Fairy fate〜妖精の運命〜〈チラ見だけでも!〉
梅永 翼(NAGA)
Prolog
“
小さなレンガの家。人気のない森の中の洞窟。
それとも、一国の中心部に建つ大きなお城?
綺麗なお姫様や冒険好きな子供。
意地悪な叔母様や圧倒的な力を持つずる賢い王様。
それとも、人々から恐れ崇められる神様?
魔女の呪いや不思議な道具。神秘的な魔法や魔術。
それとも、絆や愛の力?
可愛らしい精霊、悪戯好きな妖精。
見たことのないヘンテコな動物。
それとも、力強く恐ろしいドラゴン?
物語も結末も、一つではないが一つしか選べない。
それは人生も同じ。終わりの道は一つだ。
そして、終わりは始まりでもある。
♢
揺らめく焔の中────新たなる物語が始まった。
暗闇から覚めて真っ先に視界に入ったのは、フィンチメガネをかけ、顎髭を長く伸ばした老人の顔。
湊鼠色のローブは所々黒ずんでいて、袖が少し焼けていた。
息を切らしながらも足を止めることなく、老人は長い廊下の奥の部屋へ走りこむと、
「時が来れば、導きにより本は開かれるだろう。最後まで物語を綴れ。途切らせること無く。それが、使命であり代価だ。お前の辿る道が、救いと愛の“フェアリーテール”で幕を閉じると願う。新たな始まりへ向かうため、物語を終わらせよう。私は、必ず─────お前の元へかえる」
老人が頭から手を離した瞬間────────私は再び暗闇へ落ちるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます