概要
わかりました。ならば私は荷物らしく、あなた方の目の前から消えましょう。
両親亡き後に私を引き取ったのは、母の兄である侯爵サイラス・レイモンドの家。幼い頃は優しくしてくれたはずなのに、成長してみると「領地経営の役にも立たない荷物」と言われ、雑用ばかりを押し付けられる日々が始まった。さらに従姉妹のベアトリスは私から婚約者を奪い、嘲るように「地味なあなたには無理」と言い放つ。誰も私を助けようとはせず、ついに私は空気以下の存在として扱われるように。――わかりました。ならば私は“荷物”らしく、あなた方の目の前から消えましょう。折しも遠国からやって来た客人が、私を必要としているようですから。
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