第4話 学年集会

「タクマ、テストどうだった?」リクが聞く。

「まあ、まあ、かな。」今朝の時間を止めての15分暗記が効果発動だ。

「そっか。僕の方はさっぱりだ。ショウは?」

「聞くな。友よ。」

僕とリクはショウの肩に手をまわし「トントン」と無言でなぐさめる。

目の前では学年集会で先生達の話が続いてる。

もうすぐ夏休み。部活も先輩たちはラストスパート。なんだか、騒がしい季節がはじまりそうだ。

僕らは体育館にいた。同学年4クラス。100人近く。

広いようで「狭いな。体育館。」

リクが「えっ、タクマ何か言ったか?」

「あー、この体育館も4クラス入ると狭いなって。」

ショウが「そうだな。いつもバスケやってるときはコート広って思ってたけどさ。

一度に学年全員はいるとさすがに狭く感じるよな。」

「それに酸素が少ない。」

「リク、なんだそりゃ?」

ショウが「ばーか。リク。運動してるときの方が酸素よけいに吸ってるんだぞ。部活の時の方が体育館の酸素が少ないぞ。」

僕は黙ってうなずいた。

僕らのふざけた会話を女子達が白い目で見てる。

「はい。はい。」って感じだ。

僕は女子達の奥に視線を向けた。体育館に入る光で一人だけキラキラと光る子がいた。

僕の目が留まる。髪は肩までキラキラ光ってる。

「きれい。」

時間を止めて見ていたい。が、だめだ。今はやめておこう。何かが僕を止めた。

リクがすぐに食いつく。「どうしたタクマ。」「彼女は?」

「あー、1組のミズキさん。きれいだよなー。おとなしい子らしよ。」

ショウも「僕も知ってる。茶道か華道か。部活はそっち系みたい。」

「へーえ、お前達、すごい情報網だな。」

リクが胸を張って「かわいい子の情報は入手済みだ。なんでも聞いてくれたまえ。タクマくん。」

「だな。ハハハ。」僕はミズキさんに心を持ってかれた。

学年主任の先生の話は続き「これから夏休みの勉強合宿について話すぞ。」

先生は勉強合宿の目的意義を説明した。

そして「ただし、部活で中体連、決勝全国へと勝ち進んでいる者たちは

部活を優先するように。以上。解散。」

忘れていた。中2の夏休み。僕らの学校は恒例の10日間勉強漬け。

脳内が数字と単語と方程式で埋めれるくらいの恐怖の勉強合宿があった。

「わあーーー!」



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