第14話 コラボ配信

まえがき

本日2話投稿2話目です

◆◇◆◇



雑談で時間を潰しながら歩くこと数十分、俺の家にあるダンジョンへ入った俺たちは、配信を始める準備をしていた。


「こちらが、俺のカメラマンの高橋大和さん。」


「よろしくお願いします。自分はカメラマンを徹底するのでいないものとして扱ってください。」


「よろしくね、高橋さん。よし、私も準備完了したし、そろそろ始めましょう。」


「はい。大和さん、お願いします。」


俺の合図とともに、大和さんは配信をつけた。




:始まったー

:コラボとは、やるな


「よお、おまえら。今日も配信をするぞ。D witterでも告知をしていた通り、今回は八女由香さんをゲストとして呼んだんだ。」


「やっほー、皆んな、今日は特別に、裕司君のところにお邪魔してまーす!」


:おい由香、そこ変われ

:よかったな由香、念願の裕司に会えて

:コラボなのに同接数がいつもと同じなのはこれ如何に


そのコメントを見つけるやいなや俺は急いで同接数を確認した。


現在同時接続者数 85人

普段の同接数平均 84人


「え?ちょっとまて、同接数いつもと同じじゃん。面子も変わんないし。」


「そりゃあ、そうでしょ。だって、おんなじ界隈で、配信の内容も似たような感じなんだから。自然と、みてる人も同じになるよ。」


まさかの事実に、俺は言葉を失った。

そもそもコラボとは、客層が違う場所と、するもので、それによって新しい客を取り込むことを目的として行われる。

由香さんは、美人で男受けのいい容姿をしているので、自分とはまた違ったリスナーがいるものと思っていた。

が、しかし現実は無常だった。由香さんのリスナーは俺と全く同じような面子で、このコラボには、俺のリターンがあまりにも少なすぎたのだ。


「まあいい、初見がいないと言うことは、説明をする暇が省けたと言うことだ。早速、保留し続けていた11フロアに行くぞ。」


:そう悲しむな、俺たちがいるんだから

:さっさとせい


「もうちょっと俺に優しくしてくれても、いいんじゃないか?お前ら。」


愚痴ると、由香さんがとんでもない提案をしてきた。


「そんなに優しくして欲しいなら、ほら、私の胸に飛び込んできていいわよ。」


「しませんよ?しませんからね?怖いんですけど!?」


そんなことをしたら、今度こそ炎上しそうな気がする。


「さ、茶番はここまでにして、早く先へ進みましょう。」


茶番だったのか。それはそれでやめて欲しいな。


俺たちが配信を始めたのは10フロアなので、11フロアへはすぐだった。

中に入ると、そこには丸々と太った体の大きいゴブリンが鎮座していて、その周りには以前倒したでかいゴブリンや、鎧を着たゴブリン、さらには杖のようなものを持ったゴブリンなど、合計15匹のゴブリンがいた。

内訳としては、

どでかいゴブリン1匹

でかいゴブリン2匹

鎧を着たゴブリン2匹

杖持ちゴブリン2匹

ただのゴブリン8匹

と言ったものだ。

以前の俺なら逃げ一択だったが、ティーダとの特訓によって鍛えられた俺は、由香さんと一緒なら、簡単にゴブリン達に勝てると言う確信があった。


「できれば不意打ちで数を減らしたかったが、もう見つかってるみたいだ。仕方ない、正面からぶつかるぞ!」


「おー!さあて、私の腕を裕司君に見せて、惚れさせてやるわよ!」


俺たちは、特に示し合わせることもなく二手に分かれ、ゴブリン達に喧嘩を売っていった。

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