黒猫サファイアと三毛猫さくらの日常 ~ 猫魈?猫又! 日常は妖怪、吹き溜まり !! ~
月影 流詩亜
七之助&栞 編
第1話 とある本屋さんの看板猫サファイアの日常
ボクの名前はサファイア。
黒猫の女の子なんだよ。
ボクのお家は小さな本屋さんなんだ。
そう、ボクは本屋さんの看板猫。
ボクのお母さんも、お母さんのお母さんも本屋さんの看板猫と云う由緒正しい本屋の猫なんだよ。
お母さんがお母さんのお母さんから聞いた話しだと昔は本屋さんに新しい本が並ぶとお客さんが沢山来たんだって。
最近は、お客さんが少なくなって静かに成った本屋さんしか知らないボクにはわからないや。
それでもボクがお店の入口のカウンターから外を見ていると子供達から猫好きな大人までお客さんがお店に来てくれる。
「ワアッ、ネコちゃんだぁ~ 」
小さな子供達にもみくちゃにされるけど我慢してあげる。
だって、ボクは看板猫だからね。
大人の人もボクを撫なでる為に本を買ってくれるんだよ。
「サファイアちゃんは『招き猫』だね 」
うん、良くいわれるよ。
マネキネコって知らないけどね。
昔からの常連のお客さんである おっちゃんはボクのお姉ちゃんに、
「私の書いた物語が書籍化したら置いてくださいね 」
と言いながら、沢山の本を買ってくれるんだよ。
最近は、そんな おっちゃんからお兄さんやお姉さんが増えてボクの家の本屋さんは人気なんだよ。
早く書籍化されるといいね、おっちゃん。
おっちゃんとお姉ちゃんの話だと
「本屋さんが、どんどん消えてしまって、さみしいなぁ~。
だけど、ここの本屋さんはサファイアちゃんが居るから安心ですね 」
「確かに同業社が減ってしまいさびしいですけど、ウチも頑張って営業するので、よろしくお願いしますね 」
なんて、よく話しているけどボクが居る限りこのお店は大丈夫だよ。
「そう言えば、サファイアちゃんって何歳なんですか ?
確か、私が子供の頃から居るような気がするんだけど……何代目のサファイアちゃんなのかなぁ~ ? 」
「それが私も知らないんですよ。
いつの間にか、ウチのお店に居着くように成った猫で私の祖母の頃から居る黒猫らしいんですけど…………流石に入れ替わりしてますよね 」
失礼だなぁ~、サファイアはボクだけだよ。
少しばかり長生きだけどね。
「案外、猫又だったりして……」
「「アッハ ハッ ハッ ハッ ハッ 」」
やっぱり失礼だ、ボクは猫又では無く
ボクが居る限り、ここの本屋さんは守っていくから早く書籍化しなよ、おっちゃん !
思い出したけど、昔は可愛い少年だったのずいぶんとフケたねぇ~、人間の自命は短いなぁ~
◇◆◇◆
※ KAC20231 「本屋」 に参加、連載作品に成りました。
ワン ニャン犬猫❤️恋物語
https://kakuyomu.jp/works/16818093093562727527
の続編に成る物語です。
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