第40話 フードファイト・マッサージ
マッサージ、お好きですか。
アジア人ってマッサージと食養生が大好き。
日本なら、職場で「肩凝りひどくて・・・」と言えば「マッサージ行ったら?」とか、「私いい整体知ってるよ!」とか、誰しも寄り添ってくれるに違いない。
他にも、口内炎出来て痛いとなれば、胃腸が疲れてるんじゃない?なんて返って来ると思います。
これがアメリカ人なら、肩痛い?なら鎮痛剤飲め。
口内炎?さっさと口腔外科でレーザーで焼いてもらえ。ウジウジしてんじゃねー、と、即断即決で返って来ます。
中国人の老師(先生)から、深圳は香港よりマッサージが安い、そして頭マッサージはマッサージの真髄であると聞き、チェン(ジャッキーに似ているのが自慢の友人)がワクワクで行った来たお話です。
「だって、真髄だよ!!」
最強とか究極とかそう言うのに弱いタイプ。
小四男子くらいのメンタルをいつまでも忘れないピュアなレディです。
深圳。香港だと「マツツージ」とか日本語のカタカナで書いてある看板もあったりするものですが、ここは大陸の入り口。
そんなものはありません。
"我々の常識がユニバーサルデザイン"の中華思想の入り口の世界。
カタコト英語で、受付でヘッドマッサージお願いしますと言うと、オプションで足のマッサージも頭をやりながらと出来ると。
マッサージチェアに寝せられて、足はマシンでやるってことかな?と思い、オプション追加。
店の中に案内されると、、、
「健康センターの休憩室みたいな。海に持ってく、ネットの低いパイプ式ベッドみたいのがずらーっと並んでて」
パッと見、避難所らしい。
「で、そこに寝ろと。ココリコの遠藤似のおじさんが1人と、ガンバレルーヤのよっちゃんがすごく痩せたみたいなお姉さんが1人現れて、おじさんがいきなり私の頭になんか粉振って揉み始めてさ•••」
粉???
「よっちゃんは?」
「うん、なんか紙見てたんだよ。そしたら、おじさんと話しててさ。しばらくしたら、受付のおばさんが、焼きそば持ってきて、よっちゃん、食べ始めて」
????
「なんで?食堂じゃなくて、マッサージだよね?」
「うん。でも私の足元の、プラスチックの低いお風呂の椅子に座って食べててさ。おじさんは、私の頭を激しく揉んでるわけよ」
首の力弱いから、ぶんぶん回されてヘドバン状態だったらしい。
パイプベッドはギシギシ軋むし、ココリコ遠藤似のおじさんとよっちゃんはでっかい声で話してるし。
「そのうち、頭が終わって。今度はよっちゃんが私の足を揉み始めたの。で、今度はおじさんがラーメン食べ始めたわけよ」
交代制なの??
「びっくりして見てたら、おじさんが、お前も食うか?みたいな。よっちゃん見てた紙渡されて。それ、出前のメニュー表だったみたいでさ。いや、いいって断ったんだけど、断り切れなくて、なんかこれ多分チャーハンじゃない?チャーハンならぱぱっと食べれるかなって指差したら、でっかいあつあつの土鍋届いて•••」
それだけでも驚きなのに、鶏が半身入っていたらしい。
「・・・すげぇびっくりした。土鍋ご飯に、あれもう鶏肉つうより鶏の死体。毛をむしって半分にしてそのまんまゴロンみたいな状態で炊いた感じ•••」
グラグラ揺れながら足マッサージをして貰い、土鍋を脇に置いてスプーンで食べるのは手がブルブル震えて二人羽織並みに難易度高かったそうな。
しかし、米粒飛び散らかしながら、食っても食っても減らないと。
マッサージ終わった頃はゲップが止まらない状態。
そんなこんなで、ヘッドマッサージ、何が効いたのか、それどころじゃなかったらしい。
真髄とはやはり、そうすぐにわかるものではないのか•••。
日本じゃまず無いだろうし、香港でも聞いたことないけど、中国はネイルサロンとかでも似たような事あるんだって。
もちろん高級サロンではないんだろうけど、庶民派みたいなところだと、食べながらやってるとか、食べながらやって貰うとか。
実家でテレビ見てお菓子食べながらコタツでお姉ちゃんにマニキュア塗ってもらうあの感じを店でもやってると言う事・・・???
ちょっと謎ではありますが。
変わった体験したい方、時短好き、ながら作業が好きな方、ぜひお試しください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます