第21話

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今回は下品な表現が有りますことをお許し下さいm(__)m

年齢制限は御座いません😆(笑) 

その部分の投稿を考えるだけで、既に筆者は笑いの壺に入っております。

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私の手をいたぶる湿疹は、冬の冷たい空気の中で皮膚が硬くなるとパックリ深いアカギレを何箇所にも作り、しょっちゅう血がにじんだ。

湿疹状態が固まって膨張したパンパンの指に複数のアカギレが出来ると、まるで焼きウインナーのようだった。

痛みで動きにくい焼きウインナーは、益々血流を悪くして腫れもアカギレも多くなる。

様々な悪循環が続いた。


夏はアカギレは大分無くなるがゼロでは無い。湿疹で硬くなった部分には夏でも深いアカギレが出来ていたし、湿疹が湿気を持ちグショグショになる。

そうなるとかゆみも増す。尋常では無い痒みだ。

水疱ができるし汁が出る。

掻けば皮もける。

この状態は、むしろ痛みを伴う冬の時期より包帯を必要とする。

よって、春夏秋冬年がら年中包帯は離せない。


                       

湿疹は手だけでは無く、全身に広がっていった。 顔も足も胴体も。


足の広範囲に出来た湿疹は、汁の出る症状が続き我慢出来ずに掻きまくってしまったため、色濃くあざとなった。


その痣について初めて言及されたのは小学校中学年の時だ。

昼休み、同じ放送部の男子と隣り合わせで作業している時、前の時間体育の授業だった為短パンのままで居た私の痣を見た彼がいきなり


「気持ち悪り〜な!その痣!」


と言ったのだ。

私はひたすらビックリした。

自分では『気持ち悪い』などと思ったことが無かったし、まして他人から言われたことも無かったから。


その痣は『気持ち悪い』んだ!と私は改めて無理矢理自覚させられた思いだった。

端には『気持ち悪い』と感じさせるのだと。

包帯した手で繋ぐのを嫌がった子の理由も『これか!』と理解した。


『私が人を気持ち悪くさせる』という事実に私はショックだった。

だからその時はそれ以外何も考えられなかった。


でもある程度成長してからその時のことを考えると、ショックの中にはもっと深い意味が含まれていた気がした。

『気持ち悪い』と言った彼は、別に悪い事を言っていると思って居なかったと思う。

所謂いわゆる『悪気は無い』と言うやつだ。

それが私のショックの源だったかもしれないのだ。

つまり、悪気が有ってわざと意地悪で『気持ち悪い』と言ったのなら、私の方も『許せない』気持ちになれただろう。

しかし、悪気無く言ったということは『気持ち悪い』ことが、意地悪に使う程特別視したものでは無く、普通に『気持ち悪い』、当たり前に『気持ち悪い』、当然『気持ち悪い』、誰だって『気持ち悪い』と証明したようなものだからだ。

「いいかげん『気持ち悪い』ことに気づけよ!」と告げられたような衝撃だったように思ったものだ。


                       


それからの私は、自分の全てに肯定感を持つのが難しくなっていった。

直接言わないだけで、誰もが自分を『気持ち悪い』と思っているかもしれない不安に支配されてしまったのだ。

いつまた「気づけよ!」と告げられるかという恐怖が潜在意識に組み込まれていった。


                       

ちなみに私が『気持ち悪い』と言われた途端、ピーターは男子が欠伸をした隙に口から彼の中へ入り、胃と腸を掻き回したようだ。

男子はゲップをし、ゲップと共にピーターが飛び出すと、ドでかい屁をした。

彼は真っ赤な顔で頭を傾げた。

ピーターは


「自分の失態に頭を傾げて誤魔化すなんてバカな奴!」


と叫びながら笑いこけていた。

おまけに


「女の子の前で屁こいたりゲップしたり、気持ち悪り〜!!!」


と叫び続けていたが男子に聞こえる筈も無い。


でも私がピーターの援護に満足して、男子の失態を冷たく笑ってやったのは言うまでも無い。 


                 

            つづく


挿し絵です↓

https://kakuyomu.jp/users/mritw-u/news/16818622170467067552

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