第4話 ある女性の依頼/無言の先には…

俺らはシエルさんの案内の元、彼女の家に到着した。

「デカイな…」

俺と相棒はその家、いや、屋敷の大きさに驚いた。

「ええ、この辺りの土地で農業を営んでいるのと、その利益で別事業をしておりますので」

シエルさんはそう言った、なるほど、仕事のできる人らしい。

「さて、調査を始めようか晟」

「ああ、そうだな、まずは屋敷の庭からだな」

俺らは門をくぐって屋敷の中に入った。

と、同時に絶句した。

「なん、だ、この破壊の跡…」

「これは…」

明らかに何かを叩きつけたような破壊跡のある壁、踏み荒らされた庭、凄まじい破壊跡だった。

「シエルさん、これは僕らがここに来る前からこのような有様だったのかい?」

「いいえ…!私の時は、まだこんなことにはなっていません……」

相棒の問いにシエルさんがそう答えた。

「なら、しらみ潰しに手がかりを探すっきゃないな」

俺がそう言い、壁の近くに行こうとした刹那

「!

晟!避けろ!」

相棒がそう叫んだ。

「!?」

相棒の言われるがまま、俺は後ろに跳んだ。

俺がさっきまでいた所には、棍棒をもった男が立っていた。

「誰だあんた!」

俺からの問いに男は無言を返した

(……?なんだ、目が腫れている、それに、目の下に8の字の、痣か?あれは)

俺が疑問に思っていると

「晟、他にもたくさん棍棒を持った男性が!」

「なかなかの数だな、ところでシエルさん、あなたの旦那さんはいるかな?」

俺からの問いに

「…います、晟さんを最初に襲った男性です!あなた、平気なの!?」

シエルさんの問いかけにも、無言を貫いていた。

「これは…相棒」

「ああ、そういうことだろうね」

「晟さん…?誠さん…?」

シエルさんの顔に疑問の表情が浮かぶ。

「晟、ここはお互いの見解を共有すべきだと思う」

「だな、深追いして全滅だけは避けてぇ、ここは引くぞ!」

「でも…」

「必ずシエルさんの旦那さんは救い出す、だから今は1度引くんだ」

俺らは半ば強引にシエルさんを連れて1度屋敷を離れた……

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