第30話 ゲスト


優里さん達と会ったほど翌週の土曜日、俺は、配信をスタートした。


「お前ら、今日は、少し違うことをするぞ。」


:何だ?

:はよ説明しろ


「デレデレデレデレーーーデン!なんと、今日はゲストを呼びました!」


:効果音自分で言うタイプの人間やったんやな

:おもろいなこいつ


「みんなー、こんにちわ!ユーリだよ!よろしくねー。」


:かわいい

:お?浮気か?


「ユーリさんは、由香さんの紹介で知り合って、本人が希望したから、配信にゲストとして呼んだんだ。お前ら、失礼なこと聞くなよ?」


:なるほど、まあお前には浮気する度胸なんてないしな

:納得


「バカにすんな」


最近、こいつらからの扱いが軽くなってる気がする。


「で、だ。今日はユーリさんに、俺のRTAの記録を見てもらって、改善案を出してもらった後に、それで記録をよくしようと思ってるんだ。そのために、配信前にこれまでの動画を見てもらったから、今からどんどん改善すべき場所を言ってもらうから、お前ら、耳の穴かっぽじってよぉく聞けよ?」


:どうして俺たちを巻き込むんだ

:お前こそちゃんと聞け


「はい、じゃあ、今から話すからね。裕司くんは、戦闘時間はかなり削れていると思うよ。でもね、移動にちょっと時間がかかりすぎかな。後で歩き方とかを教えてあげるから、それで移動時間の短縮を覚えようね。」


かなりタメになることを言ってるな。


なるほど、移動か。そういえば意識したことがなかった。

RTA動画を見ても、よく変な走り方をしていたから、言われてみればという感じだ。


「で、どうしたらいいんですか?口笛吹きながらダッシュすればいいですかね?」


「違うよ?某オープンワールドゲームじゃ無いんだから。とにかくインコースを走って、レベルを上げれば身体能力も上がるからレベリングも大事よ。自分の体力管理も忘れないで。」


なるほど。それなら、かなりの時間が短縮できそうだな。


「さらに早く走るための走り方もあるらしいけど、コンマ数秒の世界とかじゃ無いと意味がないから、今はいいかな。」


:なんじゃそれ

:コンマ数秒て、どんな世界だよ


「そうね、大体5回くらい更新したら、そのくらいになるかしら。」


「え?(絶句)」


5回の更新ってどのくらいやばいんだ?まだ一度も更新したことがないから、更新でどのくらい難易度が上がるのかとかは知らないし、知りたくもない。


「えっとね、ドラゴンが出てくるよ♡」


ドラゴンナニソレ?オイシイノ?


現実逃避していると、優里さんからさらに追い打ちをかけられた。


「更新には、上限がついてないらしいわよ。一番到達してる人は20回らしいわ」


「情報量だけで殺しにかからないでください。もう十分です」


:こっわ

:一体どんなバケモンと戦っているんだよ。


「ちょっと、ストレスがやばいので、急だけど配信終わります。すまん。」


:おけ

:お大事に


大和さんに頼んで配信を切ってもらい、優里さんには、先に帰ってもらった。

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