落ち込んでいるとき

 身体が重い。心臓がずーんと重くなって、次に胃がぐるぐるしだす。遠くからキリキリする腹痛がやってきて、そのあとは足がぶるぶる震え、床にべしゃりと倒れ込む。一度横になると起き上がることが困難になる。

 自分にとって予想できていなかった、あるいは予想していたけどそれが起こったら最悪だよなと思うことが発生すると心が容易くぽっきり折れてしまう。

 自分の考えていることが、うまくいかないと、その後も全てうまくいかないのではという不安が一気に寄せるなんとも忙しい思考を持っている。

 そのうえ、同じような駄目だしや最悪の結末をループで脳内上映しはじめて、どこに逃げればいいのか、というより逃げられないなという気持ちがじわじわ支配してきて、考えることが苦痛になる。

 一時期は、この考えることが苦痛すぎて「考えなくてすむならこのまま機能を停止したい」という思いが強かった。今もときどきある。


 これが、私の一番ひどい思考状態ということを最近知った。


 この、同じ考えがループするというのはかなり辛い。しかも、考えることによって、なにか閃いたり解決策が出るならいいのだが、私の考え方は基本的に後ろ向きでどうしようもない「過去」や「未来」についての悲観的な思考である。

 この「過去」や「未来」ついでにいうと「他人の行動・感情」「世間」などは自分がコントロールできない領域であって、この穴に落ちると這い上がるのが非常に困難だ。

 私がコントロールできるのは「私の」考えであり行動であり、自分がどのようにふるまうか、相手に接するか、という「私」を軸におくことしかできない。


 このコントロールができる領域を理解していないと、私は驚くぐらい深い深い穴に落ちていく。

 最近は、やっとその自分のコントロールできる領域を意識しようとしはじめたので、なんとか耐えているが、今もどうしたらいいのだろうか、という悩みは心の奥にずんと居座っている。はやくそこをどいてくれ。


 寝て回復することもあったけれど、最近は心療内科にかかるぐらいの精神状態なので、なかなか回復する様子がない。それも仕方がないよな、と思う。


 そもそも、この世界を上手く生きている人なんていないのかもしれない。その生き辛さの感じ方が人によって様々なだけで、嫌なことも、腹が立つことも、悲しいことも、嬉しいことも、あったりなかったり。

 まあ、これだけ混沌として、できることも、やらなきゃいけないことも、たくさんある世界なのだから、そりゃ生きるのって大変だ。

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