椎名結奈(ウザい後輩)と恋に落ちる話
ゆうき±
第1話 告白とその結果
告白、それは人生における一大決心だ。
ある者は両思いで交際に発展し、ある者は今はまだごめんなさい。
ある者は受験が終わったら返事する等、漫画やアニメなどはほとんどが成功するはずだ。
だが、それは現実には当てはまることはない。
今僕春風柊真は目の前の黒井夕実に告白をして振られた所だ。
理由は今はまだ恋愛をする気はないとの事だった。
まだというのは可能性があるように思えるが、大抵はそんなことはない。
相手が傷つけず尚且つやんわり断る高等テクニックだと後輩の女子に聞いたから恐らくそうなのだろう。
そうして僕はゆっくりと去っていく黒井さんを見て涙が込み上げてくる。
好きってのは辛い……首が絞められたように息ができない。
何がいけなかったんだろう?
自分で言うのもなんだが、身だしなみには気を付けていた。
女子が嫌うのは清潔感からというので、必死に男を磨き一年間頑張ってきたのだ。
性格も……そこまで悪くはないとは思う。
性格なら仕方ないが、そもそも性格が悪い奴と誰もデートなど行かないだろう。
ならなんだろう?
考えるのもしんどいな。
とにかく胸の喪失感がヤバい。
今悪徳宗教の勧誘が来たら自暴自棄になって入信してしまいそうだ。
某アニメのア〇〇ズ教にだって入ってしまうだろう。
「振られちゃいましたか」
後ろから後輩の
「大丈夫ですか?」
椎名は優しくそう言ってくれて大きく息を吸って吐くと、少し落ち着いた。
「……ありがとう」
黒髪のミディアムと丸い瞳で心配そうにこっちを見ていた彼女にお礼を言う。
「それはよかったです」
屈託のない笑顔を向けてくる。
「ごめんな、相談に乗ってもらったのに……」
「仕方ないですよ、恋はギャンブルなんですから。 それで、どうします? まだ彼女を追いかけますか?」
彼女は僕を試すような視線を向けそう言った。
「もう諦めるよ、これ以上彼女に迷惑を掛けたくないし」
「へぇ、諦めるんですか?」
目を細めて言う彼女からは「お前の愛はその程度か」という圧を感じた。
「う、うん」
「ほんとのホントに諦めるんですね?」
「しつこいな、そう言ってるだろ」
「そうですか、先輩がそう決めたのならもう何も言いません」
そういう彼女は再び笑顔を向けてくる。
「先輩、今日はこの後暇ですか?」
「あぁ、今日はもう特に用事が無いな」
告白が成功して一緒に帰る予定だったので、今日は何も予定はいれていない。
まぁ、失敗したんだが……。
「ざんねんですねぇ、成功せず一人で帰ることになるなんて」
「うるせぇ」
そう言って僕の考えを見透かすように笑いながら言った。
元気になったとみるや否やこいつは……。
「今日暇でしたらご飯でも行きませんか? 私の分を奢らせてあげます」
「いや意味わからんだろ。 普通は「今日は先輩の分奢ります!!」だろ。 なんで振られて落ち込んでんのに奢らないといけないんだよ」
「さて、何奢ってもらおうかなぁ~」
僕の言葉を無視するように彼女は歩き出す。
本当、都合の悪い事は風のように聞き流すな。
「せんぱ~い、早く行きましょうよぉ~」
「はぁ~」
「早く早く」と急かす後輩と共に学校を出て晩御飯を食べに行くのだった。
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作者より
今晩わ、ここまで読んで下さりありがとうございます。
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