第17話 チュートリアルの終わり
《おめでとうございます。ユーザーユウジタカナシのチュートリアルクリアを確認しました。これより、該当ユーザーには称号を付与し、ダンジョンの機能を一部解放します。」
12フロアに足を踏み入れると、急にアナウンスがなった。
「なんだ?チュートリアル?ゲームみたいだな。ダンジョンの機能?何が解放されたんだろう。」
:ユーザーて、これ完全にゲームだろ。
:運営がクソそう
「でも、解放されたの俺だけだよな?由香さんはなんでされないんだろう。」
「多分、私は他のダンジョンの攻略を進めているからで、こっちでは最後のフロアの攻略を手伝っただけだからね。」
おそらく、由香さんの言った通りなのだろう。
今自分たちのいる12フロアは、これまでのフロアとは様子が違う。
これまでは石造りのザ、ダンジョンという感じだったが、このフロアはよく分からない金属のようなものでできており、真ん中には本を持った男性のオブジェがある。
「このオブジェはなんだろう。触ったら何か起こるか?」
:爆発しねーかな
:解放されたダンジョンの権限とか見れないか?
「よし、じゃあ確認してみるぞ。」
そう言ってオブジェに触れたが、何も起きない。
:何も起きないな
:結局ただの置物だったのか?
「あれれ、おかしいな。俺の勘はここに何かあると言っているのに。」
諦めずにペタペタ触っていると、本の背表紙がガコンと凹み、大きめのディスプレイが現れた。
NO.79ダンジョン
攻略者 ユウジ・タカナシ
攻略補助者 ユカ・ヤメ
攻略所要時間
1ヶ月3週間4日5時間47分
報酬
1週間以内 移動速度アップのシューズ
1日以内 攻撃力アップのグローブ
1時間以内 時間停止のブレスレット
1分以内 更新の権利
更新回数 0
なんだこれ。情報量が多いし、ツッコミが渋滞してる。
「つまり、なんだこれ。タイムアタックしないといけないのか?」
:RTAか
:ゆっくりボイスで実況しろ
「私とティーダ君は、攻略補助者の扱いなのね。裕司君の攻略を手伝えてよかったわ。裕司君と共同作業したのと同じだものね。」
相変わらず由香さんは訳のわからないことを言っている。
それに比べてティーダは落ち着いており、とても可愛らしい。やっぱり猫が最高、はっきりわかんだね。
一度、何か変化があるかもと思い、外に出てみると、入り口の横に看板が立っていた。
---
攻略者が現れたことにより、スタンピート機能に永久的にロックが掛かりました。
---
「スタンピート?あの、ラノベによくあるやつか?これをみるに、攻略したことによってそれがロックされたみたいだが、ダンジョンがここだけじゃない以上、他のところもクリアしないとヤバいんじゃないか?」
:てことは、しばらくしたらあのモンスター達が地上に出てくるってこと!?
:おいおい、そうだとするとヤバいぞ
「スタンピートが俺の思っているのと違う可能性もあるけど、多分そうだ。これは急いでダンジョンを平定しないと大災害が起こるんじゃないか?」
あたふたしていると、何故か冷静な由香さんが口を開いた。
「安心して。実は、裕司君の知らないことがあるの。配信が終わったら伝えるから、今は落ち着いて。」
取り敢えず、俺はその言葉に従うことにし、配信を閉じた。
◆◇◆◇◆◇
あとがき
x始めましたよければフォローお願いします!
https://x.com/kesuuso380525
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます