期末テストのご褒美
冴の家に到着した。自転車を自転車置き場に置き、家の鍵を開け扉を開ける。
「また、部屋で待ってて。すぐ、お菓子と紅茶持って行くから」
「わかった。待ってるね」
コップとペットボトルの紅茶、そして様々なお菓子を山盛りにしてお盆に入れて部屋へ持って行く。
「お待たせ~持ってきたよ」
「うわ、すごい量のお菓子! いくら羽目を外すって言ったけど、こんなには食べられないよ!」
「大丈夫~残ったら、あたしが食べるから~」
「それもそうか。冴の胃袋は宇宙だもんね。本当、太らなくて羨ましい……って忘れるところだった。冴、点数どうだったの!?」
ずいずいと身を寄せてくる萌依。たじろぐ冴だが、リュックからテスト用紙を萌依に差し出した。萌依は驚愕し、
「冴、すごいじゃん!! 私と同じく全部90点以上!! 頑張ったね」
「ふふん。でも、これも萌依のおかげだよ、ありがとう、こんなあたしに勉強教えてくれて」
「冴の頑張ったからだよ。私はお手伝いしただけ。じゃあ、ご褒美だね……」
2人は目線が合うと、ふいと逸らす。そして真っ赤に染め合う。いよいよ唇同士でキスをするんだと意識して心臓の鼓動はうるさいし、顔は熱いし。冴は萌依の顔を見て、赤くして可愛いなと思った。自分もなっているんだろうなとも思いながら。
冴から萌依を抱きしめに行った。身を委ねる萌依。そして、目を瞑る萌依。冴も顔を近づけながら、目を瞑る。2人の唇がふにっと重なる。柔らかいし、良い匂いが鼻をくすぐる。頬にしたキスとは比べ物にならないくらい気持ちが良い。くらくらする。惜しいが、唇を一旦離す。抱きしめた体勢はそのままだ。
「……しちゃったね。気持ち良かった」
「……私も。気持ち良かった」
「もう1回してもいい?」
「……いいよ」
今度は2人共同時に目を瞑り、顔を近づけていき、唇を重ねる。冴は理性が飛び、萌依の唇を舌でこじ開けて、舌を絡ませる。だが、萌依は嫌がるどころか、受け入れ自らも絡ませていく。漏れる吐息、だけど、それすらも惜しいくらいに唇を押し付け、隙間なく唇を重ね合う2人。
息苦しくなってきた為、唇を離す2人。その間に銀糸が伝って切れた。しばらく無言で見つめ合っていたが、それを打ち破って、口を開いたのは冴であった。
「そういえばさ、そ、その唇にキスしたし……もうお試しじゃなくてさ、あたしと正式に付き合ってください!」
「……うん、もちろんだよ。その言葉、待っていた……私からも言おうかと思ってたけど……冴から言って欲しかったから……」
「あたしがリードしたいし、あたしから言うよ! 好きだ!! 萌依!!」
「私も……好きだよ、冴……」
「今日、親……帰って来るの遅いから……」
「うん、いいよ……来て、冴……」
灯台下暗し。想いを寄せる人に限ってモテないなんてのは昔の話。今では、かけがえのない人が冴の隣にいてくれている。これからもめいっぱい、愛してくれる。ずっと。
想いを寄せる人に限ってモテない シィータソルト @Shixi_taSolt
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