第七話 強引で可愛い後輩

 目覚まし音がピピピピッと甲高い音で鳴り響き起き上がる。


「やっと起きましたね」


 椎名の声?

 視線を向けると、勉強机の方で椅子に座ってこっちを見ていた。

 

「おはようございます、先輩」


 ニコリと彼女は微笑んできたその笑顔は、いつもの学校での姿とは違い、どこか特別な輝きを持っていた。

 髪は丁寧にセットされ、ほんのりとした化粧が施されていて、大人びた印象を与えていてよりいつもより可愛かった。


「お、おはよう。 あれ? まだ集合時間までは早いはずだけど……」


 目覚ましが鳴ったという事はまだ集合時間の二時間前だ。

 

「楽しみ過ぎちゃって先輩の家まで来ちゃいました!!」


 椎名はそういうと、立ち上がる。


「さて、先輩も起きた事ですし、朝ご飯のお手伝いに行ってきますね」


 僕の部屋から彼女は出ていくと、準備を済ませ彼女の元へ向かう。

 台所へ向かうと、椎名と母さんが仲良く話をしていた。

 

「先輩、そろそろ出来そうなので座って待っててください」


 僕が訪れたのに気づくなり、僕の好きな飲み物をコップに注いでくれる。

 そうして食事を済ませると、少し早いので僕の部屋で時間を潰そうという事になった。

 

「何かゲームするか?」

「そうですねぇ、先輩のお勧めゲームって何ですか?」

「お勧めかぁ~」

「あ、エッチなの以外でお願いします」

「そんなの女子に勧めるか!!」

「って事は持ってるんですねぇ~」


 嵌めやがったな!!


「これとこれとこれ面白いぞ」


 そう言って僕のお勧めのゲームを紹介する。


「面白そうですね、これ後で借りてもいいですか?」


 一通り説明を終えると、彼女はパッケージを興味深そうに眺めていた。


「構わないよ。 今からやるかい?」

「いえ、これは帰ってからやります。 スマホで何かないですか?」

「スマホか……だったらこれはどうだ?」


 そう言って僕がたまにやっているFPSのゲームを開く。


「あ~、それ男の子の間で流行ってますよね」

「だな」

「面白いですか?」

「まぁ、時間潰しにはいいと思う」


 実際、僕も友達から誘われてやってるだけで、それ以外は全くと言っていい程やってない。

 

「そうですか、ちょっと待ってください」


 そう言って彼女は携帯を動かしゲームを入れた。

 

「先輩、やり方教えてください」


 彼女はそう言うので、僕は知っている限りの操作方法を僕のスマホをもって教える。

 

「なるほどなるほど一回やってみましょう先輩」


 そう言って僕と彼女はデュオを組みしばらく遊ぶのだった。





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