国取り上等のVR戦記

ひつじぃさん

プロローグよ、美しくも残酷な世界に乾杯しよう

悪友からの通話

プルルルルル………。

プルルルルル………。

プルルルルル…………。

ピッ。


「よぉ研露トグロちゃ……」


ツーツー。


さて、ゲームの続きをやろうか。

俺が今ゲームしているのは『スペースユニバース』と呼ばれている戦争シュミレーションゲームで、大昔に流行ったディスプレイ型のゲームだ。

世間の主流はもっぱらVR型のゲームだが、俺は古き良きも愛しているんだ。


これは宇宙を舞台として異なる陣営同士で戦争を繰り広げるゲームで、いかに相手の陣営をボコスか考えるのさ。

外交やら内政やら考える事が多いんだが、その戦略の奥深さこそがこの手のゲームの魅力だろう。


プルルルルル………。

プルルルルル………。

プルルルルル…………。


「しつこいな、一回切ったんだから諦めろよ」


そうため息を零しながら、耳の接続機器に触れる。

瞬間、目の前にホログラフィーが出現して徐々に人の形を成していく。


「おいおい、この俺様の通話をぶった切るたぁ良い度胸じゃねぇか」


こいつは遊田ユウダ竜胆リンドウ、いわゆる悪友だ。

ほのぼのとしたエピソードを用意できたら良かったんだが、こいつとは数々のオンラインゲームを荒らしてきた記憶しかない。

後で用事を付き合ってやってもいいが、今はそんな気分じゃないんだよ。


「今は古き良き戦争シュミレーションゲームをやってるんだ。悪いが用事なら後にしてくれないか?」

「なんだ、せっかく新作のVR戦争シュミレーションゲーム出たからお前も誘おうと思ったのに」

「何やってるんだ、早くやるぞ」


なんだ、そついう事だったら早く言えよ。

俺は血に飢えてるんだ。

戦争や闘争はいいぞ、眼前のプレイヤーを数の暴力で消し去る快感と言ったら……で、どんなゲームなんだ?


「そう言うと思ったぜ。『アナザーワールドキングダム』略して”アナキン”」

「アナキンスカイウォーカー!!」

「それスターウォーズな」


少ししたら通知が届く。

中を見てみると、アナキンのギフトが送られてきた。


「俺からの奢りだ、受け取っとけ」

「素晴らしい!! 持つべき者は友だな!!」

「速攻で通話ぶった切った奴とは思えん台詞だ」


はっはっは、何の事だか。

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