第3話:もしかしなくても、丸っと堕天使。
「私を召喚したのは、あなた?」
そう言って部屋のどこかから女の声がした。
「やっぱりだよ・・・出てきやがった・・・けど、今の女の声だよな?」
声は俺の後ろからした気がした・・・だから恐る恐る後ろを振り向いた。
そこには一糸まとわぬ裸の女がひとり立ってこっちを見ていた。
「・・・・裸?まじで?」
・・・よく見るとまだ若そう。
ヤギみたいな悪魔とかバケモンじゃないんだ・・・って言うか・・・可愛いじゃん。
髪は金髪のロング、ビジュアルの良さは100点満点中200点満点。
顔に関してはクレームつける要素ゼロ・・・そのくらいだからめっちゃ可愛い・・・日本人じゃないのは明らか・・・外人?
でも裸ってのは目の毒だよな・・・まあ大概こう言う謎の女って服なんか着て
ないってのが定番みたいなもんか・・・。
で、この子なに?・・・占いのばあさんから貰ったメモの文字を読んだから、
こうなったんだよな?
「これって占いのばあさんの仕業?」
「あ、その占い師のばあちゃん、私のばあちゃんです」
「え?そうなの?あのばあちゃん君の身内?・・・ってことは君は、ばあちゃん
の孫っち?」
「そうです・・・なんでばあちゃんがあなたに私を紹介したか分かってます・・・」
「え?なんで?」
「私がまだ堕天使のうちに人間の男性とセックスさせて、私がエクスタシーを
得ると細胞が生まれ変わるってご都合主義な展開になってるんです・・・だから
いっぱい感じまくったほうがいいんです」
「で、男性の精液が私の体に入ったら契約成立です」
「私は悪魔にならなくて済むし、天使に戻れて相手の男性は若返るってそんな
ラッキーな仕組みになってるんです」
「なるほどね・・・若返るってのは美味しいよな・・・って今、堕天使って
言ったか?・・・君、もしかしなくても堕天使?」
「そうですよ、もしかしなくても丸っと堕天使ちゃんです」
「私、悪魔になっちゃったら二度と天使には戻れないんです・・・悪魔なんて最低の生き物だからなりたくないんです」
「一生、日の目を見ない暗闇生活が待ってますから」
「だから、ばあちゃんは私のためと思ってあなたに声をかけたんだと思います」
「孫思いのばあちゃんだと思いません?」
「まあ、どこのばあちゃんも孫は可愛いもんだよな・・・って言ってる場合か」
「でもって君は?どうやって俺の前に現れたの?」
「何言ってるんでるんですか・・・私を名指しで呼び出したでしょ?」
「あなた、今呪文唱えましたよね?」
「呪文・・・ああ、俺は占い師のばあちゃんから貰ったメモに書かれた文字を読んだだけだけど・・・」
「それ、私を召喚するための呪文です」
「はじめにファリトゥス・デイ・ファルバトゥル・バラドルって言ったでしょ?」
「それって「一度契約が結ばれたら命つきるまで」って意味なんです」
「で、その呪文の下に書かれたる文字は契約の言葉」
「我は汝ルルシフルを呼び出す、神の聖なる名と偉大なる力によって汝よ直ちに
純粋な姿で我がもとへと現れよ。
我が汝に命ずるその全てに応えるために性を司る女神の庇護のもとに我と契約を
結ばん」って。
つづく。
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