第24話 最終回・僕は時間を操るただの男子中学生
「グール。ありがとう。目が覚めたよ。
エマには今すぐ会いたい。探したい。
が今は、僕はただの男子中学生。
今日のバスケの試合だけに集中するよ。」
「タクマ。よく言った。お前はこの人間界の人間じゃない。
異世界夢の国の王子だ。
本来この世界で起きる出来事に干渉してはいけない。しかしすでに記憶は失われていたが、
数年の人間界でのタクマと言う中学生が実在している。
これも事実だ。」
「そうだ。僕はこの人間界に今、実在する。
ショウとリクが。バスケ部のみんなが待っている。」
「タクマ。時間が過ぎてるぞ。」
「しまった。時間を止めるのを忘れていた。
早く起きていたのにな。」
グールが羽根を広げ「パッ」と人間の姿にカラスから変身した。
「タクマ、今回だけ特別だ。
優秀な使い魔のグール様が時間と時空移動を行ってやる。」
僕は急いでジャージに着替えバスケットシューズの入ったカバンとユニフォームを投げ入れて、グールにつかまった。
「タクマ。行くぞ。」
僕の部屋が眩しいオレンジ色の変わり、
僕は時空時間を移動した。
「ドスン。」
光とともに城北中の校門前に着いた。
時間は6:30分。よしまだ誰もいないな。
後ろから声「タクマ先輩ー!。」「おはようございます。」
1年達がバスケのボールを肩に校門へ来た。
「タクマ先輩。マネジャーのグール先輩。
早いですね。遅れてすいません。」
僕は「大丈夫だ。気にしないでくれ。
僕が早く来ただけだ。」
「すいません。ありがとうございます。」
グールが「俺様が時間移動したんだぞ。」
1年生達はキョトンとした顔で「?」
僕は「マネジャーは冗談言ってるだけだ。
気にしないでくれ。」
僕はグールの頭をコツン。
そのあとすぐにリク、ショウ、先輩たちが来た。
キャプテンの江島先輩が「今日は勝つぞー。」
僕らバスケ部は校門前で士気を高めた。
見上げた空の色は、どこまでも続くように底なしのきれいな青色だ。
「きれいだ。」
僕は気を抜くとそのまま空にふっとカラダごと持ってかれる気がした。
その瞬間、今度はグールが「コツン。」
僕にげんこつを落とした。
「タクマ、帰るにはまだ早いぞ。」
僕はハッとして地面を見た。
僕は人間界にいる。ここに今存在している。
それから僕らは総合体育館へ入場。決勝。57-54。負けた。3ポイントが入っていれば同点。打つ間もなく、ホイッスル。試合終了。
「負けた。」
3年の先輩たちの顔が見れない。目の前の全国が消えた。
言葉がない。「悔しい。」ただそれだけだ。
今のこの瞬間の悔しさ。だれも感じたくない。感じたくないが涙と共に先輩、2年の僕ら、
1年、監督。カラダに、いたいくらい刻んでいる。
ラスト3分の時間止め。すれば勝てたかもしれない。
そんなこと、できるはずがない。すべきでない。
嘘の勝利よりリアルな負けがいいに決まってる。決まってるが「ちくしょう!」
僕はボールをゴールめがけて投げつけた。
「トン。トン。トーン。」ボールの転がる音だけがむなしく響く。
試合は終わった。
僕らは最後の円陣を組み。「お疲れ様でした。ありがとうございました。」
先輩、後輩、関係なく大声で叫んだ。
「終わった。」
グールが機械的なしぐさで「タクマ行くぞ。
エマが観客先にいる。リラも一緒だ。」
「グール、リクとショウに別れを言わせてくれ。」
グールが「その必要はない。タクマが消えたらそのあとはこの世界。人間界の調整力がタクマの存在自体を消す。」
「それは元々、僕がこの人間界に1mmも存在しなかったことになるのか。」
「そうだ。」
悔しいがどうすくこともできない。
僕は精一杯の力でリクとショウの手を握りしめた。
「いたいぞ。タクマ、力入れすぎ。」
「あ、すまない。じゃな。また明日。」
リクが「明日は夏の勉強合宿だ。またな。」
ショウも「またな。タクマ。」
僕はそのまま観客席にいたエマとリラの元に。
僕はエマに黙って抱き着いた。
エマの匂いがした。「エマ。」間違いない。
試合中にリラが記憶を失くしていたエマにリラが記憶を戻す魔法をかけたようだ。
「タクマ、元気だった?」
「あ、僕は。エマ。」もう一度、僕はギューッと抱きしめた。
そして「エマ。みんな、すまない。
このままじゃ夢の国、帰れない。
すまないが、時間を止める。もう一年。一年だけ人間界にいたい。」
みんなの返事を聞かないまま僕は最大級の時間止めをの力を使った。
そして夏の勉強合宿も終わり2学期が始まる。
僕はいつも通り部活、体育館へ。
マネージャーのグールが「タクマ。ボール、女子部に持っていくの手伝ってくれ。」
「いいぞ。」
「おーい。ボールだ。」僕はバスケボールが入ったかごをリラに渡した。
エマが「タクマ。リラじゃなくてこっちへもってきて。」
「はい。はい。」思い出した。エマはリラ以上に人使いが荒かった。
エマが「それからタクマ、私のキラキラとミズキさんのキラキラ見間違えないでね。
今度見間違えたら承知しないわよ。」
僕は「大丈夫だ。もう間違えない。」
笑いながらエマがバスケのボールを運ぶ。
僕はエマが大好きだ。例え、どの世界に転移したとしても。
「なーあ、グール。僕のあの強大な時間止めの発動後にエマはこの城北中に転校してきた。
正直3年生のエマが夏以降部活をしている、
シチュエーション自体?無理がないか?」
「別にいいんじゃないか?エマの意思だ。」
「そうだな。グール、ありがとな。助けてくれて。」
「タクマ、いつも言ってるだろう。
俺様は高貴な優秀なお前の使い魔だ。」
僕はもうしばらく、時間を操るただの男子中学生をする。
終わり。
僕は時間を操るただの男子中学生 京極道真 @mmmmm11111
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