第五話 メメ運命の日の少し前
ピピッ。ピピッ。
甲高いアラームの独特の機械音が部屋に響く。虚ろな意識の中で布団に身を潜ませたまま手を音の方へと伸ばし、スイッチを押す。
「ん、あああぁ…もう朝か。やっぱ夜更かしすると寝起きは最悪だなぁ。」
時計を見れば、すでに十時を回っており昼時が近づいているような時間である。そんな時間まで寝ていたのにも関わらず、テスト前の睡眠不足の時のような重だるさに襲われていた。
いつもの休日であれば満足するまで二度寝をかますのだが今日はそういうわけにいかなかった。
「確か、一時からだったよな。…ちょっと緊張しすぎて吐きそうになってきたしちょっと散歩いこ..」
徐々に目覚めの悪い寝起きから意識が覚醒してくると、今日の予定が頭をよぎり朝一番から胃がキリキリと痛んできた。
気を紛らわすためにもと、ベッドから足早に出るとリビングで適当に朝食を済まして着替え始める。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「ふぅ..こんだけ走れば流石にリフレッシュできるなぁ。…おっともうこんな時間か。ちょっと早いけど、もうチャッティでつぶやいとくか…」
『メメ、午後一時より今世紀最大の重大発表』
タタタッと軽快にスマホのキーボードを弾くと素早く文字を打ち込んで呟く。
スマホの電子時計は十二時を表示しており、チャッティでつぶやいた時間まであと一時間を切っていた。
スマホの電源を落としてポケットにしまうと、「よし」と一言呟いて明太は小走りで自宅の方へと帰っていく。
ピコン
スマホがバイブレーションで振動し、通知音がポケットから聞こえる。
この発表でリスナーは一体どんな反応を示すのだろうか。やはり、あちらのリスナーからアンチが飛んできたりするんだろうか。
(まぁ、なんとかなるよな)
明太の胸に今あるのは不安半分、期待半分。
この先の俺の未来は一体、どうなるのだろうか。
—————————
いよいよ次回より、本編開始です。
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