第六話 約束
どうするかな?
金曜日の晩、僕は彼女のチャットを開き聞くべきか迷っている。
怒らせてしまった手前、明日どうするか聞きにくい。
聞いて余計に怒らせてもあれだし、行かなくても怒らせるし、どうしたらいいかわからない。
『先輩、明日行けそうですか?』
ピコッとチャット通知が来てみると、椎名からチャットが来た。
『うん、行けるよ』
『そうですか』
そういうと、私服姿の椎名の写真が送られてきた。
『これ、どうですか? 可愛いですか?』
グレーのパーカーと、スリムフィットのデニムジーンズに可愛らしいパーカーのフードに加え、キャップを斜めにかぶり、可愛らしくウィンクして実にあざとい。
可愛くか可愛くないかと言われればめちゃくちゃ可愛いが、それを言うと調子に乗るので『似合ってるな』ッと送っとく。
『私、可愛いか可愛くないか聞いてるんですけど?
スタンプ怒』
少しして彼女は深く溜息を吐いて呆れているアニメキャラのスタンプを送ってくる。
『似合ってるなぁ~』
『……先輩? スタンプ『質問に答えてください!!』』
後輩系ヒロインのスタンプを送ってくる。
正直に言ってもいいが、絶対的に弄ってくるよな。
『……もしかして可愛くないですか? スタンプ上目遣い』
この感じ、拗ねるな。
これ以上言わなかったら経験上高確率で拗ねる。
『可愛いと思うよ』
『本当ですか!? でしたらこれ着ていきますね!!』
意外に素直……てっきり弄ってくるもんだと思ったんだけどな。
『先輩はどんな服で来るんですか?』
『ん? まぁいつものようにパーカーにジーンズかな』
『そうなんですね!! お揃いですね!!』
『まぁ、そうだな』
『それじゃ、明日寝坊しないでくださいね!!
スタンプ「ビシッッと指差した女の子」』
『うん』
彼女に前科何犯か繰り返しているので、何も言い返せない。
『寝坊したらそうですね、先輩の部屋に突撃しますからね!!」
『わかってるよ、それじゃ噴水前でね』
『了解です!!
それじゃ、おやすみなさい!!
夜更かししちゃ駄目ですからね!!
スタンプ』
おやすみなさいと書かれたスタンプを贈られたので、会話を終了し僕は眠りにつくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます