確認・相談・無知 が怖い

 自分にとって、これをやるのは億劫だなあ……怖いなあ……と思うことは多々ある。私の場合は、何かの確認をしなきゃいけないときが多い。確認をすることが億劫というより、そこで発生する人との会話(直接にしろ、電話にしろ、メールにしろ)に怖気づいている気がする。


 本当に心身ともに疲れているときは、それが嫌で嫌で仕方がなく、確認を先延ばしにしてしまったり、なんとなくで自分でやってしまったり、後から実はこうなっていました、という事後報告をしていた。

 改めて文章にすると、社会人で一番してはいけない行為である「先延ばし」「自己判断」「事後報告」というオンパレードで呆れてしまう。だけど、当時の私は何せ、そういうことから逃げる方が楽だと思っていた。結果、悩みが解決しないので、苦しみ続けるということをしてしまう状態だった(今でも油断するとしてしまう)。


 そういう経験がない人のために何が嫌なのかをご説明したい。

 私の場合は「こんなことも知らないのか?」とか「忙しいんだけど、それって今確認すること?」だとか「それ確認する必要あるかな?」といった返しをされたら嫌だからという、ある意味で保身のため、自分を傷つけたくないがために、確認や相談を避けられるのなら避けたい気持ちが溢れていた。

 こ、これで傷つくの……? と思う人もいるでしょう。

 そう、傷つくのです! 傷つきたくないんだけれども……!

 直接的に傷つけるような言葉ではない。はず。なのだけれども、被害者意識が強い私は


「こんなことも知らないのか?」→君は無能だな

「忙しいんだけど、それって今確認すること?」→空気がよめない奴だな

「それ確認する必要あるかな?」→もっと他にやることあるだろ


 といった具合に勝手に脳内変換がされてしまい、自分がいかにできない人間なのか……ということを感じて傷ついてしまうのであった。

 もちろん、そのような言葉を直接言われたことはない。全て私の脳内だけで発生している妄言なのだけれど、この妄言。なかなかに手ごわく、私の頭の中でいつも声をかけてくるのだ。自己評価が低い所為かもしれないし、人に頼る・相談することを「甘え」だと思う頑固な自分がそうさせている気もする。

 でも、甘えたって別にいいし、頑固な自分だって別にかまわない。むしろ、ここで問題になってくるのは確認や相談を後回しにしたことで、スケジュールが狂ってしまったり、目標が達成できなくなってしまうことの方が、事実として問題だ。


 無知が恥ずかしい、恐ろしい、という羞恥心が強い。そりゃ、この世の中、いろんなことがあるのだから知らないことの方が多いよ。

 「そうなんです、わからないから、知りたいから確認・相談しているんです」とさらっといえば、別に何も問題ない。

 自分の無知を受け入れたい。


 相談をする、確認をすることは、私にとっては、とても勇気のいること。

 ただ、最近は、嫌だなーやりたくないなー確認したくないなーと思った瞬間にやるように心掛けている。すると不思議なもので、すんなりスムーズに事が運び、また、確認・相談ができた自分が、なんだか誇らしい気持ちで一人ガッツポーズをとっちゃったりする。

 先延ばしにしないので、そのことで長時間悩むこともなくなるし、その後はすがすがしい気持ちで次の作業をすることができる。


 あたりまえ、なんですけどね。

 でも、苦手なことって誰にでもありますからね。


 もし、私と同じように「確認・相談」が苦手な人がいたら、あえてすぐにやってみる。試してみてください。

 それから、もし本当に「そんなことも知らないのか」と返されてしまい、その言葉に傷ついた人がいたら、ぜひコメントにて教えてください。少なくとも私はあなたの気持ちがちょぴっと分かると思いますので寄り添えるかもしれない。


 新しいことが何かとはじまる4月も半ば、無理のないよう生きていきましょう。

 知らないことを知ることは楽しいことにつながるはずですし。

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