第39話 目覚めよ、女人
露店って日本では少なくなりましたね。
昔は、アクセサリー屋さんとか、Tシャツ屋さんとか、自作ポエム屋さんとかが結構道端にお店広げていたものでした。
昔、友人と飲んでいた時、ポエム屋さんに呼び止められ「お姉さんたち!!インスピレーションが降りて来た!」と言われて渡されたのが、私は、海に山みたいのが浮いてる絵に、〝松島や ああ松島や 松島や〟と書いてある色紙。
ん?これポエム??奥の細道じゃ•••???
酔っ払ってるからかなー、えー??
なんて思ってたら、友人は〝猫まっしぐら〟って書いてあって、猫と缶詰が描いてある絵。
「どっちもパクリじゃねぇか!」と友人はキレて「私が可愛いって書け」と言って、○○子、カワイイ!と書かせていた。
ちなみに友人は酒乱気味。
アルハラの前に若きインスピレーションが潰された。
結局、1000円づつ払いました。
結構高ェ。
さて。香港の街には、ナイトマーケット、いわゆる街市があちこちあって、女人街、男人街などあります。婦人服コーナー、紳士服コーナーみたいな区分け。
服以外にも女性だったらバッグ、下着、アクセサリーとか。男性なら、ベルト、時計とか。とりあえずなんでも売ってる。パンダ系おもちゃはどっちにもあります。
女人街は、お店が連なっていて、見て回るのが楽しい。チャイナっぽいデザインのバッグや小物、子供服。
そして壮観なのは下着屋。
ハデな色とりどりの下着が万国旗のように。
パンツとかショーツって言うより、パンティって感じの。
「ウチのイチオシ!」とおばちゃんが出してくるのがまあすごい。
セクシー女優というよりむしろブラジルのカーニバルのサンバみたいなデザイン。
「うん?おばちゃん、なんでこのパンツ破れてんの?」
蛍光ピンクのパンツがなぜか穴開いてるみたいになってる。
おばちゃん、よくぞ聞いてくれました!と奥からなんだか棒を持ち出し、おもむろにパンツに•••。
へ???
いやいやいやいや!!
と我々大慌て。
なんだなんだと周りに人が集まって来た。
割に欧米人て大らかと言うか、まさかの模擬実演販売に、ゲラゲラ大笑いしたり写真撮ったり。
おばちゃんノリノリで、イェーイ!みたいな。
「ぎゃー!!イェーイじゃないよ!!」
「私らを撮るな!!違う!仲間じゃない!!」
一騒動。
あれは股割れパンツと言ってセクシー系。
穴あきパンツの一種。
用途は•••うん、わかるよね。
股割れパンツって、まあ、セクシーも、うん、実用性高いんだけど、中国って昔から子供用に股割れズボン、穴あきズボンがあって、トイレがすぐ出来るように、みたいな感じで機能としては定着してるらしい。
実用と面子の国だからなあ。
日本では介護用に導入されてたり、または、着物着用時に履いたりするみたい。立ってる時は布が重なるように縫ってあって、寒くないそう。
なんて話を帰国した時に友人にしたところ。
彼は香港、シンガポール、ジャイプールに転勤した経験がある。
その友人(男性41才)は、初めて女人街に行った時、女物のパンツってこんなにいろんな種類あるの?ってびっくりしたらしい。
そりゃ、それまで女性用下着コーナーなんてしげしげ見た事なかろう。
男物だって、ブリーフ、トランクス、ボクサーと結構あるけど、柄は無数だけど、デザインとか素材は大体一緒。レースだファーだ、キラキラの飾りとかは、確かにくっついてない。
「あれ見てたらさあ。履いてみたいって•••」
「は?」
「は、履いてみたいと思った」
死にそうに告白。
「、、、う、うん?」
そ、そう?そうなんだあ。。。へ、へぇ?
今でこそ無茶な転勤が続き毎日外食と運動不足で、コルステロールと血糖値爆上がりでメタボと言われ菓子パン禁止令が医者から出されている彼だけど、昔は男子校出身でリフティング部でなかなか男塾だったらしい。
酔っ払うと必ず、元気ですかー!行けばわかるさ、ボンバイエな口上をぶち上げるソウルはマッチョな彼が。あのパンツを。履いてみたい、と?
彼女(居ないけど)に履いて欲しい、とかではなく。
彼の中の女人が刺激された、と。
「い、いいんじゃない?サイズさえ合えばさ」
「そう?そうかな?!」
と友人、嬉しそうだったけど。
アンタ実家暮らしじゃないですか。
お母さんに、いや、お父さんに、頼むから妹さんにも履いてるとこバレないようにね•••。
速攻でバレたそうです。
何で、実家暮らしなのに洗面所で履くんだよ。。。
人の中の女人を刺激する、女人街、パンツ売り場。
ぜひ一度、訪れてみてください。
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