月と礫

ある夜、大学3年生の島本肇は大学随一の麗人かつ先輩の山崎楓とひょんなことから二人きり飲み会に参加していた。大人の余裕でいつも揶揄う楓とまだ若い心を持つ肇はどこにでもいる先輩と後輩。けれど、そんな二人の想いが次第に錯綜し、めいめい心が揺れ動いていく。これは少しだけ青くどこか瑞々しい二人だけの夜の物語。

島本肇
関西の国立大学に通う大学3年生。大学から少し離れた場所で一人暮らしをしており、文学部に所属。容姿、頭脳、好色、全てが人並み以上のため、中の上と言われたりもする。ただ女性に対しては奥手で恥じらい深く、謹厳実直すぎるところが玉に瑕。山崎楓とは文芸部に入部したことがきっかけ出会い、同学部同学科であったことからも現在は同じ研究室に所属している。

山崎楓
島本肇と同じ大学に通う大学4年生。裕福…続きを読む