(っと、ウンウンと頷きながら)」
タニヤマン「そうですよ領主様。こいつは少しのめり込みすぎるきらいがあるだけなのです。順調に能力も伸ばしていますしゆくゆくは領主様の助けとなりましょう。とにかく今日は皆で遊ぶよう努めますよぉ!僕たちにお任せください!(トトポヤとチェルザーレの間に割り込むように告げれば)」
チェルザーレ=ヌラ=オーランド「カタネイやグランパがお前らを気に入ってる意味がわからんな。(ぱっと手を放してはシビラへと再度向き直り)……俺はこれから治水域の検分に出なければならない。帰りは使用人の誰かが迎えに来るはずだ。――……ダリル、少々腕が立つからと言って天狗にはならんことだ――それではな(こちらへと静かに殺気を向ける少年へと忌々しげに唾棄して逃げるようにその場を去ってゆく)」
クラスタ「(チェルザーレが帰って行ったのを確認し、塩の代わりにそこらへんで拾ってきた砂を手に取り代わりに撒き始める)」
ダリル「べー。(領主が立ち去る背中を見ながら誰にも見られないようにあっかんべーをしながら見送れば)」
クロ「ぷぅー、ぷぃ~・・・!(領主が嫌味全快な態度で去っていけば、シビラに見えないように、威嚇する様に小声で鳴き、後姿に、ゴートゥーヘルと言わんばかりに、片長耳を親指を下に向けるように、上下に下げ)」
シビラ=ヌラ=オーランド「うぇっ……かったっ……!家畜でも食べないわよ、これ(軽く一口齧ってみれば予想以上の硬さに眉根をしかめて、床へと投棄て改めて全員を見回せば)そんなことより、あんた達さ、折角の休耕日で朝から暇なんだから、もうちょっと気の利いたこと出来ないワケ?」
クラスタ「ふむ、ここまで何気なく毒を吐けるお嬢様にボクは感動したよ。いったいどういう教育を施せばここまでナチュラルに人を見下せるのか。領主様の子女の教育は非常にすばらしいものだよまったく(先ほどチェルザーレがトトポヤに吐いた言葉を思い出しながらため息を吐く)」
シビラ=ヌラ=オーランド「座学に自由時間なんて普段余暇でしてることと大して変わんないじゃない!(どんっとシリウスが手掛けた木製テーブルにかかとを載せつつも、鷹揚に紡ぎ)ねぇ?クロちゃん、もっと楽しい遊びのほうがいいよねぇ~?♥」
クラスタ「さて、お嬢様が気の利いたことをご所望だ。男の子諸君、彼女を精いっぱいもてなしたまえ」
ダリル「気の利いたことか………ん~………。(そう無下にもできない領主の娘に毎回頭を悩ませるがこれも仕事と言わんばかりに思考を巡らせれば)」
タニヤマン「ガキ相手に怯えおって…腰抜けが(誰にも聞こえないようにそうつぶやけば)さぁて僕も食事を済ませますか(チェルザーレが出ていったのを見送れば今度こそ食卓に着く。ポレンタも野菜スープもまぁまぁ美味いがこのガキは何が気に入らないんだろうか。出された食事をもりもりと口に運びながら珍獣を見るような目でシビラを眺め)俺は知らんぞ。貴様ら2人で何とかしろ」
クロ「(幼女の我儘な暴言と態度に対し、いつもの事かと肩をすくめ)ん~、そうだね~、シビラちゃん、一緒に狩猟にでも行く?俺が守ってあげるよ――フフフ・・・(っと、ニヒルな笑顔で、長耳をポンっと幼女の肩に乗せ)」
トトポヤ「もったいないもったいない……(床に投棄てられた黒パンを手にとっては指先でホコリを払い、懐にしまい込んで)……じゃあ、パン作りでもしましょうか。それか、みんなと錬金術のお手本でも…。」
シビラ=ヌラ=オーランド「はぁ!?そんな砂混じりのパンしか作れない癖に何を言ってんの!?大体、アンタはどうでもいいっての!とっとと木工場か畑にでも消えてなさいよ!(軽く舌打ちすれば、傍らから口を挟んでくる女性へとスプーンを投げて)私はね、4人と話してんの!」
トトポヤ「っ、……ご、ごめんなさい。とはいえ、あまり危険な遊びは領主様にも止められていますので……(額にスプーンが直撃すれば、再び床に落ちた食器を回収し)」
タニヤマン「全く手に負えんな(爆速で食事を終えるとトトポヤとシビラの間に入り)母上、ここは僕たちにお任せください。ここにいても嫌な思いしかしないかもです(務めて優しく母にそう囁けば)」
クラスタ「ふむ、そうか。なら後は頼んだぞ恩師タニヤマンよ。ママ、女性は女性同士で仲良く日陰者として出かけるとしよう(タニヤマンの言葉を極度に歪曲しビシっと敬礼すれば)」
タニヤマン「逃がさんぞ貴様。あまり調子に乗るなよ?死ぬときは一緒だよ♡(そう言うとクラスタのちっこい頭をむんずと鷲掴み)」
クラスタ「ふおおおおおおおおお、タニヤマン、回復術先行のくせに何処にそんな握力隠してるんだね(頭をわしづかみにされずるずると引き戻されながら呻き声をあげる)」
トトポヤ「ターニャ……うん、シビラ様もみんなを希望してるみたいだし、私は少し控えておくな(立ちふさがるようにして割って入ったタニヤマンに対して小さく首肯してみせれば))クラスタもありがとね」
ダリル「―――お嬢様………では手品を見せてあげましょう?(そう青筋を立てる様にめったに笑わない男が微笑めば、部屋の端に置いた木刀を手に取れば)クロ、そこにあるリンゴを投げろ。(そう言葉を告げれば)」
クロ「(シビラが、母であるトトポヤの傍若無人な態度に)だめっしょー、人に物を投げちゃー(っと、諭す様に、幼女をあやすかの如く、モフモフ長耳で撫で)そんな事より、面白いのを俺とダリルが見せてあげるから(っと、長耳を器用に使い、林檎を掴めば、ダリルと目線を合わせ、頷きあい、林檎を円を描く様に投げれば)」
シビラ=ヌラ=オーランド「そう、今日こそクロの言う通りパーっと外に出ましょ!なんていったって面白そうな話があるの!……はぁ?なによ、私の話を遮っておいて面白いことって」
ダリル「―――ッッッ!!!!(兎の男児が投げたリンゴに反応するように目にも止まらぬ速さで木刀を居合抜きの原理で振りぬく、林檎が跳ねるようにして6回宙に浮く、風圧が全て偉そうに座ってる女児の首めがけて飛んでおり、最後は兎の男児が用意していた皿にコトンと落ちれば、綺麗に6に割れれば)―――どうぞ、お嬢様。(そうニコリとすれば)」
タニヤマン「まぁ凄い切れ味!!もちろん他の斬り方もできるのよねぇ!?(まるでテレビショッピングの盛り上げ役かの如き合の手を投げかければ)」
タニヤマン「さぁ母上二人がクソみたいな芸で気を引いてる間に…(トトポヤの言葉に笑顔で頷き撤退を促せば)」
ダリル「ああ、輪切り千切り化粧切りなんでもありだ。(そうテレビショッピングの言葉を投げかけられた言葉に片目を瞑ってそう答えれば)」
シビラ=ヌラ=オーランド「ひっ―――!?(瞬時の抜刀によって糸髪が軽く浮けば、精巧冥利な技術で切り分けられる林檎に眦を決しては、驚きと共に体勢を崩して椅子ごと後方へと倒れ込んでしまう。更にのった林檎を見送ることもできずに床へと伏せれば、よろよろと力なく立ち上がって)……」
クラスタ「おーっ(木刀で瞬時にリンゴを6等分すれば歓声を上げて拍手をおくる。流石、年少でありながら剣の才を認められているだけある。実剣でリンゴを6等分するのは並みの剣士なら可能であろうが、切れない木刀でそれを行うとなると出来る人間も限られてくるだろう)ふむ、ダリルよ。キミはまた腕を上げたみたいだな。もうすこしで免許皆伝だ。よろこびたまえ(何故かしたり顔でダリルが差し出したリンゴに手を伸ばし咀嚼し始める)」
シビラ=ヌラ=オーランド「(間髪入れずにずかずかとダリルの側へと足音を立てて近づけば、不意にぱぁんっ!と室内に肉を打つ音を響かせ――否応無しにビンタをかましては、席に戻って林檎を一切れ口にして、きっと眼差しを向け)オーランド領から出ていきたいわけ?アンタら。……まぁ、いいわ、それくらいの実力があるなら、今日の提案もすんなり受け入れてくれるでしょうしね」
クロ「(自分と連携した、ダリルの抜刀に対し、兎の鳴き声混じりの口笛を吹き)プヒュ~・・・、やるねぇ、ダリルっち~・・・(っと、長耳でダリルの肩をポンポン叩きながら)って、シビラちゃん!?(っと、驚いてズッこけたシビラに対し、急いでかけより)痛かったよね~、大丈夫・・・?(っと、両長耳で、打ったであろう箇所をモフモフ、ヨシヨシしてあげて。理不尽に叩かれたダリルに、慰めは俺に任せろと、片目を瞑って合図し)」
トトポヤ「し、シビラ様っ……!ら、乱暴はよくない、ですよっ……!ね…?だ、ダリル、……痛くない?(ビンタの音が響くと同時に居たても立ってもいられずに間隙を詰めてダリルと目線をあわせれば、打たれた頬に微かにヒールをかけつつ)」
タニヤマン「(豪胆なじゃじゃ馬だ。ま、脅し同然の芸を見せればこうなるか)もちろんですとも。お外で遊びたいのでしょう?どちらへ行かれますか?(頬を打たれたダリルには目もくれずシビラに向き直る。ここは素直に提案を飲んだ方がいい)」
ダリル「―――ッ。(突如お気に召さなかったのか近づいてきた女児から頬に衝撃を加えられれば反論することなく黙って受け入れ)母さん大丈夫だよ、ただのお遊びだ。喧嘩じゃない。(そう駆け寄る母親にそう答えれば)」
トトポヤ「そうはいっても母さんは心配だからな……(ダリルの沈着な物言いとは裏腹に心配しきった声音が漏れる。)」
クラスタ「ふむ、ときにシビラお嬢様は何かやりたいことがあるのかね?(リンゴを食べながらビンタされたダリルとご立腹のお嬢様を交互に見ながら)」
シビラ=ヌラ=オーランド「クロちゃん、こいつ生意気だから嫌いよ、私。……ね、今の失礼をお父様に報告してほしくないんだったら、シビラ、言う事聞いてほしいなぁ~?(きゅっとクロの長耳を抱きかかえながらも、眼差しを細めて妖しげな微笑で全員を見渡して)ふふっ、いきなり素直になるのね、やっぱりお父様には逆らえないよね~?」
クロ「(モフモフとシビラを慰めながら、お願いを聞いてと言われれば)うん、聞く聞く~♪どこに行きたい?何して欲しいのー?(っと、幼女を両長耳で抱きしめながら、毛並みでスリスリし)」
シビラ=ヌラ=オーランド「よろしいっ……グノーラント領の北部山岳帯に連なってる森林帯があるでしょ?あそこの遺跡(ダンジョン)に魔物が最近、魔物が棲みついたんだって!昨日の晩餐でお父様たちが話してたの、近いうちに警備団主導で討伐に出向くらしいんだけど、私たちで先に退治できたら、きっとお父様に褒められるわ!(椅子から降りて大仰に手を振ってみせれば、年齢相応にきらきらと夢見がちに笑んでみせ)」
シビラ=ヌラ=オーランド「断ったらお父様に言いつけてやるから。クロちゃん以外はオーランド領から出ていってもらうからね?♥(毛並みを撫ぜながらも、断れない条件であることを前提に口角を持ち上げて)」
トトポヤ「(オーランド家の娘によってあまりにも突飛な提案が舞い込めば)シビラ様…お嬢様……それは流石に危険かと…お父上から貴方の保護責任を命じられている以上、私は賛同できない。」
クロ「(シビラから、警備団より先に、魔物を退治したいと無茶を言われれば)あっ・・・アハハッ・・・、魔物より、鹿さんや、猪さんの方がよくない?お肉食べられるしお得だよ~?オレッチの弓術でバシバシ射抜いて、シビラちゃんを守ってあげるから、近くの森の狩猟にしない?(っと、お嬢様特有の我儘な無茶なお願いに、冷や汗を流しながら、困った様に苦笑いを浮かべながら、長耳で後頭部を掻き)」
シビラ=ヌラ=オーランド「嫌よ、鹿やイノシシなんていつも狩猟してるじゃない。私は本物の魔物を退治して褒められたいの。ねぇ、クロちゃんも解ってくれるよね~?(ぎちぎちと長耳を痛覚を感じるほどに強く握りしめながらも、無邪気に問いかけて)」
クラスタ「ふむ、それはどう転んでも褒められるどこかボクらがオーランド領を追放される未来しか見えない。魔物の生態も不明、能力も不明、さらに討伐隊が行くと決まっている日程より先に踏み込むというのは危険しかない。見事にまあ夢見がちな子供の提案に他ならないよ。端的に言えば『却下』だ。しかし……(シビラから出る言葉に眉を潜める)」
クラスタ「『父親に言いつける』その一言でボクらがキミに逆らえないことを良く理解している。本当にそう言うところだけは知恵が回るよ。いったい誰に似たんだろうね。さて、どうしようか男の子諸君よ」
クロ「(シビラは自分の提案を拒否する様に長耳を痛いくらい引っ張り)あはは~、そうだね~、うーん・・・(っと、困った様に笑みを浮かべ、別の提案は出したが、シビラは魔物退治の方に以前興味を引かれている、このまま断れば、かあちゃんに迷惑がかかり、皆が追放される可能性がある、選択肢はない)オーケー、俺の弓で魔物なんて狙い撃っちゃうよー!!いっちゃうぞー!(っと、乗り気な態度を見せつつ、家族三人に、森林についたら、危険な地帯に行かずに、適当に歩かせて、疲れさせて、早々とこの我儘お嬢様にお帰りいただくぞ、っと、目配せで合図を送り)」
ダリル「魔物退治とはまた突拍子のないものがでたな………。(領主の女児から出た提案にあきれる様に目頭をに手を当てれば)いいだろう、だが魔物に会えなくても駄々をこねるなよ。(そう、敬語も面倒だと言わんばかりにそう答えれば)」
ダリル「―――……クロ、お前の索敵で獲物に会わないようなルートを通って遺跡をグルッと回って帰ってこよう。それで満足するだろ。(そう小声でボソッと耳打ちすれば)」
クロ「(ダリルの提案に、対し、シビラに気づかれない様に、長耳でサムズアップし)任せろ――・・・」
タニヤマン「(無茶を言うやつだ。母上は止めに入るだろうな。そうなる前に家を出ておくべきだったか)かしこまりました!さぁみんな準備しよう!(とは言えもうどうしようもない。断れば先ほどの一件を報告される。それは避けるべきだ。…とやはり納得いかんか)母上ちょっと(ちょいちょいとトトポヤをキッチンの方に呼び寄せれば)」
トトポヤ「どうした、ターニャ。言っておくけど、みんなで遺跡なんて本当に危ないんだから……!(呼び寄せられて緩やかな足取りで向かえば、耳を傾け、幾分か切羽詰まった様子で)」
タニヤマン「ああなったシビラ様が折れないのはご存じでしょう?ここは僕たちに任せてください。幸いこの僕が、そう超優秀なヒーラーであるこの!僕が!ついていますのでご安心を(聞こえないように小声で母を説得にかかる。とは言えこれだけで折れる母でもあるまい)どうしてもと言うなら適当にでっち上げて自警団でもけしかけてください。そんなことしちゃダメとは僕たち言われてませんし♡(邪悪な笑みを浮かべそう提案すれば)」
トトポヤ「ん、まぁ……そうだな――……正直、4人は大人顔向けくらいの力があることは私が一番理解しているけれど……うん、シビラ様になにかあったら本当にお前たちと一緒に居られなくなってしまう。……そうだな、そうしよう……私は同行を拒否されるだろうけれど、あとで絶対に追いつくから。(ひそひそとターニャに諭されれば、くたりと草臥れた面差しで)シビラ様、わかりました……みんな気をつけるんだよ」
クラスタ「仕方ない。もし行くのなら出発前にオーランド領から即刻退去出来るように荷物をまとめてから出発すべきだろうさ。ちなみにボクは何度でも言うが立場的には『反対』だ。
だがしかし、それ以上にママや兄妹のみんなを巻き込むというのなら無論ボクも付いていくさ」
シビラ=ヌラ=オーランド「やったぁ、皆大好きよっ!それじゃぁ、身支度とっとと済ませて出発しましょ!(全員の賛同が得られれば、両手を重ねて満面の笑みをつくってみせ、嬉々とした様子でそこらを飛び回り)……あ、そうそう、住み着いた魔物ってゴブリンらしいわ。それくらいアンタ達なら楽勝でしょ?」
タニヤマン「さすが母上!!さぁシビラ様!!果てしない冒険の旅に出かけましょう!!クラスティーナ(愛称)の言う通り準備は怠らず!たーーーーーーーっくさん歩きますからねぇ?(もちろんダリルとクロの提案にはガッツリ乗る気満々である。戦いたくないしぐるぐる回って疲れさせよう)ゴブリン退治?もちろん余裕ですとも!!見たでしょう先ほどの剣技!全員倒しますよ!こいつらが」
クロ「(渋々と母親であるトトポヤは了承し、四人で討伐の準備をする、自分は、壁に立てかけてある、子供でも使えるショートボウに、矢筒を取れば、腰に矢筒携え、両手にショートボウを持つ、危険を一番に察知できるのは、動物的感性と、耳が良い自分だけだと、責任に重みを感じながら、弓を握り締める、必ず守って見せると、自分以外の四人に目配せを送りながら、家を後にする)何がきても百発百中で仕留めてやるよ――このオレッチがね・・・(長耳を靡かせながら、決意する自信とは裏腹に、不吉な雲が森林の空を覆っていた―――)」
ダリル「クラスタ、そんなに心配しなくてもこの四人なら大丈夫さ。(そう反対を促す彼女にそう言葉を投げかければ)タニヤも母さんのフォロー助かった。(そう片目を瞑って感謝の意を告げると)ああ、ゴブリンだろうがなんだろうが綺麗に三枚に卸してやるさ。(そう、領主の娘に答えるように言えば)」
クラスタ「正直、ゴブリン相手に討伐隊を組むという話が眉唾ものではあるのだが……。仕方ない。ここまで乗りかかった船だ。最後まで付き合おうじゃないか(事実、ダリルとクロの実力は本物だ。ターニャの回復術士としてのセンスも並外れたものがある。やはり全員チートを内蔵しているのではないかと疑いたくなるほどだ。もしかしたら自分が心配のしすぎなだけで意外とあっさり終わるかもしれない。とはいえ、想定外に備えて準備は必要だろう。となれば)ボクも準備をするかな(トトポヤに火薬の取り扱いは禁止といわれてるので公にはするつもりはなかったが、念のためアレを持っていくに越したことは無いだろう)」
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【シビラの自分本位な提案によって、あろうことか4人はダンジョンに棲み着いた魔物を討伐するハメに陥ってしまっている。当然ながら、娘とはいえ領主の血族――領民としての身分である以上は断るような真似は出来ない。しかしながら、遺跡と加えて棲み着いた魔物と併せればその危険度は語るまでもない程で――低級なゴブリン程度であれば駆け出しの冒険者でも相手が務まらない訳では無いが、仮にも知能をもった魔物は狡猾で容赦というものがない。】
【平地で、かつ一匹程度という条件下であれば駆け出し冒険者であっても難無く処理できるものの、遺跡内で集団戦を仕掛けてくるゴブリンの驚異は格別といっても過言ではない。――群れを率いる頭目の存在の有無にもよるが、少なくとも子供がどうこうできる相手ではないのは、確かであった。とはいえ、暴走したシビラを止めることは誰にも出来ず】
【ロールスタート】
シビラ=ヌラ=オーランド「さぁ、あとは私達だけで遊ぶんだからホゴシャはとっととどっか行きなさいよ、あの薄汚い木工場で木を削ってるのがお似合いよ、アンタは。(4人の協力が得られたことでようやく満足そうに笑顔を作る。未だその場に佇んでいるトトポヤへと一言ぴしゃりと言い据えれば面差しを改め)さーってっ……話が纏まったところで……まずは装備をどうにかしましょう!わざわざ私が下調べしてきたんだから、感謝しなさいよ。」
トトポヤ「――……分かりました、……みんなくれぐれも気をつけるんだぞ(ターニャに諭されてようやく引き下がる心積もりになっても矢張り不安は拭えない。子供ながらに大人顔負けの実力を有しつつある子ども達であればゴブリン程度は――とも思うが、それでも親心としては胸が引き裂かれんばかりで)」
クラスタ「おお、これはシロナツメソウじゃないか!こんな軒先に生えているなんて奇跡!これは採取しておかねば……っ(冒険の準備をととのえ、背中には布にくるまれたとっておきの装備を抱えながら、先ほどの杞憂はどこへやら、本を片手にのんきに駆け回る)」
クロ「(家を出て、玄関前で見送るトトポヤかあちゃんに、長耳でいってきますと、フリフリと手を振る様に、左右に器用に動かし)かあちゃーん!いってくるよ~!」
クラスタ「なに、ママよ。心配なさるな、これは子供の散歩だ。ボクらとて道理は弁えているつもりさ。危険になったらそこのお嬢様を捨ててでも逃げ帰るさ」
クロ「(下調べして自慢気に胸を張るシビラに対し)さっすがシビラちゃん!そこにシビレる憧れるー!(っと、うおーっと、尊敬する眼差しで、長耳で拳を作るように、握り)」
ダリル「大丈夫だよ母さんーーー魔物に合わないルートを通って適当にその辺を回ったら帰ってくるさ。(そう耳打ちする様にボソッと安心させるように言うと)いってきます。(そう声を掛けて出発すれば)生憎自分もこれしか持ってないな。(そう装備で悩んでいる我儘お嬢様に先ほど披露した木刀をクイッと上げれば)」
タニヤマン「準備だの戦闘だの探索だのめんどくさいことは全部貴様らに任せる。怪我したら言え。気が向いたら治してやる(にやりといやらしい笑みを浮かべながらシビラ以外のメンバーにそう投げかける)」
クロ「(いつもの様に面倒臭そうに、回復だけはどうにかしてやると悪態をつくターニャに対し)おう!回復は任せたぜ!ターニャ!(っと、あははっと笑いながら、長耳でバシバシっと、背中を叩き)」
トトポヤ「ん、お前たちの実力は私が一番わかっているつもりだ。クロ……シビラ様をよろしくな。(元気よく挨拶を口にするクロの耳元で囁きながらも、そも一番の心配は領主の娘である彼女にほかならない、とぽんぽんとクラスタの頭を撫ぜて)ーー……ダリル、みんなを守ってあげるんだよ。ターニャもあんまり悪知恵を働かさずにみんなを助けてあげてね(傍らでダリルの頭ごと抱きかかえながらも、ターニャへと視線を傾け)」
シビラ=ヌラ=オーランド「よし……邪魔者が消えたところで話を戻しましょ。(4人へと挨拶が終わった女性がその場を後にすれば、精々したとばかりに一息ついて)……あんたらねぇ、今から討伐にいくってのにママゴトの武器使うってのはないんじゃない?」
クラスタ「装備についてはボクは自前の特注品をもっている。心配には及ばない(背負った身長ほどの布にくるまれた長物、もとい錬金銃を横目に小さく頷く。この武器は自身に合わせてチューニングし、取り回しがきくように魔改造した特注品だ。そのぶん火力は一般的な錬金銃より遥かに劣るが、子供が取り回すには十分すぎる代物だろう)」
シビラ=ヌラ=オーランド「クラスタちゃんはそうでも私なんて丸腰でしょ?だからさ、非常時の装備をこれから回収しにいこうってわけ。シリウスの倉庫の地下室、あそこに非常時の武器防具が置いてあるんだって、お父様の情報だから確実よ。(大きく腕を開いて、得意げに語っては)」
タニヤマン「もちろんですよ母上!僕にお任せください!いってきまーす!!(トトポヤの言葉に笑顔で返しながら大きく手を振り)そうは言いますがお嬢様、僕は箸より重いものは持てませんよ?(シビラの問いにさも当たり前のようにそう答え)」
シビラ=ヌラ=オーランド「アンタは後ろから支援するだけでいいじゃない、それに何?ハシってさ」
クラスタ「ふむ、確かにシビラお嬢様が丸腰というのは不安要素だ、武器の一つくらいはもっておくに越したことはなかろう(護衛対象が武具の一つでも持ってないなんてそれこそ問題だ)ときにシビラお嬢様、キミは武術の心得などあるのかね?」
クロ「(シビラが自分の装備を調達したいと言われれば)シビラちゃんは、何の武器を使うの?弓ならオレッチ教えてあげられるよ~♪(っと、長耳を後頭部に組みながら、人懐っこい笑顔を浮かべながら)」
シビラ=ヌラ=オーランド「もっちろん、あるに決まってるじゃない!カダッツからも、お嬢様の剣は才能があるって言ってもらえたんだから!(問いかけに対してぽんと軽く自身の胸を叩いてのたまってみせる。自信に溢れた面差しでにっこりと笑んで傍らのクロに対して緩く視線を向け)ま、クロちゃんは私の剣技を後ろからしかと見届けることね。」
クロ「(シビラは剣術が得意らしい、前線で活躍してみせる意気込みでドヤ顔してるお嬢様に)おお!シビラちゃんに任せれば!万事解決だね!オレッチ、お嬢に守って貰っちゃう!(っと、乙女の眼差しで、長耳を胸に抱え)」
ダリル「へえ、剣技が得意とは知らなかったな。(そう普段の遊びでは見たことがなかった意外な一面に素直にそう言葉が漏れれば、面白いと言わんばかりに口元を上げて好戦的な顔を覗かせる、その表情は他から見ると若干怖い印象で)」
ダリル「お嬢様が良ければ今度お相手しますよ。(そう一言添えて)」
ダリル「じゃあお嬢様のお墨付きもでたことで、そこで装備漁りとするか。(そう、お嬢様の言葉を聞いて何もないよりましと言わんばかりに木刀を肩に担ぎながらそう言うと)」
タニヤマン「まぁ僕が後方から見とくのはいいとして…その地下倉庫からかっぱ…失礼、頂戴すると?バレたら怒られますよ?(なぜこのクソガキは自ら率先して地雷を踏みに行くのだろうか。あの領主野郎の影響なのは想像に難くないが…それにしたって愚かすぎるのでは?)」
シビラ=ヌラ=オーランド「大丈夫よ、私が率先したって言えばシリウスも逆らえないもん。(良心の呵責等一切ないといった表情で返し)……よっしっ、それじゃぁ皆行くわよ!他の大人連中に怪しまれないように自然にね!あ……アンタのこと言ってんのよ!(すっかりパーティのリーダーといった様子で片手を大きく突き上げれば、厳しい眼差しのダリルの肩をぶん殴り)嫌よ!東方式の邪道な剣なんかと相手してやんないから」
クラスタ「なら善は急げだ。早急に武具を強奪して遅くならないうちに出発しようじゃないか(討伐隊がまだ踏み込んでないということは、もしかしたら何かいい素材が眠っているかもしれない。さっさと行って物色しようと浮足立つ)」
シビラ=ヌラ=オーランド「そうそう、私の船にどんと乗っていればいいの!ねぇ?クロちゃん(ぎゅっとクロの長耳を抱きながら倉庫へと向かい)」
【シリウスの倉庫に辿り着けば無味乾燥な空間の片隅に一際大きな道具箱が安置されていた。これが非常用の武具収納であることに間違いはないだろうが、すっかりと埃を被ってしまっており】
【無論のこと抜け目なく鍵はかけられており、解錠技術で開けることが出来なければ破壊するしか方法はないだろう。】
シビラ=ヌラ=オーランド「あー、あったあった!これじゃないの?ほら、仰々しい鍵もしっかりかかってる!(地下室へと降りるなり、どたどたと目ざとく収納箱を見つければ、手で埃を払いながらも、4人を振り返り)」
シビラ=ヌラ=オーランド「ぼさっとしてないでとっとと開けなさいよ、役目でしょ」
タニヤマン「そうだぞクロ。早くしろ(自らは何もしない気満々で壁にもたれかかりながら)」
ダリル「さてっと。(倉庫につき次第収納箱の施錠状況を確かめるがやはり鍵がしっかりかかっており、やっぱりかと言わんばかりに視線を上に向ければ、このままあきらめさせたいのも山々だがそう問屋は卸さなそうで)―――………クロ、頼む。(そうこの中で唯一解錠技術がある彼に丁寧に頭を下げれば)」
-
クラスタ「大層な武器庫を期待していたが、まあこんなものか(倉庫の中に鎮座する埃を被った道具箱。長く使われてなかったのが一目でわかる。顎に手を置きながらじろじろと箱を観察し)残念だがボクは世界の真理を読み解くことは出来ても開錠は出来ない。鍵開けの大役は兄弟に任せようじゃないか」
クロ「(しばらく歩き、無機質な倉庫に到着すれば、武器など危険な物を保管しているのだから当たり前だが、扉に鈍く重重しい大きな錠前がつけられており、破壊するにしてもそう簡単にはいかないだろう)フフ~ン♪まっかせて、任せて朝飯前!シビラちゃんにいいとこ見せちゃうよー!オレ!!(っと、長耳の羽毛に隠していた、針金状のピッキングツールを取り出し、鍵穴に差し込んで、カチャカカチャっと、開錠し始め)」
シビラ=ヌラ=オーランド「ふれふれっ!クロちゃん!♥がんばれ♥がんばれ♥(解錠を取り掛かるクロに対して傍らで集中力を乱すように応援しはじめては)」
【解錠判定値10】
クロ【解錠判定】:2d6>7[成功]
クロ「(しばらく、長耳を音を探るように押し当て、ピクピクと反応する様に動かしながら、開錠音を探り、鍵穴のシリンダーと格闘していたが、カチャンっと、開錠に成功した大きな音が響けば)ヒュ~♪開けゴマ~!!(っと、やりいっと、ご機嫌の様に口笛を鳴らし、重くるしい扉を、双長耳を使って、押し出し、開け放ち)」
ダリル「よくやった。(そうお嬢様の機嫌は損ねなそうな展開に肩をポンっと軽く叩いて称賛すれば)」
クラスタ「(慣れった手つきでクロが、お手製のピッキングツールを毛玉から抜き取り鍵穴をいじくり回す。程なくして難なくカギは開き)ふむ、さすがは将来の大泥棒だ。さっそく前科一般とは、兄妹としてボクも鼻が高い」
タニヤマン「(あーあマジで開けちゃったよ。嫌な予感がプンプンするが…ま、バレたら最悪このクソガキに責任全部おっ被せればいっか)」
シビラ=ヌラ=オーランド「(がちゃりと耳朶に小気味のいい音が響けば、飛びつくようにして背後からクロの上肢を抱いて)きゃーーーーっ!♥開いた開いた、やっぱりクロちゃんは筋がいいわ!♥ほら、みんなとっとと必要なもの奪うわよ!(三人へと振り向きガッツポーズを取り)」
【武具の収納箱の中には一通りの防具と武器類が入っており、狩猟用に使う弓矢から短剣に至るまで雑多に放られており、その中、唯一、しっかりとした台座に載せられているのは、シリウスが冒険者時代に愛用していた東方の刀剣であり、今でも確りとした手入れがされていることを証明するよう鞘まで光沢を帯びていて】
クロ「(中に入れば、倉庫は少々埃を被っているが、武器が美術館の様に並んでおり)おおー!すっげーじゃん!!武器、防具のバーゲンセールだぜ!!(っと、テンションを上げながら、兎特有にピョンピョン飛び跳ね)」
【武具箱のなかに更に一回り小さな箱が入っており、それにもしっかりとした施錠がされている。】
シビラ=ヌラ=オーランド「クロちゃんこれもついで開けちゃって?♥ねぇねぇ♥(耳元でささやくようにしては、小箱を指さしつつ息を吹きかけ)」
タニヤマン「このいかにも大事そうな箱…これ僕のじゃないか…?僕のだ…」
クラスタ「さて、ボクも中身を拝見させてもらおうじゃないか(大胆なボディタッチをかますメスガキを他所に武具が入っている箱を覗き見て)むっ、この箱はなんだね(武器庫の中にこれまた厳重に施錠された箱をみつければ)クロよ。お嬢様の好感度アップチャレンジがもう一度できるみたいだ」
ダリル「―――へえ、【懐かしい】………。(そう武具箱から【昔】居合切りなどで使用していた刀を目にして無意識に手を取れば)東方剣技があったから、この世界にもあると思ったがやはりあったんだな………。(そう自然とボソッと言葉が漏れれば)」
クロ「(乱雑に並ぶ、武器、防具の中で、一際目立つ小箱があり、施錠されたその鍵は、明らかにお宝が中にあるといってる様な物であり)フフフ~♪オレッチから、シビラちゃんにプレゼントしちゃうよ~!(っと、幼女に絆されながら、しょうがないな~っと言う様に、得意気にドヤ顔しながら、ピッキングツールで開錠し始め)」
クラスタ「応援すれば元気が出るというのなら、ボクも応援することはやぶさかではない。ほれ、クロちゃーんがんばれ♪がんばれ♪」
【解錠判定値12】
クロ【解錠判定】2d6>3[失敗]
クロ「(得意気に、ピッキングツールで開錠していたが、しかし、先ほどの扉の開錠が成功した事で調子に乗っていたからか、繊細な作業が大胆になってしまい、針金がボキリっと折れれば)あっ・・・―――(っと、ポカンっと、間抜けな表情で失敗した事を周りに知らせ)」
-
クラスタ「……ふむ、なんかボクが応援したせいで失敗したみたいじゃぁないか(ピッキングツールがポキリと折れたのをみて、複雑そうな表情でクロを見下ろし)」
ダリル「―――………よくやった。(ここで決められればヒーローだったが、失敗した男児に肩をポンっと叩いて先ほどと同じ言葉だが微妙にニュアンスが違うように慰めの言葉を紡げば)」
タニヤマン「このポンコツ兎形目が」
シビラ=ヌラ=オーランド「(解錠に失敗すれば、きょとんとした表情を作った後にあからさまに冷え切った嘆息をさめざめと漏らし)はぁ~~っ……クロちゃん、つっかえな……。アンタの仕事は私を満足させることってお父様に習わなかったわけ?」
クロ「(シビラちゃんに、興冷めした表情で、使えないと暴言を吐かれながら、蔑む様に態度で見下されれば)うう・・・、ごめんよ~、シビラちゃん・・・(っと、ショボンとした態度で、垂れ下がる長耳を胸に抱え)みんな、申し訳・・・もしゃもしゃません・・・(っと、最後は聞き取れない滑舌の悪さで、家族三人に謝り)」
シビラ=ヌラ=オーランド「(兎耳の先端をぎちぎちと握りしめれば、強引に解錠しようと試みた小箱を奪い、思いっきり床へと叩きつければ)こういうのはっ――――こうっ!!」
【がぢゃんっ!と陶器類が割れる音が小箱のなかから響けば、隙間からどろりと内容液がにじみはじめ、中の容器が文字通り破壊されたことを一同に伝えるのであった】
シビラ=ヌラ=オーランド「あっ……(破損音と共に顔を強張らせてしまえば、僅かにしじまを挟んで)……ま、大したもんじゃなかったみたいだし、良いんじゃない?」
クラスタ「ああ、ばかぁ。なにをぉするんだぁ!(箱をおもむろに地面に叩きつけたのをみて焦りを浮かべる。さらに箱の中からなにかが割れた音がしたのを聞き取れば)ほわああああああ!」
【クラスタやタニヤマンからは、滲み出る内容液だけでも相当高価なポーション類であることが解ります】
シビラ=ヌラ=オーランド「えへ、きっと安物のポーションでしょ?ポーションなら一本はもってきたから、大丈夫よ♥(傍らで発狂するクラスタに対し弁解するように舌をちろりと軽く出してみせ)」
クラスタ「(箱の中にはきっと希少な液体がはいっていたに違いない。武器庫と一緒に保管されていたのをみるに、回復系のアイテムだろう。地面に横たわる小箱をそっと手に取り大きく深呼吸をして)……この小箱はダンジョンに向かう途中で捨てるとしようじゃないか。なに、どんな失敗もバレなきゃ失敗じゃあないんだ(仏のような表情で皆を見れば)」
タニヤマン「まぁまぁ便利なものだったか…ま、僕がいれば必要ないものだったな。だからそう落ち込むな、鍋の具材。さーて武器武器…」
タニヤマン「(気を取り直して辺りを探索し)よし僕はこれで(近場で目に入った一番軽そうな鉄製のカギ爪が付いたグローブを装着し)やっぱちょっと重いな…」
ダリル「―――………。(こらえ性のない女児がまだなんとかなったかもしれない箱を無残にも破壊、しかもその中身は壊れ物だったようで液体が漏れだすのを横目で見送れば)まあ、兎に角武具箱はクロのおかげで開いたんだ。それはおまけみたいなもんだから気にせず準備しよう。(そう切り替える様に言えば)」
シビラ=ヌラ=オーランド「ま、まぁ……失ったものは忘れることにして……ほら、アンタたち、クロちゃんが落ち込んじゃったじゃない!!(見事な責任転嫁をかましつつも、表情を改めてはこほんと一つ咳払い)それじゃぁ、装備も整ったし、行きましょう!ゴブリン退治に!(収納箱から手に入れたスタンダードな直剣を腰に携えれば)」
―――――――
【オーランド邸が聳える山岳部から森林地帯へと入れば、疎らに斜光が差し込んでいく、野鳥の鳴き声はひっきりなしに耳朶に届き、街道と違って整備されていない獣道は悪路であった。普段、肉体的な鍛錬を積んでいるダリルや、種族もさることながら狩猟技術を磨く上で野山に馴染みきっているクロ以外にはこの段階でも大変な道程であった。】
シビラ=ヌラ=オーランド「ひぃっ……はぁっ……ひいっ…(既に小一時間歩いた程度ですっかりバテてしまっていた。戦闘云々の前に疲弊した面持ちで、濡れた額を手の甲で拭い、恨みがましい調子で)……ぜんっ、ぜん!着かないじゃない!」
タニヤマン「う…うぇぇぇぇえあぁぁぁぁぁ貴様ら…僕をおぶれぇぇぇぇ…(最後尾でクッソ情けない声を上げながら地面にひれ伏し)まさかこんな道程だとは……はっこれか!成程…あのアホ二人の作戦通りということか…」
クロ「(装備を整え、いざ、魔物は潜む森林へと足を踏み入れた。日差しで明かりはある物の、どこか薄暗い雰囲気の場の空気に、嫌な緊張感が漂い。狩猟経験で一番慣れている自分を先頭に、少しの危険を見逃さない様に、双長耳を逆立て、いつでも射れる様に、ショートボウを構えながら、警戒し、歩みを進め)ダリル……かあったら声をかける――、いつでも前線に立つ準備をしとけよ――(っと、真剣な眼差しで声をかけ)」
クラスタ「ぜえ、ぜえ……。諸君、本当にこの道であっているのかね。どうみてもただの鬱蒼とした獣道じゃあないか(持ち前の身軽さで軽快に山道を登っていく。普段から錬金術の素材をあつめるためにあちこちを駆け回るクラスタでさえも、この獣道を進むのは至難だった。決して彼女のそのものの体力がないわけじゃない。短期的な加速力はピカイチではある。しかし、普段から引きこもり研究に没頭するクラスタと長距離の行軍はもっとも相性の悪いと言えるだろう)ぼかぁつかれた!もう帰る!」
ダリル「――ッ、ッッ。(持ち前の身体能力の高さを生かして、腰に掛けた刀をものともせずに森を軽やかな足取りで進む、各人のペースを考えて時々後ろを向いて立ち止まり歩を合わせれば)――――そっちは任せた、こっちは万が一に備えるさ。(そう先頭で飛び跳ねる様にして索敵している男にそう言葉を掛ければ)ほら、お嬢様、2人とも頑張れ。(そうバテバテの面子にそう言葉を掛ければ)」
クロ「(バテバテになっている、シビラとターニャに対し)シビラちゃん!ターニャ!がんばれ♪がんばれ♪(っと、先ほどの倉庫の応援を返す様に、双長耳を両手の平で叩く様に、声援を送り)」
クロ「クラスタ!がんばれ♪がんばれ♪(っと、エイエイオーっと、長耳を掲げ、声援を送り)」
タニヤマン「あのウサギ後で泣かす…俺もクラスティーナと一緒に帰ろうかな…(起き上がる気力もないのでもはや地面でリラックスしながらそうぶつくさ言い)」
クラスタ「ふおおおおお…………ぉぉぉ……(クロの応援も虚しく、よろよろと身体をゆらしながら坂をのろのろと上がって行く)おぁああああ……」
シビラ=ヌラ=オーランド「ひぃっ…ひぃっ…なんで、アンタたちそんなに平気な顔してるわけ…(剣を杖代わりに進みながらも、よろよろと覚束ない足取りで)」
タニヤマン「あ、見てみてお花♡(少女漫画もかくやと言ったポーズで寝っ転がり花を愛でながら)」
クラスタ「ターニャ、無理。おんぶして(亀のごとし同じ速度で並走するタニヤマンにまとわりつくように手を伸ばせば)」
タニヤマン「なんだ貴様!!俺に貴様を背負える体力があるわけないだろう!!ひっつくんじゃあないっ!!」
クロ「(三人供、慣れない森林の悪路で、体力を削られ、既に意気消沈といった感じ。シビラになんで体力的に平気でいられるのかと言われれば)んー、オレッチ兎ですし!おすし!森林は実家の様なもんですし!(へへんっと、自慢気に胸を張り)」
ダリル「お嬢様もお疲れなら丁重にご自宅にお送りしますよ。(そう息一つ切らしてない様子で、泣き言をいう2人に合わせる様にお嬢様にそう言葉を告げれば)」
【5人が森林内で緩慢な足取りで進んでいると、不意に樹上からぼとりぼとりと液体状のなにかが落下してくる。それらの可逆性の身体をもった不定形の生物はもっとも冒険者にとって身近な魔物であり】
ポメロA「(森林の中に粘性を伴った音を響かせてすり抜けてゆけば、魔物の原生生物とも言われているポメロが姿を現す、それらは原始的な敵対意識を剥き出しにしては5人へと立ち塞がった)」
-
シビラ=ヌラ=オーランド「いやよ!お父様に褒められてもらうために絶対に帰ってやんないんだから!(ダリルの挑発に対して片膝に力を入れて立ち上がりながらも)ほんっと、クロちゃんもピンピンしてるし……ひっ!?(そうして不意にポメロが樹上から降り落ちてくれば再び尻もちをついて)」
シビラ=ヌラ=オーランド「でで、でたわよ!アンタ達!ど、どうにかしなさいよ!ほらぁ!!(剣を指代わりにポメロ群へと向けて、己も鞘から抜き身の刀身を閃かせれば)」
タニヤマン「……おい、なんだあのねるねるねるねの出来損ないみたいなのは(突如樹上から現出した怪生物を見やれば緊張感なく問い)」
クラスタ「(だらけてたのも束の間、不意に第三者の気配を感じる。だらけモードからすぐに身を屈め、周囲の様子を伺い……)クロ、ダリル!魔物!」
クロ「(森林で五人それぞれ談笑しながら進んでいれば、瞬間、獣の感と、長耳に危険を知らせる不気味な水音を知らせれば、毛がブワッと逆立ち、直ぐに振り向き、粘着状の水気質な異形に、両手で、弓の照準を合わせ)くるぞ!みんな戦闘体制――ッ!!」
ダリル「―――ッッッ!!!!!(持ち合わせたセンスの高さからかすぐさま敵対意識を持った何者かに反応すればすぐさま身を低く構えて刀の鯉口に手を添える様にして前に躍り出る)前に出るッッッ!!!援護を頼む!!!!(そう叫べば)」
タニヤマン「ほう…敵か…!よぉし行け!ヒーロー共!!(弟妹達の反応で異常事態をようやく察知し真顔になるもそのまま休日のお父さんのようなポーズでひらひらと手を振り皆を鼓舞し)」
【戦闘開始】
【行動順クロ→ダリル=タニヤマン→クラスタ→ポメロ→シビラ】
【1ターン目】
【行動フェイズ クロ】
クロ【命中判定】2d6>8
ポメロA【回避判定】2d6+1>8
クロ【通常攻撃/単体/物理/弓矢による狙撃】2d6(2D6)>9
クロ「(不気味な水音を響かせながら、三匹の粘着質の異形に、指を突き出し、弓で狙いを定め)そこ――っ!!ハイハイ――っと!!(っと、長耳を手の様に器用に動かしながら、矢筒から矢を番え、次弾装填しながら、矢を的確に放ち、異形に風穴を開け)」
【行動フェイズ:ダリル】
【全力移動/2マス(20m)移動】
【行動フェイズ:ターニャ】
タニヤマン【コンコーダンス/全体/全体に探知魔力を放ち相手の情報を収集する】2d6+6>12
タニヤマン「丸見えだぞバカどもめ(寝っ転がったまま瞳を紫に輝かせれば怪生物のステータスが手を取るようにわかり)」
【行動フェイズ:クラスタ】
クラスタ【命中判定】2d6+5>16
ポメロ 【回避判定】2d6+1>9[命中]
クラスタ【通常攻撃/単体/物理/マスケットライフルによる射撃】2d6+7>12
クラスタ「(先ほどまでの腑抜けた気分を切り替える。魔物を視認すれば「ふむ」と声を漏らし)しかたない、やるとしますか(背負った布切れを剥ぎ取る。そこには身長とクラスタと同等ほどの長さのマスケット式錬金銃が姿を現した。ポケットから弾丸を取り出し弾丸を込める。クロとダリルの後ろを追従するように近づけば合間をぬって標準を合わせ、引き金を引いた)……まずは一匹だ。意外となんとかなるものだね(飛び出す薬莢とともに目の前の魔物が四散すれば、小さく息を零し)」
【行動フェイズ:シビラ】
シビラ【命中判定】2d6+1>7
ポメロ【回避判定】2d6+1>4[命中]
シビラ【通常攻撃/単体/物理/ショートソードによる斬撃】2d6+1>10
シビラ「たーーーーぁっ!!(全力疾走で駆けてゆけば手にした直剣でポメロを振り上げるように切り裂いて)」
【2ターン目】
【行動フェイズ:クロ】
クロ 【命中判定(ポメロC)】2d6+4>8
ポメロ【回避判定】2d6+1>7[命中]
クロ 【通常攻撃/単体/物理/弓矢による狙撃】2d6+6>10
【行動フェイズ:ダリル】
ダリル【命中判定】2d6+4>12
ポメロ【回避判定】2d6+1>12[命中]
ダリル【通常攻撃/単体/物理/東洋刀による抜刀術】2d6+7>15
【行動フェイズ:ターニャ】
【待機】
【行動フェイズ:クラスタ】
クラスタ【命中判定(ポメロC)】2d6+5>15
ポメロ【回避判定】2d6+1>12[命中]
クラスタ【通常攻撃/単体/物理/マスケットライフルによる射撃】2d6+7>17
【行動フェイズ:ポメロ】
ポメロ【命中】2d6+4>11
シビラ=ヌラ=オーランド【回避】2d6+1>8
ポメロ【攻撃/単体/物理/全身を使った自重による圧迫攻撃】2d6+2>10
シビラ=ヌラ=オーランド「ひっ、むぐっ➖➖ぉっ゛ぁ!?(不意に面顔に飛び込んできたポメロに覆いかぶさられれば、そのまま森林の起伏と共に数メートル下に転倒し、強引に半固形状の身体を払えば)はっ、っはぁっ……!ダリル!あんたちゃんとカバーしなさいよ!!」
ダリル「ハッ!!!!!!!!―――フゥー………。(後先考えずに前に出たシビラの後に続く様に前に出れば鯉口を切るようにして抜刀、袈裟切りにするようにして一刀両断すれば、殲滅後に大きく息を吐けばその姿は鬼神のごとし)考えなしに前に出過ぎだ。(そう憎まれ口を叩かれた女に対してそう瞳を伏せて言葉を吐けば)」
【行動フェイズ:シビラ】
シビラ=ヌラ=オーランド【命中判定】2d6+1>9
ポメロ【回避判定】2d6+1>12[回避]
クロ「(ピョンピョンと兎らしい跳躍移動で敵との距離を取りながら、双長耳をクネクネと器用に動かし、次々と矢筒から矢を取り出し、装填しながら、弓から矢を的確に放ち)狙い撃つぜぇ―――っ!!(っと、前線に出すぎているシビラに対し)シビラちゃん!前に出すぎだ―っ!距離をとってとって!!(っと、片長耳を振りながら、ここまで下がれと合図を送り)」
タニヤマン「焦るな次で落とせる(叫ぶクロにそう声を掛ければ)」
-
【3ターン目】
【行動フェイズ:クロ】
クロ 【命中判定】2d6+4>11
ポメロ【回避判定】2d6+1>10
クロ 【通常攻撃/単体/物理/弓矢による狙撃】2d6>8
クラスタ「(銃声が森の中で木霊する。錬金銃を撃ち込みながらスライム状の魔物に確実にダメージを与えていく)むっ、シビラお嬢様、大丈夫かね(スライムに張り付かれたシビラに一瞬驚いたが、案外大丈夫そうで安堵した)さて、クロ、終わらせたまえ(クラスタの背後で弦を引くクロを横目に口元を緩ませれば)」
シビラ=ヌラ=オーランド「こんのっ!!(至近のポメロへと勢い任せに斬りかかれば、俊敏な動きで避けられてしまう。下唇を噛み締めながらも、いらだちを剥き出しにして)クロちゃん!なにやってんのっ!そっこから狙えるんでしょ!!やっちゃいなさいよ!!」
クロ「(シビラちゃんを援護する様に、最後に残った粘着状の異形に、素早く矢を、一、二、っと連続で放ち)シビラちゃんは・・・俺が守る―――っ!!(っと、型でチーズで穴を開ける様に、敵の身体を突き破れば、生命活動を止めた)」
【戦闘終了】
ダリル「―――なんとかなったな。(そう、今まで知識としてその存在は知っていたが、実際に遭遇して対峙したことは初めてであり、刀を鞘に納めればやはり少し緊張していたのか額には一筋の汗がツーっと伝わってきたのを拭えば)」
シビラ=ヌラ=オーランド「さっすがクロちゃん、やるじゃない!♥(自身が仕留め損なった相手をクロがとどめを刺せば生き生きとした表情で、抜身の剣を鞘に収めて)」
クラスタ「何とかなるだろうとは思ってはいたが、意外とあっけないものだ(四散した魔物の残骸の傍にしゃがみ込んで魔物の残骸を指でつつきながら)しかし、魔物というものをここまでマジマジ見る機会なんてなかったが、非常に興味深い。群れで行動していたがあのナリでコミュニティを成しているのだろうか。気になる」
クラスタ「この残骸を今度市販する回復薬に混ぜても面白そうじゃないか。(空のポーション瓶に魔物の残骸をつめながら、棒切れで残骸をこねくり回す)持って帰ろう」
クロ「(撃退した魔物の屍骸に興味心身なクラスタに、肩を竦めながら)クラスタ、持って帰ろうとか思うなよ・・・(っと、双長耳でバッテンを作り)」
タニヤマン「はいおつかれさーん。さーてと、シビラ様の傷を治しますか(ようやく立ち上がればシビラの元へのそのそと近寄りながらヒールを発動し)」
【戦後判定:ヒール】
タニヤマン【ヒール/単体/魔法/対象の傷を癒やす治癒魔術】3d6+3>10
タニヤマンMP:38→34
シビラ=ヌラ=オーランドHP:15→24
シビラ=ヌラ=オーランド「(大人しく回復魔法を受ければ、傷ついた気管支が癒やされていくのがわかる、大分呼吸が楽になれば、ふぅっと大きく深呼吸してみせ)あんがと、たまには役に立つのね、アンタも」
タニヤマン「(特に患部を診るでもなく遠く離れたシビラを癒せばお小言を言われちょっとむっとする。まぁ素直に礼を言えたのは褒めてやろう。貴女よりは役に立ちますよとは言わないでおいてやる)お役に立てて光栄です。シビラ様。それじゃ魔物も倒したことだし帰りますか!」
クロ「(なんとか初戦は無事に終了した、初の魔物の戦闘に、肩で息をしながら、張っていた緊張の糸を解けば、戦闘で傷ついたシビラに、心配しながら近づき)大丈夫?シビラちゃん・・・、ごめんね、援護が遅くなって(っと、すかさず回復技術を持つ、ターニャが回復魔術で傷を癒せば)ナイス、ターニャ!(っと、長耳でサムズアップし)」
シビラ=ヌラ=オーランド「(似合わないお礼を言いおえれば、近づいてきたクロの長耳で汗を拭いつつも)はーっ、今度私を危険な目にあわせたら許さないから、クロちゃん。あっ……!(ふと何気なしに周囲を見渡せば、一際窪んだ遺跡の一部が視界に飛び込んで)あれ!あれ!やっぱ私たち近くまでは来てたんだわ!!(そうして有無を言わさずにその場から飛び出し、視線の向こうへと)」
タニヤマン「帰ろうって言ったじゃん…(いつの間にか目的のダンジョンに到着し魂の抜けたような顔で立ち尽くせば)」
ダリル「どうやらお嬢様は帰る気はさらさらなさそうだ………。(そう回復をしてもらって元気ピンピンになった女児の発言にそう言葉を紡げば)」
【一行がシビラの後を追うとほどなくして人工物と思われる寂れた石床が見えてくれば視界の先には遺跡(ダンジョン)の入り口が見えてくる。直近で人の手が加わった痕跡や野営の残骸はなく、それらの意味する所はとどのつまり、踏破され尽くした価値のないダンジョンであった。】
【――ともあれ、こうした形骸化したダンジョンに棲み着く魔物は珍しくなく、場合によっては野党のアジトとして利用されもしている。】
クラスタ「ふぉおおおお、すげー!しんぴぃ!(森の中を進行し、しばらくすると噂の遺跡が顔を覗かせた。古代遺跡を彷彿とさせる。この中にはきっと物凄いお宝や素材が眠っているかもしれないと思うとワクワクしてくる。冒険者という職種がこの世界に多く存在する理由がなんとなく分かった気がする)」
シビラ=ヌラ=オーランド「ここが新しく棲み着いたゴブリンハウスね!ほら、ここの連中ぜんぶ倒して、お父様をびっくりさせましょうよ!(うんざりしている一行とは別にきらきらと瞳を輝かせてダンジョンの入り口を指差して)」
クロ「(すると、近くまで来ていたのか、目的のダンジョンが目の前に現れ、地獄の釜の入り口というように、入り口奥は闇深く続いており)ほっ・・・本当に入るのシビラちゃん・・・?さっきのポメラ退治で満足しない?(っと、困った表情で、片長耳で後頭部を掻き)」
シビラ=ヌラ=オーランド「当たり前じゃない!ほら、行きましょう!!あんた達こんなところで怖気づいてるんじゃないでしょうね!?(クロの長耳を強引に引っ張って遺跡の入り口へと向かい全員へ振り向いて)ごーごー!」
クラスタ「クロよ、ここまで来て帰るなんてもったいないじゃあないか!目の前にこんな歴史的な謎を多く含んだあ建造物がたっているんだぞ!ぼかぁ行くぞ!(村ではあれだけ冷静に反対いていた人間とは思えない言葉をクロへと投げかける)」
ダリル「ここまで来たら遺跡は行く。けどお嬢様はくれぐれも考えなしに前に出るなよ。(そう先ほどの戦闘で自分より前へ出た行動に釘を差すようにそう告げれば)」
ダリル「―――………行こう。(話を全く聞かない我儘お嬢様に首を項垂れるようにして下を向けば、そのまま重たい足を動かすようにしてダンジョンへ進む)」
タニヤマン「(下らん。一人でやれと言えればどれほどいいか。飽きるまで付き合うほか無さそうだ)おファック」
【危険感知14(全員2d6を振って下さい)】
タニヤマン2d6>4
クラスタ2d6>5
ダリル2d6>7
クロ2d6>6
シビラ=ヌラ=オーランド2d6>8
【シビラが全員の制止も聞かずに遺跡の入り口へと向かえば、不意に石床のタイルを一つ踏み抜くと同時に入り口の奥から矢が射出されます】
【対象判定】1d5>1
クロ【回避判定】2d6+4>9
【トラップ命中判定】2d6+5>10
[クロ・ホーランドロップ]HP:32→25
クロ「(シビラに長耳を引っ張られながら、強引にダンジョンの入り口へと引き摺られていき)うわわ!オレッチ強引なのも嫌いじゃないけど、こういうのは遠慮したい~~~!!(っと、先行していれば、不意に床のパネルを踏んで、罠が発動する嫌な発動音がなれば)クッ――!みんな伏せろ――!!(っと、発言して自分は行動するのがワンテンポ遅れて、矢が身体を霞め、皮膚を抉り、毛皮を散らし)くぁ―――っつつ――ッッ!!!(っと、焼けるような痛みに、顔を歪め)」
シビラ=ヌラ=オーランド「ひぇっ……ぁわ…わわわ……だ、大丈夫?クロちゃん?(不意に自身が踏み抜いたタイルによって射出された石矢がクロへと飛来し直撃すれば、目をぱちくりと瞬かせて)」
タニヤマン「なにっ(射出された矢に気付いた時には矢はすでにクロに命中していた)罠か…うかつに動くと危険だぞ」
クラスタ「(ガチャリという音とともに、隣で共に前方を歩んでいたシビラの足元が沈んだのが感じた。)……あぶない!(危険を感じ、咄嗟に身を屈んだ刹那、壁から射出された石矢がクロへと飛翔し)クロ、大丈夫かね」
ダリル「―――クロッッッ!!!!(ダンジョン入り口で突如何かの作動音が響いたのちに兎の男児にそれが命中すれば)シビラてめぇッッッ!!!!!(っと激昂する様に身分などなりふり構わず壁に寄せるように詰めよれば)考えなしに前に出るなっていったじゃねぇか!!!!(っと声を荒げて壁に衝撃音が鳴り、手をつけば)」
シビラ=ヌラ=オーランド「あっ、あっ……ごめっ、ごめんなさいっ……!わ、私……わたしじゃっ……わ、解らなくて…!(唐突にダリルに激昂されれば、宙空に視線を泳がせながらもしどもどろになってばつ悪そうに萎縮しきってしまい。小刻みに肢体を震わせながらも何とか弁明できないかと言葉を探すも喘鳴に似た声音しか溢れず)」
-
クロ「(苦痛で顔を歪めながら、傷つき、流血をおこし、毛皮に染み込む血を、双長耳と両手で押さえ、圧迫止血し。すると、罠を踏む抜いてしまったシビラに激怒するダリルに)いや・・・、いいんだ、俺も警戒をおこたっていた・・・シビラちゃんを怒らないでやってくれ・・・ダリル――(っと、喧嘩をやめさせようと、必死に笑みを作り)このくらいの傷、平気さ!君は悪くないよ、シビラちゃん(っと、安心させるように、片長耳で、彼女の頭を撫で)」
タニヤマン「おーこわ。まぁ罠があるとわかっただけいいじゃないか。ここはどうもきな臭いが…さっさと片付けるぞ(お嬢様に詰め寄るダリルの肩を叩きながらも)それとももう帰られますか?シビラ様。次は貴女に当たるかもしれませんが…(シビラに今後の動向をうかがう。早く帰りたいのだ)」
シビラ=ヌラ=オーランド「(ターニャの声掛けに未だ縮こまりながらも、ぶんぶんと首を横に振って)お、お父様に……褒めてもらうんだもん、帰れない……。わ、私にあたっ……当たらないわよ…、こ、今度はちゃ、ちゃんとダリルの言う事守るから。……ほ、ほら、クロちゃんも許してくれるって言ってるじゃない……!」
【精巧に隠蔽されたトラップからみても、最低限の知能しかもたないゴブリンが仕掛けたものとは到底思えないようなものであった。そういった直感的な感覚は4人らは誰しもが感じ取って】
ダリル「―――………クロがそういうなら分かった。(そう兎の男児に諫められれば、仕方がないように壁に押し付けていた身体を距離をとる)しかし、この罠はゴブリンじゃない………これが何者の仕業なのか調べて、もし危険そうなら即引き返す。これだけは絶対守ってもらう。(そう引き返そうとしない彼女にそう断言すれば)討伐といかなくてもそれだけやれば領主様にも褒めてもらえるだろ。(そう言葉を告げると)」
クラスタ「ふむ……(矢が射出された周囲の壁をペタペタと触る)これは、この遺跡に残っていたものにしてはやけに新しいじゃないか。……ふむ、シビラお嬢様よ。本当にこの場所にはゴブリンしか居ないと聞いたのかね?」
シビラ=ヌラ=オーランド「そうよ、最近オーランド邸近くにも現れてたから相当数のゴブリンがいるんじゃないかって……(クラスタの問いに対してこくこくと頷いてみせれば)で、でもクラスタ達ならゴブリン程度、大丈夫でしょ……?カタネイやグランパが良い兵士になるって言ってたよ……」
クラスタ「(大事な兄妹であるクロが大けがをしたことで先ほどまでブチ上がっていたテンションが一気に冷めてきた。口持ちに手を当てて思考を巡らせる)この先の選択肢は2つだ。一つはターニャの言う通り即帰還。2つ目はゴブリン以外の知的生物が居る可能性を調査し、情報を持ち帰って討伐隊へ報告することだ。ちなみにぼかぁ一つ目の案をおすさね」
シビラ=ヌラ=オーランド「な、なに勝手に話を進めてんのよ!絶対に帰還なんてさせないんだから!(クラスタに対して息巻くように告げては、絶対に退かないといわんばかりに)
クラスタ「シビラお嬢様よ、ボクたちはどれだけ腕がいいと言われていても所詮は10歳のあまっちょろいガキんちょだ。世間もしらなければ魔物1つに心をトキメかせるくらいピュアで無知な存在なんだ(しかし。シビラが意見を曲げないのをみてため息を漏らす。)
仕方ない、どのみちこのまま帰ってもお咎めと罰が待っているのは確実だろう。それならダリルの言う通りある程度情報を持って帰れば許してくれるかもしれない。それに賭けようじゃないか」
タニヤマン「(行くんかい。帰ろうよ。とも言えず。中間管理職ってこんな感じなのかねぇ)……なるほどなるほど!では参りましょう!行くぞ貴様ら(大仰に身振り手振りをしながら皆を促し)」
タニヤマン「(やれやれガキ一人の戯言がここまで大ごとになるとはな、罠避けを連れて来ておいてよかった)」
クロ「(仲間である自分が傷ついたのにも関わらず、頑なにダンジョンを進もうとするシビラの意思は分からないが、とりあえずその意思を尊重しようと、立ち上がり)ノワキ様から教わって、罠の知識は一番俺が高い、オレッチが先行しよう(っと、傷口を布で縛りながら、少しの違和感を見逃さないように、双長耳を逆立て、レーダーの様にピクピク動かし)」
クロ【危機感知】3d6>17
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