限界社畜聖女のコンビニで労働しろですって?!

天堂 サーモン

悪役令嬢、コンビニで勤務す

「あなたなんかに世界が救えるはずがありませんわ!」


 侯爵令嬢アリシア・フォン・ルクセリアは、豪奢なドレスをまとい、青い瞳に嘲笑を浮かべながら宣言した。


 彼女の視線の先にいるのは、この世界に突如として召喚された異世界の少女——エリナ・タカツキ。

 王宮の者たちは「神託を受けた聖女」と彼女を崇めるが、アリシアにはどうしても納得がいかなかった。


(こんな……平凡な庶民のような娘が、聖女ですって?)


 確かに、エリナは魔王を討つ使命を与えられた。だが、彼女の姿には威厳も気品も感じられない。むしろ、その疲れ切った表情と肩の落ちた姿勢は、まるで労働の限界を迎えた使用人のようだった。


「まあ、救えるものなら救ってご覧なさいませ。でも、もし本当に世界を救えたなら……私の命令をなんでも聞いてあげますわ!」

「いいの? 本当に?」


 エリナはぼんやりとした目で問いかける。


「ええ、構いませんわ!」


 アリシアは堂々と答えた。この時はまだ、彼女が口にした言葉の重さに気づいていなかった。




 しかし——エリナはやってのけた。


 魔王を討ち、世界を救い、国中の人々から称えられた。王宮では盛大な祝賀会が開かれ、民衆は彼女を「真の聖女」と呼んで歓声を上げた。


 だが、その宴の片隅で、アリシアは冷や汗をかいていた。


(どうしましょう……まさか、本当に約束を果たす日が来るなんて!)


 聖女の影に怯えるアリシアに、無慈悲な声が降りかかる。


「アリシア! ここにいたのね」

「え、エリナ……!」


 彼女は相変わらずの疲れ顔で、だがどこか勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。


「約束、果たしてもらいに来たよ」

「くっ……! やはり来ましたわね……」


 アリシアは震える指をぎゅっと握り、意を決して言った。


「いいですわ。貴族に二言はありません! あなたの命令、何でも聞いてあげます!」


 エリナの顔がにっこりと綻ぶ。


「それじゃあ……これから1か月、私のコンビニでバイトして!」

「……はい?」


 宴が終わり、聖女が元の世界へ帰還するための儀式が執り行われた。そして、その聖女に同行する形で、一人の貴族令嬢が異世界へと旅立った——。



 ***



「……ここは?」


 アリシアはゆっくりと周囲を見回す。そこには異様な光景が広がっていた。広場ほどの大きさの空間に、不自然に明るい光を放つ天井。壁一面に並ぶ見知らぬ商品。


 そして——


 ガラス張りの扉が、まるで意思を持つかのようにひとりでに開閉していた。


「きゃあああああ!?」


 アリシアは悲鳴を上げ、ガクガクと震えながら一歩後ずさる。


「ちょっ……この動く鉄の扉、なんで勝手に開いたり閉じたりしますの!? 呪いですの!?」

「落ち着いて、それは自動ドアっていうの」


 エリナは呑気に答えながら、カレンダーをちらりと確認する。


「おー、私が異世界に召喚された日のままだ。シフトに穴空いてなくてよかったー」

「いや、そんなことよりこの魔道具のような扉をなんとか——」

「はい、アリシア。これ、制服ね」


 話を遮るようにエリナが差し出したのは、オレンジ色のポロシャツと地味なズボン。


「……は?」


 アリシアは恐る恐る制服のシャツを摘まみ、指先でその布の質感を確かめた。薄い。ペラペラで、透けそうなほどに軽い。それだけならシルクのようだが……しかし、しっとりとした感触は皆無で、触り心地はどこがガサガサした感じである。明らかにザ・安物といった布だった。


「こ、こんな粗雑な布を身にまとうなど、貴族としての矜持が……っ!」

「え、普通のポリエステルだけど?」

「ぽ、ぽり……?? ……いえ、それより、この地味なデザインは何ですの!? 何の装飾もなく、裾の刺繍もないんですよ?!」

「いやいや、これを着て接客する決まりだから! 見て、私も着てるし」

「ありえませんわ! 粗雑なデザイン、生地の質感も最悪! こんな服を着たら、貴族の気品が完全に損なわれてしまいますわ!!」

「はいはい、文句はいいから着替えてー」

「断固拒否します!!」

「貴族に二言はないんじゃなかったの?」

「……っ!!」


 エリナがにっこり微笑むと、アリシアはぐぬぬ……と歯ぎしりしながら再び制服を見つめる。


(確かに、約束を破るのは貴族として恥……でも……この服はあまりにも……!!)


 そんなアリシアをよそに、エリナに半ば強制的に更衣室へ押し込んだ。



 そして、数分後——。勢いよく更衣室のドアが開かれた。


「……うぅ……」


 そこには、制服を着せられ、魂の抜けた顔をしたアリシアが立っていた。エリナは満足げに頷く。


「わー、めっちゃ似合ってるよ」

「似合ってませんけど?!」


 アリシアは目を剥いて叫ぶ。


「うっ……貴族として……これは屈辱ですわ……」

「まあまあ、仕事が始まれば慣れるって!」

「うぅ……私の気品が……っ!」


 こうして、悪役令嬢のコンビニバイト勤務が始まった。



 ***



「それじゃ、まずは品出しを手伝ってもらおうかな」


 エリナがそう言って手渡してきたのは、透明な袋に入ったパンだった。


「……パンが……袋に入っている!? どういうことですの!?」


 アリシアは信じられないものを見るようにパンを持ち上げ、両手でまじまじと眺める。


「この世界では普通の売り方だよ。衛生的だし」


 エリナがさらっと言うと、アリシアは驚愕の表情を浮かべた。


「パンとは、焼きたてのものを召使いが運び、銀のナイフとフォークで優雅に食すものではありませんの!?」

「いや、ここコンビニだし……」

「信じられませんわ!! こんな無粋な形でパンを食べるなど、貴族の嗜みとはかけ離れておりますわ!」

「まぁまぁ、お客様はこういうのが便利で好きなんだから」


 エリナは苦笑しながら、棚にパンを並べていく。アリシアはなおもブツブツと文句を言いながらも、渋々作業を真似していった。


「ふう……こんなものかしら?」

「お、上手上手。それじゃあ次はレジに挑戦してもらおうか」


 エリナがレジを指さすと、アリシアは眉をひそめる。


「……あの機械ですわね?」


 カウンターに鎮座する白い箱——レジ。異世界には存在しない文明の利器に、アリシアは警戒の視線を向ける。


「ええ、レジはね、お客様が持ってきた商品をスキャンして、お会計をする機械なんだよ」

「……スキャン?」

「この光の部分にバーコードをかざすと、『ピッ』って鳴るの。そしたら値段が出るから、お客様からお金を受け取ってお釣りを渡す」


 エリナが手本を見せると、確かに「ピッ」と心地よい音が鳴った。


「なるほど……そういう仕組みですのね」


 アリシアは腕を組み、考え込んだ後、堂々と胸を張った。


「よろしいですわ! 貴族の誇りにかけて、完璧な接客をお見せいたします!」

「おっ、やる気出てきたね!」


 エリナが笑いながら頷く。そこへ、ちょうど最初の客が来た。

 ──50代くらいの男性が、缶コーヒーを2本手にレジへ向かってくる。


「よし、いってみよう!」


 アリシアはコーヒーを受け取り、慎重にレジのスキャナー部分にかざした。


 ピッ!


「……!!」

「おおっ、ちゃんとできたじゃん!」

「ふふっ……これが庶民の文化ですのね! 簡単ですわ!」


 アリシアは得意げに微笑む。しかし、次の瞬間——


 ピッ! ピッ! ピッ! ピッ! ピッ!


「え?」

「あっ!?」


 缶コーヒー 2本をスキャンしたはずが……レジの画面には、『缶コーヒー×6』と表示されていた。


「……え? え??」

「アリシア! バーコード、何回もスキャンしてるよ!」

「な、なぜ!? たった一度かざしただけですのに!」

「いや、振り回すから何回も読み取られてるの!!」

「き、機械が反乱を起こしたのですか?!」


 アリシアは大慌てでコーヒーを持ち上げるが、その動きがまた誤作動を招き——


 ピッ! ピッ! ピッ! ピッ!


「……」


 最終的にレジの画面には『缶コーヒー×12』と表示されてしまっていた。


「おい、そんなに買わねえぞ!?」

「え、ええっとぉ……」

「と、とにかくキャンセルボタンを押して!」


 エリナが指示を出すが、アリシアはパニック状態でボタンの場所がわからない。


「ど、どれですの!? どのボタン!? なんでこんなにたくさんボタンがあるんですの!?」

「そこ! いや、違う、そこじゃない!」

「そこって一体どこですのー!!!」

「ここ、ここだよ!」


 エリナが素早くキャンセルボタンを押し、余分なスキャン分を取り消した。エリナはすかさず客に笑顔で頭を下げる。


「失礼いたしました」

「……お、おう、頼むぜ……」


 ようやく画面には正しい金額が表示され、エリナがホッと息をつく。


「さ、お客様に支払い方法を選んでもらって!」

「えっ?」


 アリシアが混乱している間に、客がスマートフォンをレジ横の端末にかざした。すると、『ピロン♪』と軽快な決済音が鳴る。


「な、ななな……何をなさいましたの!? まさか魔法!?」

「電子マネーってやつだよ」

「電子……?」

「お金がデータとして記録されてて、タッチするだけで支払えるの」

「そんな……庶民が魔法を使うなんて、ありえませんわ! 何ですの、この世界!?」


 アリシアは混乱し、エリナは頭を抱え、客は呆れ顔でレシートを受け取る。


「……申し訳ありません。今日からバイトに入ったばかりで……」

「ったく、しっかり教育しとけよー」


 客が帰ると、アリシアはその場にへたり込んだ。


「し、しんどい……」

「お疲れ。最初は誰でもミスするよ」

「……こ、これが庶民の労働……? これは……まるで戦場にいるようですわ……」

「まあ、コンビニバイトはやること多くて大変だよねー」



 ***



「はあ……こんな仕事、貴族の私には到底向いていませんわ……」


 初日のバイトを終え、アリシアはぐったりとした様子でバックルームの椅子に沈み込んだ。体力的には問題ないはずなのに、精神的な疲労がすさまじい。


(庶民は毎日こんな苦行を……? なんて過酷な環境なの……!)


 一方、エリナはそんなアリシアの様子を見ても特に驚くこともなく、手慣れた動作で缶コーヒーを開けた。


「ま、初日にしては頑張ったと思うよ。だいたいの新人さんは最初のレジで泣きそうになっちゃうし」

「そ、そうなのですね……?」


 アリシアはふとエリナの顔を見た。彼女は相変わらず、どこか疲れたような笑顔を浮かべている。


「あなたは……私たちの世界に来るまで、ずっとこの仕事をしてきたのですか?」


 エリナは少し驚いたように眉を上げ、苦笑する。


「んー、まあね。高校卒業してすぐ働き始めたから、もう何年目かな……」

「庶民はみな、こうして働くものなのですの?」

「うーん、人によるけどね。私の場合は……ちょっと違うかも」


 エリナは天井を見上げ、指先で缶の表面をなぞる。


「親が教育熱心でさ、大学に行くのが当たり前って感じだった」

「大学……?」

「まあ、あっちの世界でいう王立学校……とかなのかな? 私はその環境がしんどくてね。いつも塾に通わされて、自由なんてなかった。でも、塾の帰り道にコンビニに寄る時間だけは、少しホッとできたんだ」


 アリシアは珍しく自分のことを語るエリナのことを、黙って聞いていた。


(庶民にとって、コンビニとはただの商店ではなく、憩いの場でもあるのでしょうか……?)


「だから、卒業して働くって決めたとき、迷わずここを選んだんだよね」


 エリナは静かに微笑む。その目はどこか遠い目をしているように見えた。


「それで、世界を救ったっていうのに、こんな戦場みたいな場所に戻ってきたんですか?」

「ま、そういうことかな。あっちでのんびりするのも楽しかったけど、ここで働くのが、私にはあってるかなって」

「ふーん……」

「でも丁度バイトが足りなかったから、アリシアが手伝ってくれて助かったよ」


 アリシアは目を瞬かせた。


 「助かった」——その言葉が、不思議とその胸をときめかせた。


 これまでの人生で、「誰かを助ける」など考えたことはなかった。貴族として生まれたアリシアにとって、世話をされるのは当たり前であり、優雅に暮らすことこそが当然の在り方だった。自ら働き、誰かに感謝される——そんな経験は、生まれて初めてのことだった。


 (手伝ってくれて助かった、ですって……?)


 思えば、エリナは誰かを頼ることをしない。忙しくても文句も言わず、淡々と仕事をこなしていた。そんな彼女が、自分に向かって「助かった」と言ったのだ。


 ——ならば。


 (……別に、庶民の労働に興味があるわけではありませんけれど! でもまあ、あなたが困っているのなら……少しくらい手を貸してあげてもいいですわ!)


 そう、決して同情ではない。これは、貴族としての「余裕」なのだ。


 「では、エリナ!」


 アリシアは勢いよく椅子から立ち上がり、胸を張った。


 「明日からもきっちり私があなたを助けてあげますわ! この店の品格を貴族の誇りをもって向上させますわよ!」


 エリナは一瞬ぽかんとした後、くすっと笑った。


 「あはは、頼もしいね。それじゃあ早速、ゴミ出しお願い」

 「なっ……!? 早速、そんな雑用をさせるつもりですの!?」


 アリシアは文句を言いながらも、エリナに説得されてゴミ袋を手に取った。


 こうして、悪役令嬢アリシアのコンビニバイト生活は正式に幕を開けたのだった――。



 ***



 それからのアリシアは、驚くべき速さで仕事を覚えていった。


 品出しやレジ打ちだけでなく、常連客の顔や好みを覚え、さらには貴族として培ってきた気品ある接客術を取り入れ、次第に「丁寧すぎる店員」として定評を得るようになった。


「お客様、こちらの商品は本日限りの特売品でございます。よろしければ、もうひとついかがでしょう?」

「ふふっ、またお酒を買いにいらっしゃいましたの? 仕方ありませんわね、温かいおしぼりをご用意いたしますわ」


 そんなある日——


「ねえ! このお弁当不良品よ?!」


 店内に響き渡る怒声。振り向くと、レジの前で中年の女性がエリナを怒鳴りつけていた。


「ど、どうされましたか……?」

「この弁当、パッケージ通りにレンジで温めたのに冷たい部分があったのよ! どうしてくれるの!!」


(……そんなの、電子レンジのでもうちょっと加熱すればいいだけの話では?)


 アリシアは呆れつつも、エリナの方を見る。


「申し訳ありません、ご意見は本部に伝えさせていただきますので——」

「そんなことで許されると思ってるの! こっちはお客様なのよ!!」


(……なるほど、ただのクレーマーですわね)


 エリナは困ったように笑いながら対応しようとしているが、相手はエスカレートする一方だ。アリシアはゆっくりと前に出た。


「お客様……」

「何? あなた!」

「お客様におかれましては、大変ご不快な思いをされたことでしょう」


 アリシアは優雅に一礼する。


「しかし、この場で大声を張り上げることは他のお客様にご迷惑となりますので、お静かにお願いいたしますわ」

「……は?」

「また、レンジの加熱不足につきましては、お弁当を置かれた位置などにも問題がある場合がございますので、パッケージ通りの設定で加熱をしても完璧に温まるとは限りませんわ。ですが、より均一に温める方法をご提案することは可能です」


 アリシアは微笑みながら続けた。


「例えば、お客様のような高貴な方には、600Wではなく500Wで少し長めに加熱する方法をおすすめいたしますわ!」

「は、はぁ?」

「さらに、もし完璧な温め加減をご希望でしたら、レンジで加熱した後、ふたを開けて10秒ほど蒸気を逃がし、余熱で温めるという技術もございますのよ」

「……」

「お客様ほどの方なら、このような庶民の知恵など当然ご存じでしょうけれど、一応ご参考までにお伝えさせて頂きますわ」


 アリシアの完璧な貴族スマイルで客は完全にペースを乱され、何か言い返そうと口を開いたが——


「……ぐ、ぐぬぬ……!!」


 結局、何も言えずにそそくさと店を出ていった。


「……え、すご」


 エリナが目を丸くしてアリシアを見る。


「私クレーム対応苦手でさ、ありがとね」

「この程度、貴族として当然の嗜みですわ!」



 ***



 1か月が経ち、アリシアはすっかりコンビニの仕事に慣れていた。常連客の好みを覚え、レジ打ちも完璧。おでんの仕込みだってお手のもの。


(まさか、ここまで庶民の労働に順応することができるとは……我ながら、才能の塊ですわね)


 レジ横でおでんの用意をしながらアリシアがそんなことを考えていると——


  軽やかな電子音が響くと同時に、自動ドアがスッと開いた。アリシアが「いらっしゃいませ」と言う間もなく、鎧に身を包んだ騎士団の一行が続々と店内へ足を踏み入れる。


「……あなたたち、なぜここに?」


 先頭に立つ騎士団長が一歩進み出て、厳かに告げる。


「アリシア様、契約の1か月が経過しましたので。貴女をお迎えに参りました」


 品出しをしていたエリナはその手を止め、商品棚越しにちらりとアリシアを見る。


「そうですわね……1か月が経ちましたものね」

「では、すぐに帰還の準備を——」

「申し訳ありませんが、もうしばらくこちらに残りますわ。この店にはまだまだ私の助けが必要ですから」


 アリシアは堂々と胸を張って騎士団長に宣言した。対する騎士団長は動揺を隠せない様子で言いよどむ。


「ですが……侯爵様にはなんと伝えすれば……」

「ならばこう伝えてくださいませ!」


 アリシアは虚空に手を掲げ、優雅に宣言した。


「私は今、貴族として『救国の聖女』に恩返しをしていますの! よって、しばらく戻るつもりはありませんわ!」


 一瞬、店内に静寂が訪れた。


 そして——


「……そっか。アリシア、まだいてくれるんだね」

「エリナ?!」


 品出しを終えたエリナがレジ横に出て来る。その顔には、ホッとしたような安堵の表情が浮かんでいた。


「まだまだ人手不足でシフト組むの大変だったからね。アリシアみたいな優秀なバイトが手伝ってくれるのは、すごく嬉しい」


 そう言いながら、エリナはふっと笑った。その笑顔はいつもの疲れたものではなく、どこかあたたかい。


「と、当然ですわ! 感謝することね!」


 アリシアはぷいっと顔をそらし、いつも通りツンとした態度で宣言する。だが、その頬はほんのりと赤く染まっていた。


「あ、そうだ。騎士団の皆さんも、よかったら働いてってね! 夜勤の人がちょうど足りないんで」

「……は?」




 悪役令嬢のアリシアのコンビニバイト生活は、まだまだ続く——。

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